トム・クルーズ、『ショーン・オブ・ザ・デッド』でサイモン・ペッグを見て『ミッション:インポッシブル』に誘う ─ 「僕とミッションをやらないか?」
『ミッション:インポッシブル』シリーズでテクノロジー担当としてイーサン・ハントと数々のミッションを共にしたベンジーは、今や欠かせない存在だ。サイモン・ペッグが演じるこの愛されキャラクターは2006年の『ミッション:インポッシブル3』で初登場を果たしたが、そのきっかけはペッグの看板作『ショーン・オブ・ザ・デッド』だったという。
「僕が『ミッション:インポッシブル』での初めてのシーンを撮影したのは20年前のことでした。本作は、たくさんの仕事と経験、そして素晴らしい時間の集大成なんです」とペッグは、2025年5月7日に都内で行われた来日記者会見で、シリーズ最新作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』につながる旅路を感慨深く振り返る。するとトム・クルーズが、隣から次のように補足する。
「僕は彼を『ショーン・オブ・ザ・デッド』で観て、“すごいぞ、この人の才能は”と思ったんです。だから“僕と一緒にミッションをやらないか?”と誘ったんです。“やろうぜ!”って。」
『ショーン・オブ・ザ・デッド』は2004年に英公開されたエドガー・ライト監督によるゾンビコメディ映画。ペッグは家電量販店で働く冴えない男ショーン役で、ある日街中に溢れていたゾンビたちに襲われる。ホラーとコメディを行き来する自由な発想で、ゾンビ映画史に残る注目作となった。
これを観てペッグの才能に惚れ込んだクルーズは彼をシリーズに招き入れ、「初日から彼に3ページ分のモノローグを書いて与えた」そうだ。これはおそらく、劇中で鍵となる「ラビットフッド」についてベンジーがイーサン・ハントとルーサーに説明を行うシーンのものだろう。クルーズによれば、このモノローグは「彼が収録する傍でリライトしていた」という。『ミッション:インポッシブル』は撮影を進めながら脚本を大胆に書き換えるライブ感溢れる制作プロセスで知られるが、その現場魂はこの頃から健在だったのだ。
「撮影日の朝でした。その時、トムやヴィング(・レイムス、ルーサー役)が撮影現場のドアが出てくるところで、そこが初対面でした。僕は“うわぁ、これ現実なんだ”と思いましたね」とペッグ。同作での彼の才能は存分に認められることとなり、ベンジーはシリーズを追うごとに出番を増やし、今や最重要キャラクターの1人として世界中を飛び回っている。
そんなベンジー役ペッグのことを、クルーズは心から大切に思っているようだ。「彼の能力やドラマ、コメディ、みんなとのチームマンシップをとても尊敬しています。彼と仕事ができるのはいつも喜びです。僕たちは彼を愛しています」と讃えると、ペッグは少し照れた様子で「ありがとう、ボス」と答えたのだった。
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は5月17日(土)〜22日(木)先行上映、23日(金)公開。