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相模湖地区 医ケア児通える放デイ開所 支援の充実に期待

タウンニュース

タネノバ管理者の首藤さん(左)と、モノリスの横山さん

医療的ケア児(医ケア児)も通える放課後等デイサービス「タネノバ」(若柳1208)が4月1日に開所した。「医ケア児の放課後の過ごし方が充実されるのでは」と関係者も期待を寄せる。運営は就労継続支援B型作業所や福祉サービス事業を手掛けるNPO法人モノリス(橋本)が担う。

空家となっていた古民家に施設を構えた「タネノバ」。「放課後等デイサービス(放デイ)は地域とのつながりが重要。ここは近所の方たちも協力的で、とてもいい環境なんです」と管理者の首藤幸一郎さんは話す。

元々、小学校の支援級で教師を務めていた首藤さんは地域のサポートの必要性を感じ、学校を退職。自ら、NPO法人タネノバを立ち上げた。「親御さんの大変な様子を見ていて、不登校や発達障害の子たちを地域でサポートできないか考えて」と思いを語る。主に自宅で、フリースクールや親子ワークショップなどの取り組みを続けていたが、個人での活動に限界を感じていた頃、モノリスの代表を務める横山雅弥さんと出会った。

居場所づくり

横山さんもちょうど、放デイを事業にできないかを考えていた。「B型作業所は18歳以上の就労支援。運営する中で、子どもの時の育ち方が重要だと感じ、どうすれば子どもたちの療育ができるかその道を思案していた」と振り返る。

2人は話を重ねるうちに「地域をよくしよう、社会を変えていきたい」という同じ志を持つことで意気投合。相模湖地区に医ケア児を受け入れる放デイがなかったことから、若柳に医ケア児も通える、放デイとフリースクールを兼ね備えた施設を開設しようと手を携えた。

管理者は首藤さんが務め、名称は「タネノバ」と決めた。【1】フリースクール的機能【2】生活機能訓練【3】医ケア児の受け入れ、この3つを大きな柱として支援事業を行う。

市高齢・障害者福祉課の「令和2年度重症心身障害児及び医療的ケア児に関する生活状況調査」によると、市内に該当する児童は108人(重症心身障害児含む)、緑区には20人(同)いるとされる。しかし、この数字はあくまで書面回答した人数。「『少なく見ても』と思っていただければ」と市担当者は話す。

主に6歳から18歳の障害のある子どもや発達に特性のある子どもを対象に放課後や長期休暇中の居場所づくり、生活支援を行う放デイ。「タネノバ」は社会福祉士や理学療法士の資格を持つ職員が常駐し、子どもが「やりたいことを増やせる」環境を整える。今後は看護師や非常勤職員も増員しさらなる充実を図る。

緑障害者相談支援キーステーションの担当者は「(医ケア児が通える放デイは)3月末時点で緑区にはないと思う。片道1時間以上かけて中央区まで送迎するお母さんもいた」と話し、開所に期待する。

子育てに困らない社会

「タネノバ」は月曜から金曜までの午前11時から午後5時まで開所、定員は1日10人。既に通い始めている子どもの中には、上野原市や町田市在住の子どもたちもいるという。首藤さんは「ここが、子どもたちの居場所で、親御さんの頼れる場所でありたい。そして、子育てに困らない社会を目指したい」と力を込めた。施設の問い合わせは、モノリス本部【電話】042・703・4686。

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