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巨大地震の謎を探る地球深部探査船「ちきゅう」の活動を紹介。特別企画「地震のほしをさぐる」が9月9日まで『日本科学未来館』で開催中

さんたつ

「地震のほしをさぐる」全景2

世界最高レベルの科学掘削能力をもつ地球深部探査船「ちきゅう」。その模型展示や、研究者の紹介を通して地球科学研究の壮大なスケールと情熱に迫る「地震のほしをさぐる ―地球深部探査船『ちきゅう』再び 東北沖7000mの深部へ!」が、2024年9月9日(月)まで東京都江東区の『日本科学未来館』にて開催されている。

東北地方太平洋沖地震のメカニズムを調査した、地球深部探査船「ちきゅう」の活動を報告

地球のさまざまな場所で日々起きている地震。本展では、全長210m、世界最高レベルの科学掘削能力をもつ地球深部探査船「ちきゅう」がそのメカニズムの解明に挑む活動を紹介していく。「ちきゅう」の模型展示や地震の謎の調査に取り組む研究者の紹介を通して、地球科学研究の壮大なスケールと情熱に迫る。

海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運用する日本の科学掘削船「ちきゅう」は、海底を掘り進め、堆積物や岩石などを含む地質試料(コア)を採取することができる。2011年の東北地方太平洋沖地震の翌年にも「ちきゅう」による迅速な震源域の掘削調査で、巨大断層すべりの実態についてさまざまな事実を明らかにしているという。

海底掘削ツール「ドリルビット」やフォトブースも登場

地球深部探査船「ちきゅう」の100分の1模型。

会場にはそのスケール感を体感できる、さまざまな工夫や展示がなされている。

広報担当の石田圭吾さんは、「海底掘削ツールの先端部分である『ドリルビット』の実物や、『ちきゅう』の100分の1スケールの模型、また、『ちきゅう』の大きさを感じてもらうため、船底のプロペラ推進器『アジマススラスタ』(外径約4.6m)の実物大グラフィックなどを展示しています。船体の中央にそびえ立つ『デリック』と呼ばれる巨大なタワー(掘削やぐら)の画像を背景に、『ちきゅう』のクルーになりきって写真を撮ることができるフォトブースも設置。さらに、ワークシートを手に会場内と常設展示フロアをめぐれば、海洋科学掘削に加えて人工衛星や惑星探査などの『地球・宇宙をさぐるテクノロジー』について、楽しみながら学ぶことができます」と見どころを語ってくれた。

予知が難しい地震のメカニズムに迫る地球深部探査船「ちきゅう」。これまでの活動に触れ、2024年9月から東北沖で再び始まる掘削ミッションにも注目したい。

PDCビット(ドリルビット)(実物)。
「ちきゅう」のアジマススラスタの実寸大写真が展示されている。
自己浮上型海底地震計。

開催概要

「地震のほしをさぐる ―地球深部探査船「ちきゅう」再び 東北沖7000mの深部へ!」

開催期間:2024年8月1日(木)~9月9日(月)
開催時間:10:00~17:00(入館は~16:30)
休館日:9月3日(火)
会場:日本科学未来館 1F シンボルゾーン(東京都江東区青海2-3-6)
アクセス:新交通ゆりかもめ東京国際クルーズターミナル駅から徒歩5分・テレコムセンター駅から徒歩4分
入場:無料 (※常設展、特別展、ドームシアターの鑑賞は有料)

【問い合わせ先】
日本科学未来館☏ 03-3570-9151
公式HP  https://www.miraikan.jst.go.jp/events/202408013535.html

取材・文=前田真紀 画像提供=日本科学未来館

前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。

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