<図々しい請求!>「養育費を増額して!」自分の浮気が原因で離婚したのに…今さら?【まんが】
これは数年前の話です。私の名前はサトミ(47)、20代のときに結婚した夫とは歳の差婚でした。残念ながら、病気ですでに他界しています。亡き夫とのあいだにひとり娘がいますが、もう社会人。仕事の都合で一人暮らし中です。そして今、私には、4歳年下でバツイチのケイゴという彼氏がいます。このままお付き合いをしているだけでもいいかな……と思っていたのですが、ケイゴが「将来のことも考えて籍を入れよう」と言ってくれたので、数か月前に婚姻届を出しました。娘も私の再婚を祝福してくれました。
現在元妻のマリカさんとミナトくんはマリカさんの実家で、ご両親と4人で暮らしているそうです。ミナトくんの養育費については離婚するときにきちんと話し合い、毎月その額を振り込んでいるとのこと。しかし……。
ケイゴとマリカさんが離婚したのは10年前。マリカさんの不貞が原因でした。
ケイゴはマリカさんと浮気相手の両方に慰謝料を請求したかったそうですが、相手の男性に支払い能力がなかったようで……。
ケイゴがミナトくんを引き取りたかったのですが、環境が整わずマリカさんが引き取ることになりました。
マリカさんと浮気相手にお金がないことをケイゴはわかっていたので、これ以上もめて心がすり減るのを少しでも避けたかったのだと思います。
その後、音沙汰がないまま10年が経とうとしていたのに、唐突に養育費の増額をしてくれ、などと連絡してくるなんて驚いてしまいます。それに離婚する原因を作ったことや、慰謝料と養育費の話し合いの内容など、どれをとってもマリカさんのクセの強さが伺えます。
私は、現時点ではマリカさんと会ったことは一度もありません。しかし正直、ケイゴから話を聞くだけでもお腹いっぱいで、「できればずっと関わりたくないな……」と思っています。
元妻は復縁を希望!?再婚したなら……「私に会わせるのが筋でしょ」
マリカさんは離婚してから、ミナトくんに一度も会わせてくれなかったそうです。
養育費の額は、ケイゴから以前に聞いていたので知っています。決して少ない額ではありませんが、今13歳で今後教育にどんどんお金がかかることを考えるとそう多くはないような……それでも実家の手助けがあるのなら妥当なのではとも思えるような金額です。
浮気されたのに1円も受け取らず離婚した、そのときのケイゴの気持ちを汲んであげてもいいのではないかとも思ってしまいます。ケイゴはミナトくんのことを考えて、ぐっと怒りや悲しみを我慢したのです。とてもツラかったと思います。
養育費の増額については、ケイゴが自由にできるお金の範囲だったら好きにしてもらって構いません。ケイゴとマリカさんの子どもの養育費なのだから、2人で話し合って決めればいい。私から話すことも、決めることも何もありません。
どうして私が、マリカさんと会う必要があるのでしょうか。再婚したのなら挨拶をしろ、という意味でしょうか。だったらなおさら会う必要はないはずです。
「一度会っておいたほうが今後何かとスムーズかな?」とも一瞬思いましたが、それよりも私のなかで「面倒な人と関わりたくない」という気持ちのほうが勝ってしまいました。会ったらきっと、「息子の父親をとらないで!」とか「あなたのせいで息子の養育費が減ったらどうするの!?」などとヘンな言いがかりをつけられそうなので……。
せっかく再婚したばかりで、亡夫との娘もひとり立ちし、ゆっくり第二の人生を送ろうとしていたところです。そういった難しい人とは関わらず、心穏やかに過ごしたいのです。
【元妻の気持ち】セレブ再婚!?「ズルい……」駅で待ち伏せしてやるッ
これは数年前の話です。私の名前はマリカ。アラフォーのバツイチシングルです。元夫のケイゴとは10年前に離婚しました。原因は……私の浮気です。当時3歳だった息子ミナトは私が引きとり、今は実家の両親と一緒に暮らしています。離婚するとき、ケイゴは私の両親と養育費の金額を勝手に決めてしまったのですが、正直私は今でも納得していません。だから10年間ミナトにも会わせていません。そして最近生活が厳しくて、養育費をもっとほしいと連絡しました。ミナトのためにまた一緒に暮らさないか、とも……すると、なんとケイゴは最近再婚したというじゃないですか!
昼間からこんな風に部屋でスマホを見ていられるのは、私が今、無職だから。パートで勤めていた会社を、人間関係のいざこざで先日辞めてしまったのです。
今ケイゴが住んでいる場所はすごくいい場所。電話で「今住んでいるのは〇〇駅前のマンションだ」と聞いたときには、胸が高鳴りました。それなのに、ケイゴは再婚していたのです。新しい奥さんはどんな人? 若い? 美人? 普通の人? いっそのこと復縁もアリかな……なんて期待していたのに……!
離婚当時ケイゴは仕事が忙しくて自宅にほとんどおらず、私も育児でストレスが溜まっていました。そのとき再会した学生時代の元カレと、ほんのちょっと会うつもりがそのままずるずると浮気してしまったのです。用事があると頻繁にミナトを実家に預けるようになったため、不審に思った両親がケイゴに連絡をとったことで発覚。その後、離婚が成立しました。
仕事がなく暇なせいもあってか、ケイゴへの怒りや恨みがどんどん溜まっていきます。そしてついに、感情が暴走を始めました。
ケイゴの再婚相手の顔なんて全く知りません。でも自宅近くなんだから、ケイゴと2人で通りかかる可能性もあるかもしれません。私は帰宅ラッシュの時間、駅前で待ち続けました。平日だけでなく、土日の昼間にも何度か行ってみました。ですが、なかなか見つかりません。駅前のマンションは2棟あるので、そこから顔を出さないかとそれぞれのベランダにも目を光らせますが、結果はさっぱり……。
それでもまだまだ諦める気はありません。ひとりでぐるぐる考えてストレスを溜めるくらいなら、何か行動したほうがいい。私は昔からそういう性格なのです。
「横取りオンナに会わせろ!」嫉妬から暴走⇒通報?
何度、ケイゴが住んでいる最寄り駅で待ち伏せをしてみてもケイゴと再婚相手に会うことはありませんでした。それからしばらくしたある日、自宅で……。
父と母がケイゴから連絡があったと、私が待ち伏せしていたことを説教しにきたのです。
私は心の中で舌打ちします。ケイゴ、余計なことを……。
私は「ミナトのためよ! お金がいるの!」と、父に反論しましたが……。父は「自分の不貞で離婚しておきながら恥ずかしくないのか!」と、私に強い口調で言いました。
私は「仕方ないじゃん! 働いてもお金ないし、子どもがいたら彼氏もできないし。なのにケイゴはいい所に住んで再婚までして……」と、感情を吐き出しました。すると父は冷静に「その恨みはお門違いだ」と私を諭しました。
私はぐうの音も出なくなってしまいました。
今後ケイゴと養育費のことを決めるときは、大人としてきちんと礼儀をもって話し合いたいです。それと……ミナトとケイゴをずっと会わせていなかった件ですが、以前からずっと両親には「ミナトが希望するなら定期的に交流をもつべきだ」と言われ続けていました。
これまではつい感情が先立ってしまい無視してきましたが、ミナトももう13歳。これからますます難しい年齢になっていくでしょう。今後はミナトが希望したときにはちゃんと会わせてあげたほうがいいのかなと思っています。
今までの私は、10年前の離婚をどこか消化しきれず、もしかしたら心のどこかでずっと引きずっていたのかもしれません。でも……もう、目を覚ます時だと、やっとわかりました。人はすぐには変われません。時々、ケイゴを責める気持ちが胸によぎります。けれどそれを押し殺し、昔の自分には戻らないようにしています。