考古学ファンら来場 下寺尾西方遺跡で説明会
国指定史跡「下寺尾官衙遺跡群」の1つ、史跡下寺尾西方遺跡で1月25日、第22次確認調査現地説明会が開催された。
下寺尾官衙遺跡群は、茅ヶ崎市北西部と寒川町にまたがる複数の遺跡で構成される。約1300年前の官衙(役所)跡が発見され、この場所が当時、相模国・高座郡の中心だったことが分かったとして、2015年に国の史跡に指定された。
また、弥生時代中期後半に「南関東最大級」の2本の環濠(大きな溝)が巡らされた集落があったことも判明。19年に追加で国の史跡に指定された。「二重指定」は全国でも2例のみという。
この日は午前と午後の部あわせて136人が来場。市職員が昨年11月から行われてきた調査について説明した。地層のなかに1707年の宝永噴火で堆積した富士山の火山灰があるなど「縄文から現代に至るまで常に人々の生活があった」ことのほか、今後の検証が必要だが同遺跡内では初めて弥生時代の可能性がある長方形の竪穴状遺構が発見され「ムラの西端部にこれまで発見された竪穴住居や環濠とは異なる施設が存在していた可能性がある」ことなどが明かされた。
綾瀬市から参加した男性(44)は「全国の遺跡を巡るのが趣味だが、実際の遺構を見られる機会は少ない。昔の人々の生活を想像してワクワクした」と話していた。