第97回選抜高校野球4強の実力比較、健大高崎vs横浜は事実上の決勝か
連覇狙う健大高崎はエース石垣元気が復活気配
甲子園球場で開催中の第97回選抜高校野球大会は準々決勝まで終了し、ベスト4が出揃った。28日に行われる準決勝第1試合は健大高崎(群馬)vs横浜(神奈川)、第2試合は智弁和歌山(和歌山)vs浦和実(埼玉)となった。
第1試合は事実上の決勝と言ってもいいだろう。昨年に続く連覇を狙う健大高崎は1回戦で明徳義塾に3-1、2回戦で敦賀気比に4-3、準々決勝で花巻東に9-1と甲子園常連の強豪に3連勝。いずれも強い勝ちっぷりだ。
3試合でチーム打率.306、16得点を記録しており、投手陣も防御率1.29、5失点。2回戦までは背番号10の下重賢慎、準々決勝は背番号11の山田遼太が先発したが、左脇腹を痛めていたエース・石垣元気が2回戦の9回2死から登板して150キロを超える剛速球で締めくくると、準々決勝ではラスト2回を1安打3三振無失点に抑えた。
準々決勝と準決勝の翌日は休養日が設けられていることは、甲子園最速タイの155キロをマークしたプロ注目右腕にとって追い風だろう。万全の状態でマウンドに上がれば、どこが相手でもそう簡単に打たれることはない。
奥村頼人が投打で活躍する昨秋王者・横浜
対する横浜は昨秋の明治神宮王者。今大会開幕前から優勝候補筆頭に挙げられており、市和歌山を4-2、沖縄尚学を8-7、西日本短大付を5-1で下して勝ち上がってきた。
昨年から「スーパー1年生」と騒がれていた右腕・織田翔希が3試合とも先発。エースナンバーを背負う左腕・奥村頼人がリリーフで11イニングを投げて12三振を奪っている。
奥村は4番打者としても13打数5安打の打率.385をマークしており、投打の大黒柱。準々決勝まで3試合のチーム打率は.281、17得点、チーム防御率3.00、10失点と健大高崎に比べると見劣りするが、昨秋の関東大会決勝では4-3で健大高崎にサヨナラ勝ちしている。
宿敵同士の激突は、やはり3点を争う接戦になるだろう。いずれにしても勝者が紫紺の優勝旗に大きく近付くことは間違いない。
31年ぶりセンバツ制覇狙う智弁和歌山
智弁和歌山は1回戦で千葉黎明を6-0、2回戦でエナジックスポーツを9-4、準々決勝で広島商を7-0と3試合とも5点差以上をつけて勝ち進んできた。
3試合合計のチーム防御率1.00、4失点、チーム打率.370、22得点。選手個々の実力はいずれもトップクラスで、背番号2桁の控え選手でもレギュラーと遜色ない層の厚さを誇る。
準々決勝は渡辺颯人、宮口龍斗が完封リレー。智弁和歌山と言えば強打のイメージが強いが、今大会は投手陣も盤石の投球を見せている。
2021年夏の甲子園決勝で智弁学園との「智弁対決」を制して優勝した近畿の砦。センバツでは1994年以来31年ぶりとなる頂点まであと2つだ。
初出場で4強入りした「台風の目」浦和実
今大会で台風の目となっているのが初出場の浦和実(埼玉)。初戦で滋賀学園を3-0で破って波に乗ると、2回戦で東海大札幌に8-2、準々決勝の聖光学院戦ではタイブレークの延長10回に一挙8点を奪って12-4で勝利した。
初出場で4強入りは2014年の豊川(愛知)以来11年ぶり。埼玉県勢の初出場に限れば2008年の聖望学園以来17年ぶりの快進撃となっている。
突出した選手はいないものの、変則フォームの左腕エース・石戸颯汰は18イニング無失点。3試合合計のチーム防御率1.93、6失点、チーム打率.318、23得点を記録している。
昨秋関東大会では準決勝で横浜に2-3と惜敗。今大会はベスト4に関東勢が3校残っており、ひと冬越えて各校の成長ぶりが試される状況となった。
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記事:SPAIA編集部