スマホで免許更新の講習も!「マイナ免許証」は結局便利なの?徹底調査してみた
2024年12月、保険証と一体化した『マイナ保険証』の運用が本格的に始まりましたが、3月24日からは“運転免許証”としても使えるようになるんです。
いったい、何がどう変わるのでしょうか?
『マイナ免許証』は免許証のデータをマイナンバーカードに記録して、免許証としても使えるようにするものです。
マイナ保険証とは違って『マイナ免許証』の持ち方は3通りあります。
まずは、従来の免許証だけを持ち続けることができるパターン。
免許の情報が記録された『マイナ免許証』だけにする方法もあります。
そして、これら両方を持つ、いわゆる”2枚持ち”もできるんです。
持ち方もいろいろの『マイナ免許証』についてマチの人にたずねてみると、さまざまな声がありましたが、「聞いたことがない」「今までとどう変わるのかわからない」と話す人もいました。
6割が対象!オンライン講習が可能に
そんな『マイナ免許証』のメリットの1つが、“オンライン更新時講習”です。
運転免許試験場や警察署などで、免許更新の際に対面で受けていた講習。
3月以降、マイナンバーカードと免許証を一体化させると、スマホやICカードを読み込めるパソコンを使って、24時間いつでもどこでも更新の手続きの前に講習を受けることができるんです。
オンライン更新時講習の内容は、従来の対面式と同じとのことです。
北海道警察本部交通部の河奥利之管理官によると、講習の動画を視聴しているときは、本人の顔検知、顔照合、生体判定の3つを随時確認して、受講者本人が間違いなく視聴していることを確認するのだといいます。
オンラインで受講できるのは、過去5年で無事故無違反の『優良運転者』と、軽微な違反が1回だけの『一般運転者』の人ですが、北海道内では、全体の6割を超えます。
その他の申請や、視力検査など、更新の手続きをするためには、これまで通り運転免許試験場や警察署などに行く必要があります。
そして、もう1つのメリットがあります。## 住所変更って面倒でしたよね…!
マイナ免許証のもうひとつのメリットは「ワンストップサービス」。
住所などの変更手続きを、自治体で終わらせれば、後日、免許証の住所を変更するために警察にいって手続きすることが不要となるんです。
この『マイナ免許証』により、警察サイドでも、事務作業の効率化など職員の負担が減るということです。
一体化に必要は作業は
では『マイナンバーカード』と『免許証』を一体化するためには、どんな手続きが必要になるのでしょうか。
手続きに必要なるのは『運転免許証』と『マイナンバーカード』。
そして、カードを受け取った時に設定した『署名用電子証明書暗証番号』と言う、6桁から16桁のパスワードが欠かせません。
そのうえで最寄りの運転免許試験場や警察署に出向いて、特定免許情報をマイナンバーカードのICチップに記録する必要があります。
結局便利になるの?
『マイナ保険証』とも異なる、また別の”ひもづけの手続き”が必要になるなど、制度も複雑な『マイナ免許証』ですが…。
「1枚ですべて済むっていうのは楽」「更新にかかる長い時間も、オンライン講習が家でできるなら楽。警察署などで視力を測るだけならうれしい」
歓迎の声がある一方で、こんな懸念の声も聞こえてきます。
「情報漏えいのことを考えると、1つにまとめるのはこわい気持ちが強い」
「そのままでもいいのであれば、進んでマイナカードに紐づけようとはならない」
そもそもなぜ『マイナ免許証』を導入するかというと、政府が進める、保険証などマイナンバーカードを活用した行政手続きの「オンライン化」の一環なんです。
ただ『保険証』は、新規での発行は中止となりましたが、『マイナ免許証』については、情報を紐づけるかは、あくまでも任意であって、従来の『運転免許証』でも更新は可能です。
選択肢が広がることになるわけですが、『マイナ免許証』になれば、すべてオンラインで片付くというわけではありません。
優良&一般運転者も「すべて」オンラインではない
優良・一般運転者の免許更新では、講習はオンラインで受けることができますが、視力検査や手続きなどは、これまで通り運転免許試験場や警察署へ行く必要があります。
高齢者は今まで通り
また70歳以上の方は、これまで通り自動車教習所などに行き、高齢者講習を受ける必要があります。
運転するときは何を携帯すればいい?
『マイナ免許証』には表面上は免許の情報は記されていませんが、運転する場合は『マイナ免許証』で携帯していればOKです。
レンタカー利用などのときの確認は?
免許の情報に関しては、スマホなどのマイナポータル、もしくは今後使えるようになる専用アプリで表示することになります。
いまの免許証が引き続き使えることや、便利になる面も確かにあるものの、選択肢が増えるため、分かりにくさを伴うことにもなります。
『マイナ運転免許証』の運用が始まる3月までに可能な限り、素朴な疑問にも丁寧に答えてもらえるような、利用者が戸惑う場面を解消できる仕組み作りも大事になってくるのではないでしょうか。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年1月22日)の情報に基づきます。