猫の『寝相が変わる』のは悪いサイン？考えられる3つの原因 気をつけるべき変化も解説
1.気温の変化
猫も気温の変化に影響を受ける動物です。季節が変わると、寝方や寝る場所に変化が現れます。たとえば寒い季節には、体を丸めて小さくなり、体温を保つような寝方をすることが多くなります。
反対に、夏になるとお腹を上に向けて伸びきった「へそ天」の姿勢や、ひんやりとしたフローリングに体をぴったりつけて寝る様子が見られるようになります。こうした寝相の変化は自然なもの。他に異常がなければ特に問題はありません。
ただ、冬なのに冷たい場所で寝たがる、夏でも体を丸めてじっとしているといった様子が何度も見られる場合は、室温・気温が猫にとって快適でない可能性もあります。
人間が快適と感じる温度でも、猫には寒すぎたり暑すぎたりすることがあるため、日頃から猫の寝相を通じて適温かどうかを判断しましょう。
体温の変化によって寝る場所や寝相を変えている場合もあるため、体調の変化も併せて評価してあげてください。
2.ストレスによるもの
猫は見た目以上に繊細。ちょっとした出来事でもストレスを感じやすい生き物です。そのストレスが原因で寝相に変化が表れることもあります。リラックスできているときは、体を横に伸ばして眠ることが多いのですが、何かの物音に過敏に反応してすぐ目を覚ましてしまったりするような様子が続くなら、心の緊張状態が続いているサインかもしれません。
来客があった、家の中で大きな音がした、新しい家具を入れた、知らない匂いがするなど、猫にとって不安の種になるものは様々。そうしたストレスが蓄積されると、安心して眠ることができなくなり、浅い眠りや頻繁な寝場所の移動につながることもあります。
猫のストレスを解消するためにも、まずは猫が安心できる空間を用意してあげることが重要です。
3.環境の変化
上記のストレスと少し重複することではありますが、家具の配置替えや引っ越し、家族構成の変化など、猫の周りの環境が変わることは、猫にとって大きなストレスになることがあります。
これまで安心していた場所が突然落ち着かなくなったり、部屋の匂いが変わったりすると、猫は自分なりに安心できる新たな寝場所を探し始めます。日当たりがよかった場所が陰になったり、静かだった空間に物音が増えたりしただけでも、猫の気持ちは不安定に。
そうしたときは、無理に元の環境に戻そうとせず、猫が自ら落ち着ける場所を見つけるのを時間をかけて見守ってあげることが大切。慣れるまでに時間がかかる猫もいますが、安心できる匂いやお気に入りの毛布などを用意してあげることで、少しずつ落ち着いていくでしょう。
気をつけるべき猫の変化
寝相の変化自体は、猫の自然な行動のひとつでもありますが、場合によっては体調の異変を疑った方がいいケースもあります。たとえば、いつもよりぐったりしていたり、呼びかけても反応が鈍いようなときは、何らかの体調不良が隠れていることがあります。
また、息づかいが荒く見えるときも注意が必要です。その他、寝てばかりいて食欲がない、あるいは反対に落ち着きなくうろうろしているといった行動が続く場合も、早めに獣医師に相談することをおすすめします。
寝相の変化に対して「ちょっと変だな」と感じたときは、見逃さずに丁寧に様子を見守ってあげましょう。
まとめ
猫の寝相が変わる理由は様々。猫は言葉で体調や気持ちを伝えることができないからこそ、日々のささいな変化に飼い主が気づいてあげることが何より大切です。
しっかりと睡眠をとり、体力を回復させることはとても大切です。愛猫が安心してぐっすり眠れる環境を整え、健やかな毎日を支えてあげましょう。今回の記事を参考に、猫の寝相を観察してみてください。
(獣医師監修：葛野莉奈)