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【倉敷市】ONE PROJECT 2025 IN OKAYAMA(2025年7月12日開催)~ 小学生がバスケットボールの楽しさと大切なスキルを、現役プロBリーガーから学ぶ

倉敷とことこ

ONE PROJECT 2025 IN OKAYAMA(2025年7月12日開催)~ 小学生がバスケットボールの楽しさと大切なスキルを、現役プロBリーガーから学ぶ

近年、倉敷の中学校の男子バスケットボールチームが、毎年のように全国中学校体育大会(全中)やジュニアウインターカップ(JWC)に出場し、輝かしい成績を残しています。

バスケットボールにはあまり詳しくない筆者ですが、なぜ公立中学校がこれほどまでに強さを保ち続けているのか、以前から気になっていました。

小学生を対象としたこのイベントが、その強さの秘密に関係しているのかもしれないと思い、実際にようすを見に行ってみました。

「ONE PROJECT」とは

ONE PROJECTは、現役のプロバスケットボール選手が地元貢献事業として、岡山県内の小学生(4年生~6年生の男女)を対象に、プロの視点から「バスケットボールの楽しさ」や「スポーツマンシップの大切さ」、「今の年代に学んでおきたいこと」、「今、必要なスキル」などを伝える活動です。

昨年(2024年)に続き2回目の開催となった今回は、一般社団法人NSEの主催により、2025年7月12日(土)に倉敷体育館でおこなわれました

会場の倉敷体育館

一般社団法人NSEとは

今回のイベントを主催した一般社団法人NSE(以下、「NSE」と記載)は、以下の理念のもと、2025年4月に設立された団体です。

・バスケットボールを通じて、子どもたちの無限の可能性の「発掘」・「育成」・「強化」を図る。
・次のステージ(カテゴリー)への環境づくりに努める。
・地域に根付いた活動、セカンドキャリア支援の活動に尽力する。

具体的には以下のような活動をおこなっています。

U15
倉敷南中男子バスケットボール部として、「全中」「ジュニアウインターカップ」の頂点を目指すなかで、技術の向上だけでなく、人間力の向上、次世代へのステップとする。
U12
小学生を対象に「NSEアカデミー」を開催。個人技術の向上。バスケット愛を育む。
トップアスリート育成事業
地域貢献事業
セカンドキャリア支援事業

ONE PROJECTは「地域貢献事業」の一つとして開催されたとのことです。

体育館の暑さを吹き飛ばす子どもたちのやる気と元気

この日は、現役プロBリーガーである土家大輝(つちや だいき)選手、小栗瑛哉(おぐり あきとし)選手、サポートとして土家拓大(つちや たくと)選手、石原史隆(いしはら しりゅう)選手の4名(いずれも倉敷市立玉島北中学校出身)が指導に来ていました。

左から、土家大輝選手、小栗瑛哉選手、土家拓大選手、石原史隆選手

午前・午後それぞれ50名ずつの定員は、募集開始からわずか1日半でいずれも満員となり、倉敷の子どもたちのバスケットボール熱の高まりを実感し、開始前から驚かされました。

開始時間になり集合の合図がかかると、子どもたちは素早く集まって整列し、待ちきれない気持ちが伝わってくるようでした。
開会式では、主催のNSE代表理事の坪井晶コーチから「今日はプロの選手の目から見たバスケの楽しさや大切なことを学びましょう。みんな、バスケ好きだよね?好きだったら、遠慮せずなんでも尋ねて、挑戦してください」という話がありました。

続いて、この日の指導者の紹介です。参加している子どもたちの先輩でもあるプロBリーガーたちに、みんな一層真剣な表情で注目していました。

いよいよ活動開始です。

練習のようす

ウォーミングアップを30分ほどおこなった後、バスケットボールを使った活動が始まりました。
選手たちは、練習している子どもたちの間を歩きながら、良いプレーを褒めたり、ワンポイントアドバイスをしたりしていました。声をかけられた子どもたちのうれしそうな表情が印象的でした。

もう一つ印象的だったのは、この日参加していた中学生の先輩たちが、子どもたちをサポートしていたことです。
はじめのうちは緊張気味だった中学生たちも、時間が経つにつれて自分たちから積極的に体を動かし、声をかけたり数を数えたりして、一緒に楽しみながら盛り上げます。そのようすを見て、彼ら自身もこうして先輩たちに育ててもらったのだろうと感じました。

練習後の閉会式では、子どもたちからの質問コーナーもあり、最後に選手一人一人から、子どもたちへのメッセージが贈られて終了しました。

参加した感想

活動終了後、参加した子どもたちが選手たちと交流する時間がありました。

はじめは恥ずかしそうにしていた子どもたち。
しかし、順番にボールやシューズなどにサインをもらったり、一緒に写真を撮ったりすると、うれしそうに目を輝かせていました。

参加していた小学生に、参加した感想やこれから頑張りたいことなどを聞きました。

田辺花彩(たなべ かや)さん(小5)──

ずっとやっていて、途中で疲れたときもあったけれど、ドリブルが上手になったと思います。シュートも決まって楽しかったし、中学に入ってもバスケを続けたいです。

お母さん──

玉北のアカデミーに参加しています。坪井先生のご指導がすばらしいです。教えかたがとても分かりやすく、お話がすっと心に入ってきて、しっかり聞きたいと思わせるような雰囲気があります。

高谷旺佑(たかや おうすけ)さん(小6)──

とても楽しかった。これからもバスケを続けたい。

お母さん──

昨年もこのイベントに参加し、今年も絶対に来たいと思っていたので、開催情報を聞いてすぐに申し込みました。

私もバスケをしていたことがあり、子どもが小さい頃から一緒にプレーしてきたので、今日は親子でとても楽しみにして来ました。このような機会は本当にありがたいです。

土家大輝選手にインタビュー

左から、小栗瑛哉選手、土家大輝選手

終了後、代表して土家大輝(つちや だいき)選手に話を聞きました。

──この活動についての思いを聞かせてください。

土家(敬称略)──

僕らが経験してきたこととかプロのキャリアを通して学んだことを、地元の次世代の子どもたちに還元できればいいなという思いでやっています。

──プロとしての活動や試合があるなかで、この活動をおこなうことはご負担もあるかと思いますが、それでもやりたいと思える活動でしょうか。

土家──

もちろんそうです。今回も主催してくれている坪井先生に出会えたからこそ、今の僕たちのキャリアがあるので、僕たちが活躍することももちろんですが、こうして経験してきたことを少しでも岡山県の子どもたちに伝えられたら、先生への恩返しになるかなと思っています。

──倉敷の中学時代のことを教えてください。

土家──

毎日朝早くから通って練習していたけど、それ以上に玉島北中で坪井先生の元でバスケットをすることが楽しくて、またさらに試合に勝って結果が出ることが本当に楽しくて、もう本当にバスケットが大好きになった3年間でした。なんか楽しい思い出しかないです。

──今、小学生や中学生の子たちに何か言ってあげるとしたら、どのようなことを伝えたいですか。

土家──

今日も伝えましたが、失敗してもやり続ければ必ず成長できるので、今はできなくても目標を持って努力し続けてほしいと思います。

それが結果的に自分自身を成長させてくれるので、そういったことをクリニックを通して伝えていきたいです。

おわりに

バスケットボールについてはあまり詳しくなかったのですが、倉敷の公立中学校が毎年のように中国大会で優勝し、全国大会でも好成績を残していることに、驚きとともに「なぜだろう?」という疑問をずっと抱いていました。

今回のイベントを取材するなかで、長年熱心に指導に携わってきた坪井晶コーチの指導力と熱意の賜物であることが分かりました。

坪井晶コーチは、倉敷市内の中学校で体育の教員として長年勤務した後、2025年春に退職。NSEを立ち上げました。
中学校勤務時代に指導していた玉島北中学校、倉敷南中学校の男子バスケットボール部は、これまでに合わせて9回全中に出場し、準優勝2回、3位2回という輝かしい成績を残しています。

現在は、NSEでの指導に加え、部活動指導員として倉敷南中の部活動指導も続けています。

また、「ONE PROJECT」を来年以降も継続しつつ、NSEとしての最大の目標は「体育館の設立」だそうです。

「NSE専用体育館というのは難しいと思いますが、他の競技団体や地域のかたもともに活用できるような体育館ができることを目指しています。これからも頑張っていきますので、どうぞご支援をお願いします」

と語る坪井コーチ。
部活動の地域移行という視点からもNSEのような組織が、地域のかたの理解と協力を得ながら地域に根付く活動を継続し、多くの子どもたちを育てていくことの意義を感じました。

今年設立されたばかりのNSEは、子どもたちの活動支援や地域のスポーツ振興のために、協力してくださるオフィシャルスポンサーを募集しているそうです。

倉敷のバスケットボールがさらに盛り上がるよう、趣旨に賛同される企業や個人の皆様に応援していただけるといいなと思いました。

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