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災害時の備蓄、非常食は「3日分」と「7日分」を目安に準備!防災アドバイザーに聞きました。

アットエス

南海トラフ地震や東海地震のような大地震が来た場合はどうすれば…?

今回は「災害時の非常食」について、合同会社ソナエルワークス代表で備え・防災アドバイザーの高荷智也さんにSBSアナウンサー松下晴輝が話を聞きました。

人命救助が最優先の最初の3日間は自助で乗り切るのが基本

松下:非常食の備えは最低3日分、できれば1週間分あった方が良いと聞きますが、基準の根拠について教えてください。

高荷:「優先順位」と「道路復旧」の問題が関係しています。災害が起きてから最初の3日間は人命救助が最優先され、無事だった方への支援が本格的に始まるのは4日目以降になるのが基本です。

外から支援を送るには車が必要になりますが、そのためには道路が欠かせません。道路復旧には最低3日くらいの時間が必要になるので最初の「3日間は自助で準備しましょう」と呼びかけています。

南海トラフ地震や富士山噴火は2週分の備えがあると安心

さらに南海トラフ地震や東海地震のように大きな災害が起きた場合、道路復旧がすぐに終わらない場合もあります。1週間経っても外部から支援がなかなか来ないことも想定し「1週間」を目安にしています。

松下:静岡県は南海トラフ地震や東海地震が起きた場合、かなり大きな被害が想定されているので必ず非常食を備える必要がありますね。想定していたより避難生活が延びることも報道で耳にします。1週間分では足りないと思いますがいかがですか。

高荷:災害の規模が大きくなったり、大地震や水害でなくてもコロナのようにより広い感染症はまだまだあります。富士山の大規模噴火が発生した場合、1週間以上インフラが途絶することも考えられます。

こういった状況を考えると、可能であれば2週間分くらい備えておきたいですが、まずは1週間分を目安に備蓄を進めて、徐々に量を増やしてみましょう。

松下:なるほど。あくまで目安は最低1週間として、多めに蓄えていくという考え方が大切ですね。

避難所では「自助と共助」を意識して

松下:能登半島地震でも災害時に避難所には行かずにあえて車中泊や自宅にとどまる選択をする人もいたそうです。そういった時の食料はどうなりますか。

高荷:避難所に行く、行かないに関わりなく食料品や水は自分で準備をするのが基本です。避難所はホテルでも宿泊施設でもありません。あくまで屋根と床が約束されただけの空間です。「必要なものは自分たちで持ち込む」ということは本来考えなくてはいけないことですがすべての形が完璧にできているとは限らないというのが現状です。

「被害を受けて備蓄品を持ち出せなかった」、「避難所まで辿り着くのがやっとだった」という場合もあるかと思います。最低限の備蓄品を外部から支援する計画もありますが、まずは「自分で準備をして、足りない部分はみんなで助け合う」ということを原則として考えてください。

松下:「自助と共助」ですね。

非常食を選ぶコツ

松下:備蓄する非常食を選ぶコツを教えてください。

高荷:持ち出す準備に合わせて選ぶのがいいと思います。「防災リュック」や「非常持ち出し袋」の場合は「長期保存ができて軽くてそのままでもおいしく食べられるもの」が好ましいです。

例えば「パンの缶詰」や「長期保存のクッキー」がおすすめです。自宅にとどまって生活する場合にもお湯や水を注ぐだけで食べられる「アルファ化米」や「フリーズドライのご飯」、「レトルトのおかず」が役に立つと思います。

1週間分、2週間分などを用意する際には、普段食べている食品の在庫を家の中で増やすことや賞味期限の長いものを多めに買っておく「日常備蓄」を考えてみてください。

おすすめは、富士宮やきそばの缶詰やパンの缶詰

松下:おすすめの非常食はありますか。

高荷:静岡県内でいうと、ホテイフーズが出している「富士宮やきそばの缶詰」はおいしくておすすめです。ほかにもいろいろなメーカーが出している「パンの缶詰」は調理不要でやわらかいので子どもから高齢者まで食べられて現代版のカンパンとも言えると思います。

ご飯が食べたい時は炊きたての食感に近い各メーカーの「アルファ化米」を食べてください。味や食感の好みの個人差はあるので必ず試食をしてから備蓄してください。

松下:非常食にもトレンドや傾向はありますか。

高荷:大きな災害があると進化する傾向があります。一昔前は非常時だからいい、食べられればいいという考えがありましたが2011年の東日本大震災以降、どのメーカーもこのままではいけないと考え非常食でもおいしいものが増えています。

それに加えて、2016年の熊本地震以降は付加価値のあるものも増えています。例えば特定原材料28品目不使用のアレルギー対応非常食、イスラムの方でも食べられるハラル認証非常食、ビーガンの方でも食べられる非常食などが伸びています。昔は5年保存のものが主流でしたが、最近は7〜10年に増え機能性も進化しています。

松下:私もアレルギーを持っているので、こういった非常食があるのは本当にありがたいです。しっかりと自助の備えを行っていきます!

※2024年3月8日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

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