温州みかんの“親”に当たる古代種、幻のみかん「九年母」を復活させたい!南伊豆町で行われている取り組みとは
リキュールやお菓子などの商品化も
伊豆半島の南部に位置する自然豊かな町、南伊豆町。春は河津桜や菜の花などを目当てに、春に向けて多くの観光客が訪れます。
今回紹介するのは、全国的に稀少なみかん・九年母(くねんぼ)。生産数の少ない幻のみかんを守るために、ある取り組みが行われていました。
九年母は、温州みかんの親にあたる古代種で香りが強いのが特徴です。
江戸時代までは主流のみかんとして知られていて、1854年にペリーが下田に来航した際にも、おもてなしとして出されたと言われています。
サークル ききがきや代表 山本はまこさん:南伊豆町内には、3本しか九年母がなる木がありません。
現在、南伊豆町に残っている九年母の木はわずかに3本。そのため、接ぎ木で復活させる取り組みを始めています。
接ぎ木を作っている 石井和好さん:これが九年母の苗。カラタチの木を台木にして九年母の枝を接ぐんですよね。テープで巻いていくんですけど、そこが上手に繋がればこうやって木が大きくなってきます。あと2年すれば(実が)なると思います。
この九年母、南伊豆町では昔からの食べ方があるそうです。
サークル ききがきや代表 山本はまこさん:これは九年母の味噌漬けで、この皮を細かく刻んで金山寺味噌に混ぜていただきます。
番組スタッフが試食させていただきました。
番組スタッフ:味噌の味もちゃんとするんですけど、九年母の香りが鼻に抜けてさっぱりしていてご飯にすごくあいますね。
他にもリキュールやお菓子なども作り、商品化していく予定です。
サークル ききがきや代表 山本はまこさん:山里の中でほそぼそと生き残っていてこれをなんとか後世につなげたいです。南伊豆から発信できるような、もう一度光を当てられるみかんを目指していきたいです。
(2025年1月11日放送)