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開館30周年記念「江戸の名プロデューサー 蔦屋重三郎と浮世絵のキセキ」が5月30日~7月21日、『千葉市美術館』で開催

さんたつ

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千葉県の『千葉市美術館』で開館30周年を記念した展覧会「江戸の名プロデューサー 蔦屋重三郎と浮世絵のキセキ」が、2025年5月30日(金)~7月21日(月・祝)に開催される。千葉市美術館の豊かな浮世絵コレクションを中心に、蔦屋重三郎(1750~97)が生きた時代から華やかな浮世絵の黄金期までをたどる。

歌麿を中心に浮世絵黄金期の名作が集結

喜多川歌麿《当時三美人 富本豊ひな 難波屋きた 高しまひさ》寛政5年(1793) 『千葉市美術館』蔵。

NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』でも話題の蔦屋重三郎は、吉原に生まれ育ち、江戸の浮世絵を語るうえで欠かせない存在となった。蔦屋が版元として活動した時期と多色摺の錦絵が大きな発展を遂げた時期とはほぼ重なっており、なかでも天明から寛政にかけての「浮世絵の黄金期」といわれた重要な時代の中で、黄金期を盛り立てた中心的な人物のひとりが蔦屋といえる。

西村屋与八や鶴屋喜右衛門といった老舗の版元がひしめくなかで、新興の版元として出版界に彗星のごとく現れ、斬新な作品を次々に世に出した蔦屋。

本展では浮世絵の始祖で房州出身の菱川師宣にはじまり、多色摺の錦絵を創始した鈴木春信、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、渓斎英泉、歌川広重にいたるまで歴史をたどる浮世絵が展覧される。蔦屋が生まれた時代から華やかな黄金期の浮世絵への展開、さらに“世界のUkiyo-e” へと進化していくさまが見て取れる構成になっている。

珠玉の浮世絵コレクションを中心に、美人画や役者絵の名品が一堂に会した内容は、見ごたえ十分だ。

鈴木春信《(三十六歌仙)藤原仲文》明和4-5年(1767-68)頃(6月22日まで展示)『千葉市美術館』蔵。
葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》天保2-4年(1831-33)頃 『千葉市美術館』蔵。
歌川広重《名所江戸百景亀 戸天神境内》安政3年(1856) 『千葉市美術館』蔵。

講演会などの関連イベントも開催

6月11日(水)・28日(土)「担当学芸員によるショートレクチャー」開催

6月11日(水)・28日(土)の各日14時~14時30分、本展の担当学芸員がスライドを用いて展示内容を解説する「担当学芸員によるショートレクチャー」が『千葉市美術館』1階多目的室で開催。定員先着30名、参加費無料。

2025年6月7日(土)講演会「蔦屋重三郎 江戸の文化プロデューサー」開催

2025年6月7日(土)14時~、講師にサントリー美術館副学芸部長の池田芙美氏を迎える講演会「蔦屋重三郎 江戸の文化プロデューサー」が『千葉市美術館』11階講堂で開催。定員先着80名、参加費無料。当日12時より1階多目的室にて整理券を配布。

開催概要

開館30周年記念「江戸の名プロデューサー 蔦屋重三郎と浮世絵のキセキ」

開催期間:2025年5月30日(金)~7月21日(月・祝)
開催時間:10:00~18:00(金・土は~20:00。入館は閉館30分前まで)
休館日:月
会場:千葉市美術館(千葉県千葉市中央区中央3-10-8)
アクセス:JR千葉駅から徒歩15分、千葉都市モノレール葭川公園駅から徒歩5分
入場料:一般1500円、大学生1000円、高校生・中学生・小学生無料
※市内在住65歳以上1200円。
※身体障害者手帳などの手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)無料。

【問い合わせ先】
千葉市美術館☏ 043-221-2311
公式HP https://www.ccma-net.jp/exhibitions/special/25-5-30-7-21/

取材・文=前田真紀 画像提供=千葉市美術館

前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。

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