二塁打以上の長打力にこだわる!千葉ロッテマリーンズ・上田希由翔【ラブすぽ独占インタビュー】
昨年よりレベルアップしたバッティングを
見せられるように!!
飛躍を誓う2年目のドラ1スラッガーが、一軍で着実に出場機会を積んでいる。
昨季、ドラフト1位で千葉ロッテマリーンズに入団した上田希由翔選手。プロ1年目は一軍21試合に出場も、7月に故障で離脱。今季は開幕から一軍の座を勝ち取り、三塁レギュラーの座を実績のある先輩たちと競っている。
今回、首脳陣からの期待も厚い大型内野手に、『ラブすぽ』が独占取材を実施しました!
打席では“ストライクを見逃す勇気”も必要
長打でチームに貢献したい!!
――今季は開幕一軍、スタメン出場も増えてきました。
上田 上手くいっていること、いっていないこと、どちらもありますけど、1年目の昨季と比べたら良い状態でシーズンに入れていると思います。
――昨季は一軍デビューやシーズン中の故障も含め、多くの経験を積んだ1年間でした。2年目の今季、ご自身ではどんな部分で成長を感じていますか?
上田 「真っすぐを捉える」という部分に関しては昨季もある程度手応えは感じていました。ただ、変化球への対応やスイングの強さなどは、間違いなくレベルアップできている実感があります。昨季はケガをしてしまって自分のやりたいこと、試したいことができない期間が多かったので、今季は体のケアにも気を付けながらシーズンに臨んでいます。
――プロに入って一番レベルの高さを感じたのは、やはり「変化球」の部分?
上田 変化球もそうですが、配球も含めて「やはり簡単には打たせてくれないな……」と感じました。アマチュアとの一番の違いは、そういう部分が大きいと思います。プロではひとつのストライクを見逃す勇気も必要だなと。
――ストライクを“見逃す勇気”ですか?
上田 もちろん、追い込まれるにつれてバッター側は苦しくなるので、たとえばファーストストライクを簡単に見逃したくはないです。けど、「打たされる」のも違うと思うので、打席の中で勇気をもって見逃すことは意識しています。
――そういう部分も含め、大学時代よりも打席内で「考える」ことは増えた?
上田 勢いだけでは打てないので、打席の中でも、その前後も、データや配球の傾向を照らし合わせながら考えています。
――データだけでなく経験も蓄積された昨季を経て迎えた2年目の今季。まだシーズンは長いですが、どういう形で「結果」を残していきたいですか?
上田 今はなかなか結果が出ていないんですけど、昨季から求められているのはやっぱり長打力。二塁打以上というのはこだわっていきたいです。そのためには目先のヒットだけでなく、しっかりと強い打球を打つことを意識していかないとダメなのかなと。
――やはり上田選手の持ち味は「長打力」。
上田 足が速いわけではないので、塁に出て相手をかき乱せるかと言われたら、そうではない。であればチャンスで走者をかえす打撃、もしくは二塁打以上でチャンスメイクするのが自分の仕事かなと思っています。
――「ドラフト1位」の肩書きにプレッシャーを感じることは?
上田 1年目の昨季は色々なところでそれを言われて、自分の中でも「1位だから」と変に意識してしまった部分はあったと思います。ただ、今季そこは割り切って、順位関係なく自分がやるべきことをやらなければいけないと思えるようになりました。
同学年のチームメイトが少ないのは、
正直ちょっとさみしいです(笑)
――三塁というポジションには実績ある先輩も多くいます。試合に出続けるためには、そういった先輩たちとのポジション争いを勝ち上がらなければいけない。
上田 先輩方とはこれまで出場してきた試合数も全然違いますし、吸収できる部分は吸収したいと思っています。ただ、やっぱり最後は自分がどうあるべきか、どう結果を残すか。周りは意識せず、そこにフォーカスすることが必要なんじゃないかなと。本音を言うと、けっこう周りのことを気にしてしまうタイプではあるんですけど……(苦笑)。
――では、プロの世界で「意識する選手」もいない?
上田 参考にさせてもらう選手はいます。ただ、「あの選手が打ったから」とか、そういう部分は気にしないようにしています。
――ちなみに、参考にしている選手はどんな人ですか?
上田 自主トレを一緒にやらせてもらった(中村)奨吾さん、若林(晃弘/日本ハム)さん、田中広輔さん(広島)、奈良間(大己/日本ハム)さん、北村恵吾さん(ヤクルト)はバッティングを見させてもらったり、結果も見ながら参考にさせてもらうことは多いです。同世代で言えば長岡(秀樹/ヤクルト)や宗山(塁/楽天)も、「こんなアプローチしているんだ」「こういう仕掛け方をするんだ」といった部分は見るようにしています。
――そのうえで、後は自分のやるべきことにフォーカスする?
上田 いろんなことを気にしてしまうので、そこ(意識する部分)は広げないようにしています。
――以前、試合後のトークショーで自身のことを「ネガティブ」と話していましたが、そこにつながる部分もある?
上田 はい、だいぶネガティブです……(苦笑)。なので、自分の打率はあまり見ないようにしたり、他の選手の数字も見ないようにして、できるだけ自分自身のことだけを考えるようにしています。
――結果が出なかった時に考え込み過ぎてしまう?
上田 切り替えが苦手なので、どうしてもそういうところはありますね。ただ、考えること自体は別に悪いことではないので、とことん考えて、あとはスパッと切り替えるのが理想です。
――「切り替え」という意味では試合後やオフの過ごし方も重要だと思うのですが、上田選手はどうやって気持ちをリフレッシュしているのでしょう。
上田 オフの日も治療やトレーニングに費やす時間が多いんですけど、それ以外の時間は逆に野球のことを考えないように動画を見たりしています。
――どんな動画がお気に入りですか?
上田 YouTubeだったら地元の「東海オンエア」さんや、あとはサブスクで映画を観たりしています。
――仲の良い選手と食事に行くとかは?
上田 寮生なので最近は西川(史礁)、山本大斗、寺地(隆成)と一緒に行動することが多いです。球場と寮の往復も、自分の車にみんなで乗って移動したり。先輩では池田(来翔)さんがすごく良くしてくれるので、連絡を取り合うことも多いです。
――マリーンズには同学年の選手が少ないですよね?
上田 野手では一人もいなくて、投手も(横山)陸人だけです。正直、ちょっとさびしいです(笑)。
――ありがとうございます!では最後に、マリーンズファン、プロ野球ファンに向けて自己アピールとメッセージをお願いします。
上田 今シーズンは昨年よりレベルアップしたバッティングを見せられるように頑張りますので、応援よろしくお願いします!
収録:2025年4月15日
インタビュー及び記事執筆:花田雪
協力:千葉ロッテマリーンズ