英語学習を楽しく継続するヒント 濵﨑潤之輔先生の「ポケット語学」全力活用術【最終回】
独学でTOEIC®L&Rテスト990点満点を90回以上取得し、大手企業での英語研修を行ったり、大学で教壇に立ったりと大活躍中の濵﨑潤之輔先生。独学の達人でもある濵﨑先生に、今回は「英語学習を楽しく継続するためのコツ」を語っていただきます。「ポケット語学」の活用術の連載の最終回、どうぞお楽しみください!
勉強時間はこうして捻出する!
英語学習の目的は人それぞれです。資格試験を目指す方もいれば、趣味として日常を豊かにしたい方も多いでしょう。同様に、学習時間の確保する方法も人によって異なります。最終的には、自分自身で時間を捻出し、計画を立てて実行する必要があります。
しかし、仮に「毎日1時間勉強してください」と言われても、実行できない人が多いと思います。それは、連続して1時間の学習時間を確保する方法がわからないからです。また、多くの人は「机に向かって1時間勉強しなければならない」と考えてしまいがちで、その結果、継続することが難しくなってしまいます。実際、社会人が1時間連続で勉強できる環境を持つのは難しいのではないでしょうか。
勉強時間の捻出のヒントとしておすすめしたいのが、「一日の勉強時間を分割すること」です。
大切なのは「スキマ時間」を積み重ねること
「1時間勉強する」という目標を立てたとしても、連続で1時間勉強する必要はありません。15分の枠を4つ、または30分の枠を2つ確保するなど、時間を分割し、柔軟に組み合わせて、合計で1時間になればよいのです。それでも1時間の学習時間を確保するのが難しいという場合は、まずは30分を目標に始めるのもよいでしょう。
私自身、会社員時代にも英語を勉強していましたが、家で机に向かう時間を十分に確保するのは困難でした。そのため、通勤時間や職場の始業前、昼休みなどを活用していました。私の場合は主に試験対策だったので、かなりの時間を勉強に費やしていましたが、参考までに当時のルーティンをご紹介します。
会社員時代の英語学習ルーティン
●通勤電車 2時間 ※往復
●始業前 90分
●昼休み 50分 ※昼食は手短に済ませる
【そのほかの工夫】
●ジムでは運動中や合間に音声学習を取り入れる
●家では廊下や洗面所に単語やフレーズを貼り、目に入るたびに確認
●車の運転中は安全を考慮し、音声学習のみを行う
重要なのは「机に向かってしっかり勉強しなければならない」という固定観念を捨て、一日の中で使える時間を活用する、という意識を持つことです。この柔軟な姿勢が、学習を継続する鍵となるのです。
学習を「場所」と結びつけると、挫折しない!
学習時間を確保するためには「いつ勉強するか」を具体的に考える必要がありますが、おすすめなのは、勉強を行う「場所」を決めることです。「ここにいるときはこれをする」というように、「場所」と「すること」を結びつけて習慣化すると、勉強が継続しやすくなります。一方で、「時間が空いたら勉強しよう」と考えていると、結局何もしないまま一日が終わってしまうことが多いものです。
空いた時間につい、スマホやゲームに手を伸ばしてしまうのは、多くの人に共通の課題です。それが生産的な活動であればよいのですが、そうでない場合がほとんどでしょう。一方、勉強については「空いた時間でやろう」と思っていても、なかなか実行に移せないことが多いのではないでしょうか。
そこで、時間ではなく「場所」に着目してルールを作ることをおすすめします。たとえば、「職場や学校に向かう電車の中では必ず勉強をする」と決めるのです。電車の行きでは勉強をし、帰りは読書や休息に充てるなど、自分が続けられる範囲で取り組みましょう。まずは「行きの電車の中だけは英語を勉強する」という小さなルールづくりから始めてみてください。
勉強に効果的な時間帯とは?
勉強はできるだけ一日の早い時間帯に行うことが効果的です。夜になると疲れがたまり集中力が落ちるため、やる気が続かなくなりがちです。その結果、「今日はやらなくてもいいや」と考えるようになり、そのまま挫折してしまうこともあります。だからこそ、朝や通勤時間など、一日の始まりに勉強を終わらせるようにするのが理想的です。
また、一日の早い段階で「今日のノルマを達成した」という達成感を得ると、その日を前向きな気持ちで過ごすことができます。実際、私も会社員時代は早めに出社して勉強することを習慣にしていました。朝に勉強を終わらせると、自己満足感が得られるだけでなく、その後の仕事や他の活動にもポジティブに取り組めるようになります。
学習の効果を高めるためにも、朝の時間を活用し、集中力が高いタイミングで勉強する習慣をつけてみてください。
英語学習を「トップ3」に入れよう
日々やりたいことがたくさんある中で、実際に実行できているのは、実は自分にとって優先順位が高いものだけではないでしょうか。一日に取り組めることの数は人それぞれですが、私の場合、優先順位の上位3つに入るものだけが実行できていると感じます。
濵﨑先生の「トップ3」
私の優先順位は以下の3つです。
1)TOEIC®L&Rテストや英語に関する学習(これは仕事でもあるため、最優先です)
2)ジムでのトレーニング
3)愛犬と遊ぶこと
この3つは「毎日必ずやる」と決めているので、ほぼ確実に実行します。「今日は面倒だからやめよう」と考えることはほとんどありません。
無理なく実行できるのは「トップ3」まで
一方で、優先順位が4位以下のことは、時間に余裕がない限り手を付けられないことが多いです。例えば、ストリーミングサービスで海外映画を観ることも好きですが、優先順位としては4位か5位以下のため、時間があるときにだけ楽しんでいます。
このように、自分の中での優先順位を明確にし、「毎日取り組みたいこと」を決めることが重要です。そして、その中に英語学習を組み込む仕組みを作る必要があります。もし英語学習が優先順位のトップ3に入らない場合、他の活動の優先度を一時的に下げる覚悟が求められます。特に英語学習で結果を出すまでは、ジムやカフェ、飲み会などを一部我慢することも必要です。
どんなに意欲があっても、「毎日ジムに行きたいし、カフェにも行きたい、飲み会も外せない」といった状態では、勉強に割ける時間はどんどん減ってしまいます。その結果、上達する前に挫折してしまうのです。
英語力を本気で伸ばしたいのであれば、ぜひ英語学習の優先順位をトップ3に入れてください。それが継続的な成長と目標達成への近道です。
英語学習を楽しく続けるための相棒
今回は、英語学習を続ける上で非常に重要な「継続」についてお話ししました。継続の課題を解決する手助けとなるのが、英語学習アプリ「ポケット語学」です。「ポケット語学」は初級から上級までの7講座を定額で自由に利用できるうえ、通勤中でも自宅でも、場所を選ばずに学習できるので、習慣にしやすいと思います。きっと、今のあなたの暮らしに寄り添う学習方法が見つかるはずです。一歩ずつがんばっていきましょう。応援しています!
本連載のほかの記事はこちらから!
■第1回 僕の「ポケット語学活用法」はこちら。
■第2回「スピーキング力を上げる!」ポケット語学の活用法はこちら。
■第3回「リスニング力を上げる!」ポケット語学の活用法はこちら。
プロフィール
濵﨑潤之輔(はまさき・じゅんのすけ)
大学・企業研修講師、書籍編集者。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。これまでにTOEIC® L&Rテス ト990点(満点)を90回以上取得。現在は、明海大学、獨協大学、早稲田大学エクステンションセンターなど、 全国の大学で講師を務めるかたわら、ファーストリテイリングや楽天銀行、SCSK(住友商事グループ)、エーザイ、オタフクソースといった大手企業でもTOEIC® L&Rテスト対策の研修を行う。
公式サイト: https://linktr.ee/junnosuke_hamasaki
Xアカウント: https://x.com/HUMMER_TOEIC
■写真:平賀正明
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