林野火災の被害防げ 上越市の金谷山公園で消防訓練 大船渡市での経験生かし
林野火災が増加する時期に合わせ、上越南消防署などは2025年4月25日、新潟県上越市大貫の金谷山公園で消防訓練を行った。2月に岩手県大船渡市で発生した大規模林野火災での活動経験を生かし、長距離送水や延焼防止の手順を確認した。
《画像:金谷山の斜面に登り放水する消防隊員》
融雪や空気の乾燥とともに増える林野火災を防ごうと、上越地域消防局が今月取り組んでいる「山火事・たき火火災防止運動」の一環で実施。有事に備え管内各地で訓練を行っているほか、火災予防に向けた広報や警戒を強化している。
この日の訓練には、同署と同署高士分遣所、同局指令統制課から24人、ポンプ車など6台が出動した。緊急消防援助隊として大船渡市で活動した際に課題となった長距離へのホースの延長や、機動力を生かした延焼防止などが確認できるよう、同公園リフト乗り場付近で芝火災が発生し、山の斜面に向かって燃え広がっているという想定で行われた。
《画像:火元から120mほど離れた池から取水》
隊員は火元から120mほど離れた池から取水し、可搬式ポンプやホースを持って斜面を駆け上がって放水。風向きや延焼の範囲など、声を掛け合いながら情報共有し、さらに40mほど斜面を登った先の延焼箇所も、隊を展開しながら対応した。約20リットルの水が入る背負式ポンプを使った活動も行った。
《画像:可搬式ポンプやホースを持って火元へ移動》
《画像:火元に見立てた発煙筒の煙目掛けて斜面を駆け上がった》
同署の小林功和署長は「大船渡市での教訓を生かし、飛び火や風向きによる拡大を迅速に防ぐ消火戦術ができた」と振り返った。また「暖かくなると外で火を使う機会も増えるので、火の取り扱いや気象状況に注意し、野焼きは法律で原則禁止されているので行わず、火災予防に努めてほしい」と呼び掛けている。
《画像:訓練の講評をした小林署長(右)と参加隊員》