秘境駅で「自分の名前」入りの私物看板 JR東海乗務員が知人に撮影依頼→写真をSNSに投稿
■自分の名前を冠した「〇〇号」を掲示 車両種別も勝手に変更
JR東海の乗務員が勤務中に、自分の名前を書いた自作のヘッドマークを掲げていたことが判明した。しかも、その様子を知人に撮影させて、SNSに投稿していたという。JR東海は「厳正に対処する」としている。
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JR東海によると、30歳の男性乗務員は2021年8月21日、JR飯田線の普通列車に車掌として乗務した。その際、社内に乗客がいないことを確認して列車前頭部に入室して、自分の名前を冠した「〇〇号」と書いた私物の看板を掲げた。また、車両の種別表示を「普通」から「試運転」に変更した。
さらに、その様子をあらかじめ連絡していた知人にホーム上から撮影させた。その後、長野県にある為栗駅に到着してから、駅のホームに乗客がいないことを確認し、看板を掲げて知人に撮影させたという。撮影した写真は今年2月23日、SNSに投稿していた。
この男性乗務員は昨年2月25日にも愛知県内で東海道本線に乗務した際、同じ看板を列車の前頭部に掲げ、列車種別表示を「回送」から「快速」に変更した。行先表示も本来は無表示だったにもかかわらず、「中部天竜」に変更して、知人に沿線から撮影させた。今年2月23日に、撮影した写真をSNSに投稿している。
乗務員による不適切な行為は、今年5月28日に社外の問い合わせ窓口に「社員が不適切な画像を投稿している」と連絡が入ったことがきっかけだった。JR東海が調査を実施した結果、飯田線と東海道本線で上記の行為が確認された。安全運行や乗客への影響はなかった。
JR東海は「今回の事象は、乗務員として不適切な行為であり、厳正に対処します。今後、全乗務員に対して改めて指導を徹底し再発を防止します」とコメントしている。この男性乗務員は「SNSの限られた仲間で写真を共有して喜んでもらいたかった」と話しているという。
SNSなどでは「公共交通の信頼を損ねる行為」、「SNS映え目的の演出は許されない」など批判が集まっている。飯田線の為栗駅は「秘境駅」として鉄道ファンの間で知られるスポット。今回の行為には撮影意欲をくすぐる意図も透けて見える。今後、JR東海の処分内容も注目される。
(SHIZUOKA Life編集部)