黒猫を不幸から救った『エンゼルマーク』とは？幸運の印と呼ばれるに至った、悲しい歴史
黒猫のエンゼルマークとは？
黒猫の体に白い毛が密集して生えている部分を「エンゼルマーク」と呼びます。胸やお腹にあることが多いかもしれませんが、特に決まりはなく、白い毛のワンポイントがあれば、エンゼルマークと呼ばれます。お腹にあるエンゼルマークは、寝そべると白いパンツを履いているように見えるなどチャームポイントとして愛されています。
黒猫のエンゼルマークの悲しい歴史
黒猫にエンゼルマークがあるのは、中世ヨーロッパ時代に黒猫が虐待された歴史の影響と言われています。14世紀ごろにペストが流行し「魔女が引き起こしている」とされ、多くの人が「魔女狩り」で処刑されました。
黒猫も「不吉の象徴」「悪魔の使い」「魔女の使い」という迷信によって迫害を受けました。魔女狩りは15～18世紀まで続いたとされています。
しかし、体の一部に白い毛があると「天使が触れたあと」「神様が触ったあと」とみなされ迫害を受けずに済んだそうです。そのため、エンゼルマークは幸運の印と言われるようになりました。ヨーロッパではエンゼルマークは「幸せを呼ぶ猫の印」と呼ばれています。
黒猫にエンゼルマークができるのはなぜ？
親猫の白い毛の遺伝子を受け継いでいると、黒猫にエンゼルマークができます。黒猫は他の毛色の遺伝子も持っていることがあり、黒色でも赤みがかっていたり、うっすら縞模様が入っていたりすることはよくあります。
全身真っ黒になるには、毛色に関する遺伝子がすべてそろう必要があるので、エンゼルマークのある猫より、全身真っ黒になる猫の方が珍しいです。迫害から逃れられたため、エンゼルマークのある黒猫が現在も多いという説があります。
エンゼルマークのある黒猫の性格は？
黒猫は迫害された悲しい過去がありますが、実は穏やかでフレンドリーな性格をしています。エンゼルマークを持っている黒猫は、全身黒の猫の性格と変わらないと言われています。野生では黒色の毛は目立たないため警戒心が薄くなったようです。ただ、猫の個体差や育った環境によっては警戒心が強い黒猫もいます。
まとめ
かつて黒猫は迫害され、白いワンポイントがある黒猫はその迫害から逃れられたという歴史があります。その白いワンポイントはエンゼルマークと名付けられ、幸運の印と呼ばれるようになりました。
黒猫の歴史を知ると「エンゼルマーク」という言葉の重みを感じたり、猫のエンゼルマークがより愛しく感じられたりしますね。