鴨居消防出張所 市内唯一&最長車両を導入 災害時の活躍に期待
緑消防署鴨居消防出張所(村下康文所長)に、4月から新たな重機搬送車が導入された。災害現場での救助救出作業にあたる横浜市内で唯一の車両となる。
同出張所には今年3月まで、全国でも珍しい自走式の排除工作車が配置されていた。2000年に導入された同車両は、最高時速が50Kmで長距離移動に適さず、他県への災害派遣などが行えなかったという。近年では機動性が重視され、クローラー式の重機を運ぶ搬送車が主流になっていることもあり、今回の入れ替えとなったそうだ。
この4月に新たに導入された車両は最新のもので、小型と中型の重機2台を一度に運ぶことができる。全長は11m59cmではしご車よりも長く、市内の消防車両で最も長いという。導入初日には配車の情報を聞きつけたファンが、鴨居消防出張所に撮影に訪れる姿もいられたそうだ。
小型重機には3種類、中型重機には4種類のアタッチメントを備えており、コンクリート破壊や金属切断、撤去作業など、使用用途に応じて簡単に変更することができる。クローラー式の重機の方が登坂能力や安定性も高く、搬送車が自走できる場所なら遠距離でも向かえるため、活躍の場が広がりそうだ。
4月22日時点で出動はないというが、災害はいつ起きるか分からないため、同出張所では日々訓練に励んでいるという。「活躍しないのが一番だが、これまでできなかったことができるため、助けられる機会が増えるということ。市民の安心につながればと思う」と村下所長。出動していなければ車両の見学はいつでも可能とのことで「気軽に声をかけてください」と話している。