横浜美術館 全館オープン迎え記者会見 記念展「おかえり、ヨコハマ」は6月2日まで
横浜美術館は、全館リニューアルオープンを翌日に控えた2月7日、記者会見を行った。蔵屋美香館長やリニューアルに関わったクリエイター、リニューアルオープン記念展「おかえり、ヨコハマ」の出品作家が出席し、生まれ変わった館内の特徴や記念展について説明した。
今回のリニューアルでは、同館のエントランスホール「グランドギャラリー」を中心とした「じゆうエリア」を拡充。展覧会の観覧者以外でも無料でくつろげるスペースを増やした。建物や作品を見ながら併設のカフェの飲み物を座って飲むことができる場所や子どもが靴を脱いで楽しめるエリア、彫刻の近くに座ってくつろげる大階段などが作られた。
リニューアルオープン記念展「おかえり、よこはま」は、縄文時代から現在までの横浜の歴史を振り返る。蔵屋館長は「いろんな特性を持った人がごちゃっと集まって港を開いて、ゼロからこの街を作ってきた歴史をアートで描き出そうと考えている」と話す。
見どころの1つが洋画家・松本竣介氏の「Y市の橋」シリーズ。現在も横浜駅の近くに存在する「月見橋」がモデルと言われ、戦前から戦後にかけて起こった変化が描き留められている。横浜では初のまとまった紹介となり、今回、その変化にまつわる新たな説を紹介する。蔵屋館長は、「ローカルの歴史はまだまだ掘り下げていけるし、その上に自分が暮らしていると思うことは誇りの源、タイムトリップというアートならではの経験ではないか」と話した。記念展は6月2日まで。