パ・リーグ球団別週間MVP オリックス西川龍馬が3度の猛打賞、日本ハム“新4番”野村佑希も3発と好発進
打線好調、首位オリックスの西川龍馬がリーグトップ
今年は3月28日に球春到来を告げたプロ野球だが、あっという間に3カードを消化した。パ・リーグでは、オリックスが7勝1敗とロケットスタートに成功。一方、連覇を目指すソフトバンクは開幕3連敗を喫するなど2勝6敗で最下位と、まさかの出遅れとなった。
SPAIAでは3月28日から4月6日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
好スタートを切ったオリックスは1試合平均5得点と打線が好調。その中でも絶好調なのがリーグトップのwRAA6.7を記録した西川龍馬だ。ここまで本塁打こそないが、早くも3度の猛打賞を記録するなどリーグトップの15安打をマーク。二塁打7本もリーグダントツと開幕から打棒が爆発している。
広島からFAで加入した昨季は自己最多の138試合に出場するも、キャリア最低となる打率.258と期待された成績は残せなかった。持ち前のバットコントロールを武器に今季は雪辱のシーズンとなるか注目だ。
西武ドラ2新人・渡部聖弥が球団新人最長タイの開幕6試合連続安打
4勝4敗の3位につける日本ハムは、野村佑希がチームトップのwRAA4.3を記録。昨年11月に新庄剛志監督から「開幕4番」に指名された24歳は、ここまで7試合に出場してリーグトップの3本塁打と持ち前の長打力をいかんなく発揮している。2023年の13本塁打がキャリアハイの “新4番”がまずは上々のスタートを切った。
4勝3敗で2位の楽天ではベテラン35歳の阿部寿樹が元気だ。ここまで全7試合で主軸を張り、22打数9安打でリーグ2位の打率.409、同3位タイの6打点をマーク。4日のロッテ戦では今季チーム初本塁打を放つなどチームトップのwRAA3.1を記録し、打線をけん引している。
開幕4連敗もソフトバンクに勝ち越し5位へと浮上した西武は、ドラ2ルーキーの渡部聖弥がwRAA2.8でチームトップだった。開幕戦の第2打席で日本ハム先発の金村尚真からプロ初安打を放つと、その後もヒットを積み重ね、5日のソフトバンク戦で球団新人最長タイとなる開幕6試合連続安打をマーク。昨季、歴史的貧打にあえいだ打線に、頼もしい新人が加わった。
ロッテ・岡大海とソフトバンク・柳田悠岐のベテラン勢が好調な滑り出し
日本ハムと同じく4勝4敗の3位につけるロッテでは、岡大海がwRAA2.3でチームトップだった。ここまで6試合に出場し、24打数9安打の打率.450、6打点をマーク。今季初スタメンとなった3月29日のソフトバンク戦では一時逆転となる1号3ラン、延長十回には決勝タイムリーを放つなど、勝負強い打撃で勝利に貢献している。
2勝6敗で最下位に沈むソフトバンクでは、柳田悠岐がチームトップのwRAA2.3をマークした。昨季52試合の出場にとどまった36歳は、ここまで全8試合で3番に座り、31打数10安打の打率.323、2本塁打、6打点と好調な滑り出し。今季はコンディションに気を配り、シーズン通してフルスイングを続けたい。
ベテランにルーキー、新4番など多彩な面々が今季最初の週間MVPに輝いた。まだ3カードとはいえ、昨季の覇者ソフトバンクがスタートでつまずく波乱の幕開けとなったパ・リーグ。今季も予断を許さない、熱い戦いが期待できそうだ。
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記事:SPAIA編集部