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刺身にコンフィにスープカレー!『菜ととり』でジャンルを超えた一皿を。

八王子ジャーニー

刺身、鶏レバーのコンフィ、スープカレー。多彩なメニューに気さくな語り口の店主の陽気な居酒屋です

西八王子駅近くにあって以前から「料理がおいしい」という評判を聞いていた『菜ととり』に行ってきたのでご紹介します。想像では「和食中心のお店だろうな」と思っていましたが、行ってみたらかなり違いました!

西八王子駅前で店主ひとりで営むお店

西八王子駅北口を出てダイエー方面に進み、御所水通りを渡ってすぐのところにある『菜ととり』。店内はカウンター7席、テーブル2席、全部で9席のこじんまりとしたお店なので、予約をするのが確実です。

店主の菊地さんは秋田で生まれ、北海道の調理師学校に通い10年ほど飲食業に従事。その後、八王子に来て2021年秋に『菜ととり』をオープン。「店主の顔とおしゃべりが売りのお店」と語る菊地さん。甘いマスクと気さくな語り口に魅かれ(もちろんお料理にも!)、今日も常連さんが集まっていました。

生中 550円

最初の一杯目は生中550円を注文。するとさっそく菊地さんのこだわりが垣間見えました。ビールに泡がほとんどありません。菊地さん曰く「あんなの飾りです。偉い人にはそれが分からんのです」と有名アニメのセリフを引用して泡の不要さを語ってくれました。ビールの泡……グラスに3割ぐらい入っているのが当たり前だと思っていましたが、泡がなければその分1杯でたくさん飲めるからお得ですよね。グラスは薄口を使用しているのも菊地さんのこだわりです。

刺盛 900円

料理の評判をよく聞くと前述しましたが、なかでもよく聞いていたのが「刺身がおいしい」という声です。この日の盛り合わせは平スズキ、ひげそり鯛、漬まぐろ、縞あじの4点。魚の種類も刺盛の見た目もスーパーではお目にかかれないクオリティです。魚は北野市場内にある『フレッシュフード福泉』でしか買わないとのこと。絶大な信頼を置いているのですね。刺身はすべてかなりの厚切りで、味がいいのはもちろん、噛んだ時の弾力も魅力的です。

日本酒 800円〜

日本酒は常時4種類ほど置いているとのこと。今回は宮城『からくち 浦霞』(800円)と福島『奥の松 あだたら吟醸原酒』(900円)の2種類をいただきました。両方とも東北の太平洋側で魚がおいしい地域。おのずとそこで作られる日本酒も魚に合うものが多いのですね。

蛍いかの4点盛 1000円

春先から初夏にかけてが旬である“蛍いか”。居酒屋のメニューにあったりすると春の訪れを感じて嬉しくなりますが、だいたい調理法は1種類でしょう。しかしこのお店では4種類の調理法で出していて、それを食べ比べられるメニューがあるのです。直焼き、オイル漬け、酢味噌和え、そして天ぷら……こんなに小さな海産物に手間暇をかけて、お客さんを楽しませてくれようとする菊地さんに感心しました。

鶏レバーのコンフィ 650円

“レバー”って好き嫌いが分かれますよね。今回同行してくれた女の子はレバーが苦手でした。苦手な人の理由によくあるのが「パサパサしてるのが苦手」であったりしますが、この鶏レバーのコンフィはまったくパサついていないのです。なぜなら65℃という低温の油で70分間じっくりと火を通すフランス料理の技法を使っているから。苦手だった女の子も思わず「おいしい」と言わせた料理人・・・偉大ですね。

スープカレー(ハーフサイズ) 500円

〆にいただいたのはスープカレー。店主は北海道にいた時期が長かったので、自ずとレパートリーになったのだそう。刺身にコンフィにスープカレー……。菊地さんの出す料理はほんと幅広いですね。スープカレーは日によって使う肉を変えているとのこと。この日は鶏肉。鶏の旨みがぎゅうっと詰まっていました。添えられたさまざまな野菜の素揚げも嬉しいポイントです。

店名に隠された秘密

“ととり”という店名、実はイタリアの大衆食堂を意味する『トラットリア』を略した造語なのだそう。それを聞いた途端、エプロンをつけた菊地さんが急にトラットリアで働く陽気なシェフに見えてきました。すでに黒板のメニューだけでも相当な数があるのに「材料があればメニューにないものでも作ります」と語る菊地さん。お客さんを喜ばせたい気持ちで溢れる料理人魂に脱帽です。

他にも食べたいメニューがたくさんあって、一度行っただけでは魅力が味わい尽くせないお店です。ぜひ何度も足を運んでお店の魅力を噛みしめてみてください!

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