政治参画シンポジウム 「女性を議会に送り出す」 多様性の担保など意見発信
女性参政権が実現して80年の節目に合わせ、議会に女性議員を送り出すことを目指すシンポジウムが2月1日、横須賀市平成町の神奈川県立保健福祉大学で開かれた。市川房枝記念会女性と政治センターの主催。
地方議会に女性の占める割合は17・1%、神奈川県では24・5%と依然として低い水準にとどまっていることを問題視し、政治参画を促すためのきっかけとして催された。この先の選挙で立候補を検討している人など約30人が集まった。
愛知県の西尾市議会で7期目を務める鈴木のりこ議員は自身の経験を踏まえ、住民参加型選挙のイロハを紹介。仲間集めや資金づくりといった事前準備から選挙期間中の手配に心構えなど、結果が出るまでのロードマップを示した。
横須賀市議会で3期目を務める小幡沙央里議員ほか、地方議会で活動する市議・県議は、政治の世界に飛び込んだ理由や取り組んでいるテーマについて報告。小幡議員は「学生時代に接した不登校児童・生徒の存在や市の人口が転出超過に陥っている状況を目の当たりにして立候補を決意した」と説明。現在は子どもの育ちを支える施策の充実化と安心安全のまちづくりに力点を置き活動していることを伝えた。
市長は100年以上男性
登壇している議員が会場からの質問に答える場面もあった。東京都杉並区で女性区長の誕生を機に、区議会で女性議員が半数を占めるようになった例を引き合いに、女性がトップに就くことの意義を問われると、小幡議員は「(横須賀では)100年以上続く市政で、女性の市長はひとりもいない。この状況に違和感がないことに自分を含めて慣れてしまっている。行政だけでなく民間でも女性がトップを務めることで変化を生むことができるのではないか」と見解を述べた。