【お出かけ情報】一度は訪ねてみたい小平市の〈ガスミュージアム〉、明治の館を見るも良し、戦後80年の豊かな暮らしをかなえてくれたガス器具の変遷を振り返る企画展も良し!
戦後80年を迎える2025年。戦後復興から立ちあがった日本は、昭和30年代からの高度成長期、バブル景気とその崩壊を経験し、長らく世界第2位の経済大国まで成長した。それに伴い、私たちの生活も豊かになった。その戦後の豊かな暮らしを支えてきた要素の一つに、ガス器具の進化と普及がある。女性たちの家事を便利にした調理コンロや湯沸かし器、さらに昭和40年(1965)に登場した「バランス型ガス風呂窯」は、内風呂やシャワーの利用を普及させ、快適な暮らしをもたらした。
そして、平成から令和に入ると、ガス器具は安心・快適機能を備えたエネルギー効率や環境負荷に配慮した器具が登場し、現在の暮らしを支えている。
東京・小平市に昭和42年(1967)に開設された「ガスミュージアム」で、企画展「豊かな暮らしをかなえたガス器具たち」が開催される。本展では、昭和20年代、30年代、40年代、50・60年代と時代ごとの台所やお風呂場の風景写真、象徴的な品々を通して昭和を彩った暮らしの変化を振り返り、これからの都市ガスの取り組みについても紹介される。
「ガスパーコレーター」昭和25年(1950)
さらに、シチズン時計株式会社の協力により、各年代を象徴する時計が展示され、当時の雰囲気を体感できる工夫がされている。東京ガスが設立されて140年、ガス器具の進化が、いかに私たちの日常生活と結びついていたかを再認識できることだろう。
「ガスミュージアム」の二棟の赤レンガの展示棟は、明治42年(1909)に建てられた東京ガス本郷出張所を移設復元した「ガス灯館」と、明治45年(1912)に建てられた東京ガス千住工場計量器室を移設復元した「くらし館」から構成されている。
「ガス灯館」1階展示では、鹿鳴館で使用されたガス灯をはじめ、さまざまなデザインのガス灯を観覧でき、2階はテーマに従って、定期的に企画展が開催される。「くらし館」では、明治37年に発行のガス器具カタログに掲載された器具が展示されたり、日本の都市ガス事業を育てた渋沢栄一の足跡を紹介する「渋沢栄一コーナー」などもある。さらに明治時代に実際に使われていたガス管やガスメーター、ガス栓など、都市ガスの変遷が隈なく網羅されている。二棟の展示棟に囲まれた中庭は、緑も豊かで、点在するガス灯も見どころの一つだ。
企画展「豊かな暮らしをかなえたガス器具たち」
会 期:2025年6月28日(土) ~9月15日(月・祝)
休館日:月曜日(月曜日が祝日および振替休日の場合は翌日が休館)
開館時間:午前10時~午後5時
会 場:ガスミュージアム ガス灯館2階 ギャラリー
入 場:無 料
ホームページ:https://www.gasmuseum.jp/