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池袋駅のおすすめ待ち合わせ場所9スポット~どの「フクロウ」で待ち合わせる?~

さんたつ

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「待ち合わせ」、それは情緒あふれる響きである。ところがスマホが浸透した現在、ひとは特に「待ち合わせ」をしなくても、なんとなく会えるようになってしまった。それでも駅に行けば、今日も多くの人たちが、誰かを待っている。皆はなぜ駅で待ち合わせるのだろう、そして駅のどこを目印にすれば相手に会えるのだろう。JRや私鉄など8路線が乗り入れる巨大駅・池袋駅で、おすすめ待ち合わせスポットを探っていきたい。

池袋駅の東西の「ねじれ」

池袋に行く時、私はいつも家電量販店・『ビックカメラ』のテーマソングを口ずさむ。「フシギなフシギな池袋~ヒガシが西武でニシ東武~♪」という歌詞に、何度助けられてきたことだろう。つまり池袋駅は東口に西武百貨店が、西口に東武百貨店があるという「ねじれ状態」で、この歌詞はその「ねじれ」を端的に表現しているのだ(ちなみに現在、『ビックカメラ』のテーマソングは新しいものに変更されている)。「西武があるほうが東口、東武があるほうが西口」と再確認した上で、改めて池袋駅周辺の待ち合わせ場所を探していこう。

池袋駅東口の西武百貨店。2025年4月現在大規模な改装工事が行われているが、入り口は待ち合わせスポットとして多くの人が集まる。

1日の平均乗降客数が約265万人と、世界第3位(日本ではなく世界、である。ちなみに1位は新宿駅、2位は渋谷駅)に輝く池袋駅(※1)は、JRや私鉄など8路線が乗り入れる巨大駅だ(ちなみに先に挙げたビックカメラの新テーマソングにも「でんでん でんしゃが 8路線」と歌われている)。

いけふくろう像【JR北改札近く(東口寄り)】

池袋駅のJR改札口の多くは地下1階にあり、地下通路を通って西武池袋線、東武東上線、東京メトロに乗り換えることができる。この地下通路で最も有名な、というより、池袋駅で最も有名な待ち合わせ場所が、JR北改札近くの「いけふくろう」ではないだろうか。

いけふくろう。栃木県産の芦野石で制作されており、やわらかい雰囲気の像である。
いけふくろう横に設置された、3羽の子フクロウ。台座には池袋第三小学校五年一組が合作したという詩が刻まれている。

JR発足記念として1987年に設置された「いけふくろう」は、地下通路にあるため雨天時でも安心できる待ち合わせ場所である。ただし、それほど大きな像ではないため、待ち合わせる人が多くなると、人だかりでふくろうが見えないというのが難点だ。

母子像【東口地上(北側入り口)】

いけふくろうを過ぎて東口側の地上に出ると、ひときわ目立つのが「大きな手」の像である。

大きな手に包まれる安心感からか、多くの人が待ち合わせに利用する。

「母子像」と名付けられたこの彫刻は、彫刻家・本郷新(ほんごうしん)により1980年に制作された。確かに母と子の微笑ましい情景ではあるのだが、それ以上に「手」の印象が強烈に残る。ここで待ち合わせをする場合、ほとんどは「手のところに10時ね」という感じの約束になると思われる。

なお、東口には2人の男性がブリッジをするルイ・デルブレ作「大地の像」という大作もあるのだが、ロータリーの植え込み内に設置されているため、この像の前での待ち合わせは不可能に近い。

この像が徒歩で近づけるエリアにあったならば、きっと多くの人が利用するであろう「大地の像」。

Progres/エスカレーター横ベンチ【西口(南)】

彫刻の大作は、東口ばかりでなく西口方面にも存在する。西口(南)にあるメトロポリタンプラザビル地上には、彫刻家・松阪節三による女性像「progres」が設置されている。

女性2人の躍動感が印象的な像。作者の松阪節三氏の彫刻は、各地に設置されている。

「Progres」像周辺は階段状になっており、待ち合わせ場所としては不向きかもしれないが、この像近くの地下通路とつながるエスカレーター横にはベンチが設置されており、座って待てるようになっている。

「Progres」から地下通路に進むエスカレーター横。以前は噴水広場となっていたが、現在もベンチが残る。

ウイロード(WE ROAD)壁画【西口(北)】

西口(北)出口を出ると、すぐに西口と東口を結ぶ隧道「ウイロード(WE ROAD)」のスロープにつながる。以前は殺風景だったこの隧道、2019年に美術作家・植田志保の手によりカラフルに塗り替えられた。

北改札から左に進んだ出口からスロープを通って「WE ROAD」へ進む。公衆トイレも斬新なデザインである。

トンネルの上に設置された芸術的な建物の前で待ち合わせしては……と思う人もいるかもしれないが、この建物、実は公衆トイレである。

グローバルリング【西口】

池袋で「芸術的」といえば、『東京芸術劇場』がまず思い浮かぶ。『東京芸術劇場』自体は設備更新工事のため、2025年7月(予定)まで休館中だが、その前にある池袋西口公園には野外劇場を備えた「グローバルリング」が設置されている。

野外劇場でさまざまなイベントが行われるが、イベントがない時でも多くの人が集まる。

ここにはベンチも多くあり、多くの待ち合わせ客に利用されている。

チェリーロード・アゼリアロードのフクロウたち【東口】

ところで池袋を歩いていると、あちらこちらにフクロウのモチーフがあることに気付かされる。「池袋」という地名の由来がかつて池にフクロウが生息していたからとも、あるいは「いけぶくろ」との語呂合わせからとも言われているが、先述の「いけふくろう」設置以降、フクロウ像が増えていったようである。

「いけふくろう」が設置されている東口(北)地下通路から、東口(南)につながる通路はそれぞれ「チェリーロード」「アゼリアロード」と名づけられているが、それぞれ上部にフクロウが設置されている。

通りかかっただけでは見過ごしてしまうが、チェリーロードで上を向いて歩くと、確かに木に止まったフクロウがいる。
中央通路~南方向に向かうアゼリアロードの柱にいるフクロウ。こちらは柱があるので、待ち合わせ場所にすることも可能か。

また、アゼリアロードには朝・昼・夜それぞれをモチーフとしたフクロウのレリーフがある。

アゼリアロードの壁面に設置されているレリーフ。しかし近くにATMが設置されているため、待ち合わせ場所にするのは難しそう。

人通りの多い通路の真ん中にあるので待ち合わせ場所にするのは難しそうだが、「いけふくろう」で待ち合わせた人とフクロウ巡りをするのも面白い。

池袋駅東口交番/中池袋公園のふくろう像【東口】

先述した「母子像」や「大地の像」がある東口地上には、ひときわ目立つフクロウデザインの池袋東口交番がある。

小学生の案が採用され、2005年に現在のデザインとなった池袋駅東口交番。駅から少し離れた「東池袋交番」もフクロウデザインである。

そしてアニメ関連のイベントなども多く行われる中池袋公園にも「ふくろう像」が設置されている。

再開発が進み、多くの人が集う中池袋公園に設置されたふくろう像。知恵の象徴らしく、本の上にたたずんでいる。

これらフクロウモチーフの像の多くは、豊島区制70周年記念事業としてつくられた「梟の樹を創る会」により設置されているとのことで、今後も増えることだろう。

モザイカルチャー「えんちゃんファミリー」/梟の路のふくろう【西口】

もちろん西口の駅周辺にもフクロウがたくさんいる。まず西口を出るとすぐに、植物でできた大きなフクロウたちが目に飛び込んでくる。

よく手入れされているモザイカルチャーのえんちゃんファミリー。植物でできているからか、時期により表情が少し異なる面白さがある。
ファミリーの横には、FRPで作られたえんちゃんもいる。

「みんなのえんがわ池袋」という商店街を中心とした交流広場から生まれたフクロウのキャラクター「えんちゃん」をモチーフとしたこの像は、金属のフレームに土を入れて花や草を植え込む「モザイカルチャー」と呼ばれる手法で制作されており、緑化推進のシンボルともなっているそうだ。この緑のえんちゃんの向かい側にはベンチが設置されており、待ち合わせ場所としても最適だ。

えんちゃんの向かいのベンチ周辺も植物が多くあしらわれており、快適な空間となっている。

池袋駅周辺のフクロウたちの中で、私が特に気に入っているのが西口(南)を出てすぐのところに設置されている「梟の路のふくろう」像である。

なんともかわいらしいフクロウ像。駅を出てすぐのところにあるので、待ち合わせ場所にもできると思う。

他の像に比べれば小ぶりで目立たないが、小首をかしげた姿がなんともかわいらしい。

池袋で待ち合わせをする際は、好みのフクロウ像を目印とするのも楽しいだろう。しかし、待ち合わせ相手ときちんと意思疎通をしておかないと、違うフクロウ像で待ち合わせをしてしまうかもしれないので注意が必要ではあるが。

イラスト・文・写真=オギリマサホ

※1:国土交通省ホームページ資料(https://www.mlit.go.jp/toshi/file/japan-event/231106-6_%E6%B1%A0%E8%A2%8B.pdf)

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