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川崎市内の若手農家 「地元イチゴ」をブランドに 「研究会」も発足、連携図る

タウンニュース

「地元イチゴ」をブランドに

川崎市内でイチゴ栽培に力を入れる農家が増えている。多くが世代交代を視野に入れた「農業後継者」たちで、30〜40歳代の若手が中心。有志の研究会も立ち上げ、川崎産イチゴのブランド化を目指している。

里山と住宅地が混在する高津区の丘陵地帯に、イチゴ農園「StrawberryfarmSUN」はある。この地で19代続く農家の森大介さんが、計約1000平方メートルのハウス内で高さ約1・3mの栽培ベッドを設置する「高設栽培」の手法でイチゴを生産している。

市の「認定農業者」でもある森さんは露地栽培で約40種類の野菜を作ってきたが、近年の酷暑などの影響で「従来型の農業はきついと感じていた」という。先駆的に高設栽培方式でイチゴを手掛けていた市内の農家に触発され、2023年からイチゴ栽培に着手。現在、定番の「紅ほっぺ」や神奈川県独自の品種「かなこまち」などを育て、施設内の直売やイチゴ狩りなどで販売している。「まだ試行錯誤中だが、手ごたえは感じている」という。

「農業後継者」の挑戦

21年2月に10軒だった市内のイチゴ農家は、今年2月の時点で15軒まで増えた。背景には高設栽培システムの存在がある。ハウス内で温度や湿度を自動制御できるうえ、栽培ベッドでの作業は露地より負担が少ない。市内の収穫量は約22・81トン(22年度実態調査)と小規模ではあるが、首都圏に近い地の利を生かした農産物として定着しつつある。

イチゴ栽培を始めた農家の多くが、30〜40歳代の「農業後継者」たちだ。昨年6月には13軒の農家が連携して「Kawasakicraftstrawberry(かわさきいちご研究会)」を発足。栽培技術の共有や販路拡大に向けた活動を始めた。

「研究会」に伴走するJAセレサ川崎の担当者はこう語る。「もともとイチゴは農産物の中でも付加価値をつけやすい上に、首都圏に隣接する川崎産は、完熟イチゴを新鮮な状態で食べて頂ける。様々な意味で、川崎の農業の価値を高めるポテンシャルが高い」

20年から麻生区でイチゴ農園「SlowFarm」を営む安藤圭太さんは、就農する際、ファミリー層が多い都市に囲まれた好条件を生かせる農業を考え、イチゴに決めたという。22年からはパティシエを雇用してイチゴを使ったスイーツの販売も開始。簡易の喫茶スペースも併設した結果、イチゴの直売とカフェ利用をセットで楽しむリピーターが定着したという。

川崎の魅力向上にひと役

安藤さんには、農家として抱く夢があるそうだ。「日々の暮らしで農業を感じてもらえることは、その土地の魅力に直結する。イチゴづくりを通して『農のある街』としての川崎の魅力向上に、貢献したい」。

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