月見戦争1位はラーメン屋「神座」説 / “特別さ” を感じるその理由
加熱する月見戦争。もはやハンバーガーチェーンだけではなく、すき家、吉野家とかも巻き込んで、その戦線の拡大は把握しきれないレベルになりつつある。月見大戦だ。
そんな中、ラーメンレストラン「どうとんぼり神座(かむくら)」も月見メニューを販売していることをご存知だろうか。一見すると普通な気がしたが、食べてみて気づいた。そう言えば神座って……!
・たまに行きたくなるのは神座だけ
元々、油っこいものが苦手なのもあり、ゴテゴテしたラーメン屋にいまいちピンと来ない私(中澤)。町中華の醤油ラーメンとかになんでもないウマさは感じるけど、特に「ここだ!」という店はない。
そんな私でも美味しく食べられるのが神座だ。黄金色のサラサラスープと白菜の究極あっさりしたコンビネーションに、他にはないオリジナリティーがある。私の中ではもはやラーメンというより神座という別の食べ物だ。たまに行きたくなるのは神座だけ。
・神座の月見
その神座が月見戦線に参戦したのは2022年のこと。それ以来、毎年このシーズンになると販売されるのが「牛すき月見ラーメン」である。2024年の販売期間は9月10日から10月21日の予定で税込1190円。
内容は、神座のラーメンに牛丼のアタマのような具と生卵がトッピングされたもの。名前の通り、牛すき月見のラーメン。牛肉の中にポツンと浮く生卵は、まさしく月見。見た目的にはハンバーガーチェーンの月見よりもずっと月見てる感じがする。
……が、牛すきに生卵という組み合わせがありがちなこともまた事実。そのため、なんとなくこれまでスルーしていた。正直、そこはかとなくすき家とか吉野家っぽさも感じるし。では、なぜそのラーメンを食べたのかと言うと……
シンプルにお腹が空きまくっていたから。そう、この牛すき月見ラーメンは、300円高いダブル(税込1490円)にすると、ただでさえ大きい神座の丼に麺が見えなくなるくらい牛すきが入っているのである。目の前に置かれた実物もちゃんと牛肉がモリモリであった。
・特別さを感じる理由
要するに、このモリモリっぷりに釣られた形なのだが、食べてみると、むしろ技ありを感じたのは生卵。トロけだす卵黄が、牛すきの甘みと優しい味のスープにコクを加え、非常にまろやかな味に変化する。これはなかなか黄金のコンビネーションだ。
卓上の調味料のニラを加えると、まろやかな味にシャキシャキした辛味がさらにナイスマッチング。そんなスープを飲んでいる時、ふと気づいた。そう言えば、神座って……
普段、生卵がないのである。そう、神座の卵トッピングは基本煮玉子のみ。それはそれでウマイんだけど、スープと一体になるこの組み合わせには特別さを感じたのであった。
・ご飯に牛肉をオンしたっていい
なお、私が注文したのは「牛すき月見ラーメンダブルの餃子セット(税込1810円)」。運ばれてきた時はラーメン単品で充分だったかもと思うくらい量があったのだが……
卵スープに絡ませた牛肉をご飯にオンしたっていい。辛味ニラを乗せたっていい。ご飯があるだけまた1段階幅が広がったことを追記しておきたい。
結果として、店を出る頃には非常に満足していた。奇をてらっているわけではないけれど、普段店にない味で勝負している神座の月見メニュー。月見メニューでここまで満足したのは初めてかもしれない。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.