【あそぼーい!編】熊本・阿蘇・人吉を巡って「熊本プレDC」を体験! D&S列車で熊本から阿蘇駅へ
「熊本デスティネーションキャンペーン・プレキャンペーン(熊本プレDC)」取材で巡る熊本。熊本城を散策した後は、JR九州が誇る観光列車「D&S列車」のひとつ、特急「あそぼーい!」に乗車しました。「親子で楽しむ鉄道の旅」をテーマとした列車で、これまでは熊本~阿蘇~大分~別府を1日1往復していましたが、2025年3月のダイヤ改正で熊本~阿蘇~宮地の1日2往復となり、より気軽に利用できるように。現在は、ほぼ毎日運行しています。
今回は熊本駅から阿蘇駅まで、1.5時間弱の乗車を体験してきました。デザインや車内設備はどのようになっているのでしょうか? 早速見ていきましょう。
【参考】
【熊本市編】熊本・阿蘇・人吉を巡って「熊本プレDC」を体験! 完全復活目指す熊本城や「あか牛」「馬肉」など名物料理を堪能
https://tetsudo-ch.com/12999018.html
D&S列車とは?
D&S列車とは、デザイン&ストーリー列車の略称。いわゆる観光列車で、今回乗車した特急「あそぼーい!」以外にも熊本県内では、球磨の自然を模した和モダンの美しい列車「かわせみ やませみ」(令和2年7月豪雨により人吉への運行ができなくなり、現在はあそぼーい!と同区間を臨時列車として運行)、熊本駅~三角駅を走り、バーカウンターでハイボールを楽しめる「A列車で行こう」を運行。電車旅を盛り上げています。
「あそぼーい!」は、「ななつ星in九州」をはじめとするJR九州の車両デザインを数多く手がけてきた水戸岡鋭治氏がデザイン。車体にも車内にも散りばめられた「くろちゃん」が特徴で、最も「かわいい」D&S列車であることは間違いありません。
ちなみに、くろちゃんの本名は「あそ くろえもん」。「あそぼーい!」のマスコットキャラクターとして誕生しましたが、現在はJR九州全体のキャラクターとなっているそう。筆者はこの旅の少し前、小倉駅から鹿児島本線に乗車した際にドア付近でくろちゃんに遭遇しました(笑)
熊本駅から「あそぼーい!」で阿蘇駅へ
前回、熊本城に向かう際は九州新幹線の熊本駅で下車して向かいましたが、今回は在来線の新駅舎から乗車しました。在来線新駅舎の白川口(東口)は安藤忠雄氏のデザイン。熊本城で見学してきたばかりの石垣「武者返し」をイメージしているそうで、タイムリーな気持ちになります。外観だけでなく、コンコース内も熊本城を意識した和モダンのデザインで素敵でした!
見どころ満載の車両内を散策!
「あそぼーい!」に乗車し、熊本駅を出発したら早速、車両内を散策です。私たち記者に限らず、一般の乗客もカメラを片手に歩き回っている姿をあちこちで見かけました。思わず写真を撮りたくなるスポットが満載の内部を見ていきましょう。
「あそぼーい!」の3号車はファミリー車両となっていて、子どもが楽しめるようにデザインされています。遊んで、景色を見て、食事やおやつも楽しめる空間です。
立野駅で記念撮影タイム! スイッチバックを体験
今回乗車した「あそぼーい!3号」は、立野駅で15分ほど停車してくれるので、ホームに降りてゆったりと記念撮影をする人が続々。もちろん、私もそのひとりです(笑)。立野駅はJR九州と南阿蘇鉄道が共同使用する駅なのですが、取材時は奥の線路に、南阿蘇鉄道のトロッコ列車「ゆうすげ号」が停車していました。高森駅から立野駅までの区間を片道1時間弱かけて走る観光列車、いつか乗ってみたいですね。
立野駅から隣の赤水駅までの距離は約8kmですが、標高差が約190mもあり急勾配なため、三段式のスイッチバック運転で前後に進行方向を変えながら、ジグザグと進みます。筆者はこれまで、箱根登山鉄道で何度かスイッチバックを経験しているのですが、列車が進行方向を変え、後ろ向きに動き出す瞬間は何度経験しても楽しい! テンションが上がりました。
あちこちで記念撮影をしつつ、車内限定販売のスイーツを楽しみ、阿蘇の景色を堪能していたら、あっという間に阿蘇駅へ到着。隣の席の記者と「おやつタイム以外はほとんど席に座っていなかったかもね」と笑い合うほど車両内の探検が楽し過ぎて、もうしばらく乗っていたいくらいでした……。
後ろ髪を引かれつつ阿蘇駅のホームへ降り立つと「くろ駅長室」なるものを発見。実はくろちゃん、阿蘇駅の名誉駅長に就任しているそう。ここでお別れかと思っていたくろちゃんのお出迎えに、ほっこりとした気持ちになりました。
「あそぼーい!」を阿蘇駅で下車し、向かうは南小国町へ。次回は、JR九州が主催する「九州観光まちづくりAWARD 2024」の大賞を受賞した「Foreque/喫茶 竹の熊」の取り組みや美しい田園風景をお届けします!
次回: 【竹の熊編】熊本・阿蘇・人吉を巡って「熊本プレDC」を体験! 話題の映えスポット「喫茶竹の熊」で田園風景に癒される
文/写真:斎藤若菜