港南区日限山公園 トイレ設置へ、改修開始 衛生・防犯面も対策
長年トイレ設置に関する賛否が話し合われていた港南区の日限山公園について、港南土木事務所は昨年末、トイレ設置を含む改修工事を開始した。反対意見に対しては「衛生、防犯の両面から対策を施した」と説明する。
日限山公園は1978年度に公開された、少年野球場を有する公園。既に45年以上が経過し改修の時期にあたる。そこで同事務所は2022年3月から自治会代表者らを集めた「日限山公園の施設改良に向けた御意見・御要望をうかがう会」(以下『うかがう会』)を開催。計6回の協議を進めてきた。
中でもトイレ設置は賛否が分かれた議題。これまで日限山公園にはなく、利用者は向かいの日限山地域ケアプラや日限山自治会館のトイレを借りていた。しかし、同規模程度で野球場がある丸山台公園や港南台さえずりの丘公園には存在。設置を求める声は多かった。
一方、反対意見も根強くあった。同事務所が2022年に近隣住民に配った資料には、【1】死角ができることによる防犯面【2】不適切利用の可能性【3】コロナ禍を念頭に置いた衛生面【4】利用者の路上駐車増加への懸念【5】近隣施設のトイレがあるため必要性への疑念が反対意見として掲載された。「うかがう会」は約1年半続き、最終的には土木事務所が主導的に「設置」の方針を固めた。
週5回の清掃や街灯
同事務所担当者によると、トイレを設置する公園について「明確な基準はない」と話す。しかし、横浜市ウェブサイトの「公園に関するよくある質問」のページには「遠くからの利用者が多い公園や、野球場等、長い時間滞在する施設がある公園など、トイレの必要性が高い公園には設置しています」と記されており、ある程度の方針はあるという。同事務所は日限山公園が「トイレの必要性が高い公園」に該当すると判断している。
一方、衛生面や防犯面の懸念には、週5回の清掃や、道路に近く人通りの多い場所に設置すること、近くに街灯を設け明るくすることなどを説明した。
また、ひぎり連合自治会は公園内を映す防犯カメラを設置する。宮島由美子会長は「トイレ設置については30年前から議論がされてきた。丁寧な議論がされたと考えている」と話している。
なお、今回の工事には遊具の増設、樹木の伐採、補植、照明の改良、防球ネットの増設、観客席、スコアボードの設置、自転車置き場の設置なども含まれる。工事は3月末までの予定。