【高知グルメPro】広々店内でいただく地焼き鰻丼にタレかけアイスクリーム「鰻料理 むなぎん」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記
「鰻料理 むなぎん」は幹線道路沿いにある鰻屋である。
店内は広々としている。
高知に来るたびに思う。
高知の人は、鰻好きである。
四万十川をはじめとする、多くの澄んだ川でたくさん天然鰻が獲れたこともあろう。
かつては日本一を誇るほど養鰻が盛んだったという。
マリアナ海溝で生まれたうなぎの稚魚は、黒潮に乗って、高知の長い海外線に大量に流れ着く。
高知特有のダムのない河川に稚魚たちは登り、多くの鰻が獲れたことだろう。
県内には、各地に鰻屋がある。
この店も、そんな鰻好きの高知県民が次々にやってきていた。
まずは肝煮をお願いする。
運ばれてきた肝煮は、小さいがたっぷりと盛られている。
嬉しいじゃないか。
こいつで「うな前」といこう。
燗酒を1本頼み、チビチビ食べながら盃を口に運ぶ。
ああ、幸せが満ちてきた。
次に肝串焼きが運ばれる。
5匹分の鰻の肝が焼かれていて、じつにふっくらとしていい。
ほろ苦みを噛みしめながら、こいつでも燗酒を1本いただいた。
ほろ酔いとなったところで、鰻丼が運ばれる。
高知の鰻は関東とは違い、蒸さずに焼く「地焼き」である。
鼈甲色の鰻が、白いご飯の上で輝いている。
頭側を一つ口に運べば、焼き具合がいい。
「地焼き」はカリッカリに表面を焼く店が多いが、こちらはその少し手前で焼き上げている。
加えて、タレの甘辛さもくどくない。。
ご飯は少し柔らかいが、この地焼きウナギに合わせているのだろう。
そしてなにより丼というのがいい。
手で米と鰻の重さを受け止めながら、かきこめる。
手にも美味しさを味わう権利がある。
だから決してテーブルに置いたままにせずに、丼を持ち上げて、掻き込みたい。
ワシワシ、ワシワシ。
丼を手で持ち、器の淵に口をつけて掻きこむ。
後は一心不乱、丼の底に向かって一直線。
生命力豊富なうなぎは、こうしてガッツリ食べると、余計に充足感が増してくる。
気がつけば、丼は空になっている。
食後には、珍しい「高知山椒アイスクリーム」を頼んでみた。
一口食べれば、当然ながら優しい甘みが立つが、喉元に落ちるごとに山椒の香りが現れる。
少量混ぜられたクランブルの食感もいい。
山椒刺激も生きていて、甘いながらもヒリリとした感触が、ツンデレならぬデレツンの対照的な感じで、クセになる。
「途中でたれをかけてどうぞ」と、お店の方のおすすめに従いかけてみた。
タレの甘辛さの中で、山椒の刺激が皿に際立った。
デレツン感覚がさらに膨らみ、アイスクリームを口に運びながら、一人ニヤニヤするのだった。
店舗情報
鰻料理 むなぎん
住所:高知県南国市大そね乙1082-3
TEL:088-874-3761
営業時間:11:00~20:00(年中無休)