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沖縄移住して5年。恩納村に住んだ海好きの30代独身女が移住して素直に感じること

OKITIVE

ビーチには地元から流れてきたであろうものだけでなく、観光客が置いていったものや海外からの漂着ごみなどさまざまなごみがある

東急田園都市線沿線で育ち、東京の高校・大学を卒業、新卒では港区のIT企業へ入社。そんな、ほぼほぼ都会から離れて暮らしたことのない私でしたが、気がついたら沖縄に移住して5年目となっていました。 30代独身。そして、彼氏なし。 沖縄移住5年目ともなると東京の友達が遊びに来る頻度も減ってきて寂しい今日この頃ですが、沖縄でできた友人たちと楽しく毎日を過ごしています。

冬でも楽しく恩納村の海で遊んでいます Photo by 梅田裕亮

このたびOKITIVEの編集者Aさんにお声がけいただき、恩納村の移住を記事を書くことになりました。海とダイビングのウェブメディアocean+α(オーシャナ)の積田(つみた)スイカと申します。スイカの発音はJRのICカードのSuicaです。 Aさんによると「恩納村の女性一人暮らしの情報」は知りたい人が多いのでは?ということなので、なぜ沖縄移住して恩納村に住んでいるのか、実際に住んでみてどうなのか、という話をつらつらと書いていきたいと思います。

海とお酒とロックが好きなゴリゴリのダイバーです

沖縄移住を検討している人や、やむをえず移住をしなくてはいけなくなった人、なんとなく沖縄の雰囲気を知りたい人、沖縄のリゾート地域である恩納村に興味を持っている人、さまざまな方に楽しく参考にしていただければ幸いです。

ざっくり、恩納村のこと

私が住む恩納村は、沖縄本島ほぼ中央の西海岸沿いに位置しています。南北に27km、東西に4.2kmと細長い形をしていて、海岸全域は沖縄海岸国定公園、東側は山々が連なる自然豊かな場所です。 と、思いきやリゾートホテルが立ち並び、人口約1万人に対し、年間約300万人が訪れるリゾートエリアでもあります。 「青の洞窟」や「万座毛(まんざもう)」がある場所というと想像しやすいでしょうか。 世界トップレベルの大学院「沖縄科学技術大学院大学(OIST)」もこの恩納村にあります。 リゾート移住の増加で、2024年は日本の基準地価上昇率(住宅地)にて29.0%となるトップにもなっています。 自然豊かなリゾートエリアへの移住。いったい何が待っているのでしょうか。

なぜ恩納村へ移住したのか?

私が恩納村に移住した理由は、ズバリ仕事のため。 IT企業からウェブメディアへ転職し1年ほど経ったころ、「沖縄の恩納村役場に、うちの会社から一人派遣するから行ってくれない?」と社長から言われました。なんでも、「地域おこし企業人(現在は地域活性化企業人)」という、三大都市圏の企業から地方自治体に最大3年間社員を派遣できる総務省の制度を使ってらしいです。 私は、「沖縄で何をするんですか?」 と話を聞くと、恩納村のSDGs推進プロジェクトの一部を現場で遂行してほしいとのこと。 恩納村には美しいサンゴ礁が広がる海があり、ダイビングやシュノーケリングが盛んな一方、人が入りすぎてサンゴが折られたり、餌付けによって生態系が変わったりと、環境にも負荷がかかっている。 そこで、村として持続可能な海の環境と観光も含めた村づくりを実現するために、SDGs推進計画を立てました。 私は担うのはその一環となる、サンゴを守るためのダイビング・シュノーケリングの国際基準「Green Fins」を、村の基準として導入するということでした。 ※Green Fins(グリーン・フィンズ)は、国連環境計画(UNEP)とイギリスのReef World財団が主導するサンゴ礁保全の取り組みとなります。 ダイビングやシュノーケリングなどのマリンスポーツにて、環境に配慮したガイドラインを作成し、そして普及させサンゴ礁へのダメージを減らすことを目的としています。

「サンゴの村宣言」をして、持続可能な村づくりのために村全体でサンゴ保全に取り組む恩納村

ocean+α(オーシャナ)では、営業やらライターやら編集やらと何でも屋として働いています。ダイビングにも海の環境問題にも普段から触れており、各地のダイビングショップの方々とやりとりさせていただくことも多い。まさに適任だったのでしょう。 正直な話をすると、沖縄へ特段良い印象を持っているわけでもなく、知らない土地で初めての仕事をすることに対して不安も大きかったので、沖縄移住する直前まで渋っていました。 転職も視野にいれ占いに頼ってみたところ、二人目の占い師に「沖縄に行くのが一番おもしろそうよ」とタロットカードをめくりながら言われたので、「まあ、それなら1年くらい行くかあ…」と最終的に沖縄行きを決心したのでした。 よくよく考えると、東京の会社に属しながら、沖縄に移住して勤務をするという、仕事探しの面では苦労しづらい、理想的な移住スタイルだったと思います。

恩納村で家探しのこと

さて、沖縄移住が決まれば次は住むところや車探し。現地にいる会社のメンバーがすべてやってくれたのですが、恩納村では条件に合う物件が見つからなかったそう。 なので…実は移住して最初の1年くらいは、お隣の読谷村に住んでいました。 家電駐車場付き、バストイレ別、1K8畳で、4万円程度の全国展開の賃貸アパート。壁の薄さは気になりませんでした。 大きなスーパーやファーマーズマーケットも近くにあり、生活には困りませんでしたが、やはり恩納村での仕事なので、恩納村に住みたいという思いがありました。

読谷村の「やちむんの里」には、沖縄ならではの焼き物の工房がたくさんある

とはいえ、1年で帰るつもりだったので、そのまま読谷村にいてもよかったのですが、沖縄生活も良いものだと思い始めたころ、地域おこし企業人の契約が延長されることが決まりました。 さらに、恩納村でもともと他のメンバーが使っていた物件が空いたことをきっかけに、恩納村へ引っ越してきました。 恩納村の中でも北の方の集落で、木でできた小屋のような住まいでしたが、家の裏には人の少ない美しいビーチが広がり、仕事終わりにSUPやハンモックに揺られながら夕陽を眺める生活をしていました。 庭には近所の人が親切で植えてくれたというバナナの木がすくすくと育っていました。

家の裏庭でよく一人BBQもしてました

ですが…恩納村の引越し先の家賃が今まで(読谷村の住居)の3倍くらいに跳ね上がったので、半年と経たずに次の家探しを始めました。 実際に自分で探してみると、確かに読谷村よりは少し家賃が高い。恩納村にはスーパーがなく、買い物に行きやすいエリアはちょうど良い物件がなかなか空いていない。どうしたもんかと思っていると、恩納村の中部にある知り合いのアパートがちょうど空き、家賃やアクセス、その他条件もよかったので、すぐに契約しました。 諸説ありますが…沖縄でちょうど良い物件を見つけるには、不動産屋さんを介さずに、人伝てで探している人が多いように思います。 ※あくまで私の感想です。

恩納村に実際住んでの住環境

東京や神奈川の駅近集合住宅に住んでいた頃に比べると、もちろん恩納村は静か。 最初に住んだ恩納村の物件は国道が近いこともあり、夜中はツーリングをするバイクの騒音も時々ありましたが、基本的には恩納村は静かです。

読谷村から恩納村に入ってすぐの58号線沿い。バイクで走ったら確かに気持ち良さそう

場所によっては、民泊に泊まっている観光客が夜中まで騒いだり、路上駐車や交通渋滞に悩まされたりすることもあるようですが、私の家の周りではそういったことはないようです。 恩納村に限らず沖縄全体として言えることですが、路面状況があありよくないと感じることも多いです。日差しが強くて植物が強いのか、路肩の草が伸びまくり、全体的に雑然とした印象があります。コロナ禍があけ、他の県に頻繁に行くようになってから、沖縄があまり整備されていない?と思うようになりました… そして、道に落ちているごみは割と多い気はします。目についた時には一日一つ、拾うようにしています(キリがないので一つです…)。 皆さん、ゴミはちゃんと処理をしましょう。

ビーチには地元から流れてきたであろうものだけでなく、観光客が置いていったものや海外からの漂着ごみなどさまざまなごみがある

恩納村での交通事情

恩納村へは、那覇空港から車で1時間ほどかかります。高速を使わないで行くと、時間帯によっては2時間近くかかることもあります。 ですが、電車はないですし、バスも1時間に数本あれば良い方なので、生活に車は必須です。私自身は、移住した初日にバック駐車のやり方をググらないといけないほどのペーパードライバーでしたが、道は広いですし車も多くはないのですぐに慣れました。 レンタカーも多く運転に慣れていない方も多いので、自分は気をつけていても貰い事故に遭う可能性もあります。また、保険に入っていない人もいるような事を聞いたことがあるので、不利な事故に巻き込まれないためにもと、友人からの勧めで最近弁護士特約をつけました。 ガソリン代はレギュラーでだいたい1lあたり160円〜170円ぐらいでしょうか。沖縄県内での他地域とそれほど変わらないか、むしろ安い時もあるそうです。 (沖縄のガソリンに関しては、沖縄復帰特別措置法に基づく「揮発油税及び地方揮発油税の軽減措置」が講じられているため少し価格が低いです。) 電気自動車の充電ステーションはホテルや図書館にあるのを見かけましたが、利用条件は施設によるようなので、調べてみることをおすすめします。 ごくごくたまに自転車とキックボードを使いますが、夏は暑くて本当に近所にしか行けません。あまりにも歩かないので、東京に出張に行くと脚が筋肉痛になります。

沖縄(恩納村)での服装は?

沖縄は年中あったかい!と移住前は思っていましたが、そんなことはありませんでした。 冬は寒いです。北風が強いので、体感温度が下がるのでしょうか。 沖縄で初めての冬、帰省時に東京での寒さをしのぐために沖縄まで着て帰ってきたダウンジャケットでしたが、結局沖縄でも真冬に外に出る時は着ています。 とはいえ年に何回も着るほどではないので、一昨年は革ジャンをよく着ていました。 湿気でカビるのが嫌だったので革製品は実家に置きっぱなしにしていましが、どうしても革ジャンが好きで着たい衝動が抑えらず…。沖縄の気候ではむしろ長く着られるのでは、とも思ったので持って帰ってきましたが、正解でした。

2024年12月頭の写真。暖かかったので夕方でもこの格好で過ごせました

夏は暑くて日差しが強いので、涼しい格好をするだけでなく、日差しを避けられる羽織ものや帽子をよく着用しています。着る物を減らしたくて、自然とブラトップが増えました。 また、「白内障になる」と移住者の先輩方に脅されたので、UVカットサングラスも外に出る時は手放せません。運転中は腕が焼けるので、長めの手袋を買いましたが、暑くて結局使わなくなってしまいました。 仕事で人と会う時はかりゆしウェア。 ビジネスやフォーマルな場では基本的にはかりゆしウェアを着ます。アロハシャツと似ていますが、沖縄県産で、沖縄らしい柄が入っています。スーツより涼しく、沖縄の気候に合ったビジネスウェアです。 お土産屋さんや、かりゆしウェアのブランドショップはもちろん、ショッピングセンターでも売っていて、沖縄ローカルショッピングセンターで購入したところ、仕事先で柄が被ったのも良い思い出です。 これ、沖縄でのビジネスシーンでは、かりゆしウェアの柄が被るあるあるです。 では、年中かりゆしウェアなのかというと、冬場は普通にスーツを着ます。寒いですもんね。 役場でスーツの方が増えてくると、冬になったなあと感じます。私も冬場は本土にいた頃とあまり変わらないビジネスカジュアルな感じで過ごしています。 車の運転を優先するがために、ハイヒールをまったく履かなくなってしまったのが少し寂しいです。

沖縄移住して恩納村でのお食事は?

恩納村での外食は?

「沖縄って、あんまりおいしいお店ないよね?」って結構言われるんですが、そんなことはないです。一方でハズレのお店も多いので、そういう店に当たっているのではと思います。 恩納村は観光客が多いエリアなので、お高めのお店も多いです。当然ながらおいしいお店もあれば、値段に見合わないと思うお店もどちらもあります。 おしゃれなカフェやパンケーキのお店は混んでいることも多いので、友人が遊びに来た時に、「映えるっ〜!!」なんて言いながら一緒に観光客気分で訪れます。 ヴィーガンカフェやヴィーガンメニューを置いているところもあり、健康志向なフリーダイビング仲間とトレーニング後に立ち寄ります。

一人でも行くヴィーガンカフェ「Cafe&Bar Gajimaru」のハンバーグプレート。お肉が使われていないとは思えないジューシーさ

1000円前後で食べられる定食屋さんやカフェもいくつかあり、昼休憩に少しランチしに行くのには困りません。平日毎日違うところで外食できる程度。 恩納村役場の近くでは、「かよう亭」、「きじむなぁ」、「まんざ食堂」がお気に入り。 恩納村でも北の方は、あまり周りにサクッとランチできるところがなかったので、家で仕事をしている時はほぼ自炊でした。ウーバーイーツはもちろん配達範囲外です。

「タコライスCafé きじむなあ」のオムタコ。季節限定メニューもよくチェックしています

夜もふらっと飲みに行ける距離にいくつか1人でも行けそうな居酒屋がありますが、コロナ禍の影響もあり家で飲むクセがついてしまったので、残念ながらあまり開拓できていません。 友人と飲む時は恩納村でも車の距離になることが多いので、代行を使うか、ノンアルです。地元の方々と飲みに行く時はうるま市の石川というエリアに行くことも多々。 繁華街には居酒屋、カラオケ、バー、スナックなどがあるので、ついつい夜更かししてしまいます。 私の場合、1人で代行を利用するなら恩納村北部や、南は読谷村あたりまで。東はうるま市石川。名護以北や北谷以南の時は、ノンアルか、宿をとって飲みに行きます。 那覇から何度か代行も使いましたが、1万円は超えてしまうので、泊まった方が安いのです。 また、全般的にお店の口コミ関連ネット情報があまり当てになりません。営業時間や営業日通りになっていないところも多いですし、観光地効果なのか、評価を高めにつけている人がどの店にも多い印象です。 口コミが多くて評価が高いところでも、評価の低い口コミまでよく読むようになりました。 ※あくまで個人的意見です!

恩納村での自炊について

恩納村にはスーパーがないので、村内の売店やコンビニは重宝しています。 一方で冷凍でないお肉やスパイス類、オーガニック野菜などが欲しい時は、うるま市や読谷村のスーパーまで買い出しに行きます。恩納村の北部にいた時は金武町まで行っていました。 海外の大手ECサイトを使えば割とすぐ届くので、今すぐ欲しいものでなければ、食材や食品も購入することが増えました。自分がコロナにかかってしまった時はネットスーパーと大家さんが玄関に置いてくれる食材にお世話になりました。 道の駅には沖縄の野菜がたくさんあるので、自炊をする方には楽しいのではないでしょうか。 ゴーヤやモーイ、うりずん、青パパイヤ、ハンダマなど、沖縄移住してから初めて調理した野菜もたくさんあります。

近所のおじいにいただいた野菜をふんだんに使った鍋。ハンダマの色素で紫のスープになりました。おいしかったです

沖縄ならではの食材としては、車麩(くるまふ)や島豆腐、本モズクなんかもスーパーでよく売られています。毎日自炊は大変なので、塩だけで食べてもおいしい島豆腐や、茹でてマヨネーズだけでいけるオクラあたりが重宝しています。 一人で晩酌をする時は、ビールかワインがほとんどですが、恩納村地元のお酒なら、「萬座 古酒 25度」が個人的には飲みやすい、というか普通に美味しくて金額的にもちょうど良いのでおすすめです。恩納村ローカルの方と飲む時はだいたいこれです。

沖縄移住での美容について

沖縄はとにかく紫外線が強いので、日焼け対策は必須です。どうしても日焼けして肌が荒れやすいので、日焼け止めや保湿を忘れてはいけません。 日焼け止めは、サンゴに悪影響があると言われる成分の入っていない「Little Hands Hawaii」や「サンゴに優しい日焼け止め」のベージュカラーを使って、ファンデーションがわりにすることもあります。

沖縄生まれのサンゴに優しい日焼け止め。紫外線吸収剤フリーでノンナノ

沖縄に来て美容的に良かったことは、乾燥しなくなったことでしょうか。 毎年冬の時期は乾燥とそれによる痒みに悩まされていたのですが、沖縄にきてからはほぼありません。これはありがたいです。 よく沖縄のシャワーの水は硬水で髪がバサバサになる、と聞きますが、あまり私は変化がありません。海に入り過ぎて、塩と紫外線にやられているのが常だからかもしれませんが…。 少し調べたところ、恩納村はそこまで硬水ではないようなので、エリアにもよるのかもしれません。 美容院やネイルサロン、マツエクなどは恩納村にはほとんどありません。あったとしても数は多くないので、選びたい放題という感じではないです。 美容院に関しては年1〜2回しか行かないので、東京に戻る時についでに行っています。 いくつか沖縄でも行ってみて、気に入った美容師さんもいたのですが、みんな気付いたらやめている…というのもちょっとしたあるあるです。

恩納村のネイルサロンArchangelでは私の好きな海の生き物「ニシキテグリ」柄リクエストにも応えてくれました

ネイルサロンは恩納村の「Archangel」がとても気に入っているのですが、少し距離があるので最近はセルフネイルの日々です。マツエクは読谷村や北谷あたりまで足を伸ばしています。 こだわりのある方ならいろんなサロンに行って、合う人を見つけていくのが良いと思いますが、私のようにこだわりはない、今すぐ時間が空いたからやりたい、みたいな方は、近くのサロンの予約が埋まっているケースも多いので、少々億劫になってしまうかもしれません。

恩納村に移住しての病院事情

恩納村の中部にはクリニックがあるので、風邪をひいた時などはそちらにお世話になります。幸か不幸かあまり病院に行かない人生だったので、良し悪しがあまりわからないのですが、特に困ったことはありません。 耳鼻科や皮膚科など、専門的なところになると、恩納村から出ないといけません。全体的に人が多く、かなり待たないといけなかったり、歯医者はなかなか予約が取れなかったりする印象です。

コワーキングスペースも豊富

私はメインであるウェブメディアocean+αの仕事をはじめ、基本的にはリモートで働いています。 大体自宅で仕事をしていますが、気分を変えたい時や、外出時はコワーキングスペースもよく利用しています。 恩納村ではお菓子御殿のコワーキングスペースを時々利用するのですが、窓から見えるビーチと海が美しすぎて、仕事モードを忘れかけるのが難点です。

お菓子御殿@恩納村のコワーキングスペース。天気の良い日は特に眺めが良い

少し足を伸ばして名護のハナウールや読谷村のhowliveにふらっと行くこともあります。 他にもホテルや公共施設にもコワーキングスペースが多々あるので、いろいろ行ってみてお気に入りを見つけるのも良いかもしれません。

沖縄移住してマッチングアプリ!?

今や恋人探しでは普通ですよね、マッチングアプリ。 コロナ禍で恋人どころか友達の作り方すら忘れてしまった私のような移住者の中には、とりあえずアプリ入れとくか!という方も多いのではないのでしょうか。 私の場合は男女問わずマッチしてみましたが、すぐにやりとりに飽きてしまい、気づいたらアンインストールされておりました。 なんでマッチングアプリのことを書こうと思ったかというと、「沖縄は狭いからすぐ繋がる」を実感したからです。 友達の少ない私でも知っている人が出てきたり、友達から「これ、スイカちゃんだよね?」と言われたりすることも。 一度、マッチしてやりとりが途絶えてしまった人が仕事のオンラインミーティングに出てきて「ここでマッチしたかー」となったのも良い思い出です(先方は気付いていませんでしたが)。 沖縄で使ってみて気付いたのは米軍をはじめとした沖縄在住の外国人も割といること。そういえば、英語を勉強しようと思って外国人とばかりマッチしていた時期もありました。 何が言いたいかというと、身バレしたくない人は気をつけてください。

虫とヤモリのこと

沖縄に住んでいると「虫とか大丈夫?」とよく言われます。大丈夫ではないです。たくさんいます。が、慣れます。 本土に住んでいた頃より圧倒的にゴキブリもよく見かけるし、戦ったこともあります。とはいえ、市販の害虫駆除グッズなどで対策していればそれほど出ません。 それより、ヤモリが家にいることが多いです。こっちのヤモリは鳴くので、寂しい夜に「キッキッキッ」と鳴き声が聞こえてくると、「一人じゃないんだ」と安心します。 また、夜に部屋を明るくしていると窓の外に蛾が寄ってきて、それを狙って食べるヤモリという生態系を楽しむこともできます。 部屋でたまにヤモリのうんこや、干からびたヤモリを見つけてしまうこともあるので、苦手な人は心構えをしておいてください。

不意に現れるヤモリ

自然災害のこと

沖縄の自然災害といえば台風。 天気予報で台風が沖縄に来るとなると、本当にコンビニから何もなくなりなるので、水、カップ麺、お菓子、ガスとガスコンロ…この辺は台風シーズンになると買い出しに行きます。 そして、いよいよ台風が来るとなったら、車が飛ばされないようガソリンを満タンにします。停電が起きても車にガソリンがあれば、冷房と充電器が使えます。 断水した時のことも考えてお風呂に水を溜めておきます。停電で暑くて取り敢えず水をかぶるということもできるので。 ラッキーなことに私が住んでいるエリアではほとんど停電もなく、断水になったこともないので、実害はあまり感じませんでした。役場の方々は公民館に出張って、避難してくる方の受け入れをしたり、台風が過ぎ去った後に被害があった場所に出向いたりと、台風前後はとても忙しそうでした。 こういった時に行政のありがたみをひしひしと感じるのでした。 一番焦ったのは2022年のトンガの噴火の時。津波注意報が出たのです。 夜だったので爆睡していたのですが、今住んでいるアパートの大家さんから電話をいただき、津波注意報が出ていることを知りました。北部の海沿いの家だったので、津波が来たら危険な場所だったのです。 その日はアパートに泊めてもらい、ことなきを得ましたが、海沿いに住むことのリスクを考える出来事となりました。

防災のこと

北朝鮮からミサイルが発射され、Jアラートが鳴り響いた時もありました。夜一人で家にいる時にスマホから発信されるあの音、怖いですよね。 さらに村の防災無線から「ウ〜」と警報音が鳴り響き、「ミサイル発射、ミサイル発射、直ちに避難してください」みたいな録音音声が繰り返し村中に流れます。 沖縄には地下に避難できるような場所はほとんどありません。核ミサイルが落ちてきたら嫌だなと思って、移住したての時に調べたのですが、恩納村にはなさそうなので、最寄りのガマ(洞窟)を把握しておいた方が良いでしょう。 私は何かあったら海中に逃げ込もうと思っています。

人間関係のこと

「人間関係が狭いから嫌にならないか?」 これも沖縄に住んでよく言われることです。 確かに、あることないこと噂されていたこともあったようですが、その噂がなかなか耳に入ってこないほど友達がいないので気になりませんでした。 自分が所属するコミュニティが一つだけ、ましてや縁もゆかりもない土地でのご近所付き合いだけとなると、合わなかったら辛いかもしれません。 ただ、移住者コミュニティがいくつかあるので、私はコミュニティが増えることを楽しんでいます。 恩納村の北部に住んでいたときは、家の近くで毎晩のように地元のおじいたちが「ゆんたく」をしていたので、よく混ぜてもらっていました。 家に帰ってくると、おじいが「メロンちゃん! 飲んでいきなさい!」(名前がスイカなので(?)メロンと呼ばれていた)と声をかけてくれるので、遠慮なくお邪魔してお菓子を食べたりお酒を飲んだりしていました。 方言が強すぎて何を言っているのかわからないこともよくありましたが、そういう時は大抵わざと私にわからないようにしゃべってる時です。「わからないでしょ!」とおじいも私に言います。 休みの日には農家さんの畑に行って野菜をいただいたり、裏のビーチで獲れたての魚を海人(うみんちゅ ※沖縄では漁師のことを海人という)からもらってその場で食べたりしていました。 今でも近くに行く時はなるべく顔を出すようにしています。

畑に訪問
「スイカの晩酌のつまみとってくるから!」と魚をとってくれた海人のおじい

それから、狭くて良いことは、同じような志向を持っている人たちは繋がりやすいことだと思います。 例えば、Green Finsを広げようと私は活動しているので、サステナビリティや環境に関することをしている方々と繋がって、仕事をすることも多々あります。

恩納村での伝統行事

沖縄の伝統行事も季節ごとにあって楽しめます。木の手漕ぎボートでレースをするハーリーや旧盆のエイサーなど、目の前で見たり参加したりするのは楽しいですよね。

地元の企業や団体が対抗でレースを行う恩納村の前兼久ハーリー。なかなか漕ぐのは大変でした

沖縄移住しての私生活は、海に入るか仕事をしてる

生活の中で気になるであろうことをカテゴリ別にお伝えしてきましたが、じゃあどんな感じで実際生活しているのかというと、海に入るか仕事をするかがほとんどです。 平日は引きこもって作業やオンラインミーティング、外に営業に出ることもあります。休みの日は大抵海に入ります。

スキューバダイビングもフリーダイビングも愛しています

ここまでなら本土にいるときと変わらない生活っぽいですが、恩納村に住んで一番良かったのは、潜って楽しい海が近いこと。 サンゴ礁や生物が豊かで、綺麗な砂地もあって、地形もおもしろくて、スキューバダイビングや遊びで素潜りをしても大変楽しい場所なんです。 仕事はリモート&フレックスなので、平日でも朝イチで海に入って昼前くらいから仕事をするとか、夕方くらいに仕事を終えて海に入って楽しむみたいなことがマジでできちゃう。夏場は特に日が長いのでいつまでも遊んでいられます。 ダイビングポイントも陸から近いので、ダイビングショップの朝便で午前中だけ潜るみたいなこともできます。

ある日の恩納村の海。仕事に行き詰まっても散歩するだけで癒される

今はフリーダイビングにハマっていて、とにかく毎日息を止めて、少しでも長く深く潜れるようにトレーニングをしています。 沖縄は全体的に遠浅なビーチが多いんですが、恩納村は陸からそう遠くないポイントで深さが取れるので、トレーニングするにもうってつけなんです。

恩納村のフリーダイビングショップ「トゥルーノース」にて

海況や天候を気にしながら、「今日は海行けそう!」と潜りに行く毎日は、東京では考えられませんでした。 「明日朝一本だけ、ウミウシの写真撮りたいからダイビングしたいな」と思ったらSNSでバディが見つかって実現できて、午後から仕事してる…みたいなこともありました。 海に潜ること、ダイビングをすることがライフスタイルになっているのを強く感じます。 海で遊ぶ時に、地元の方の生活やマナーをとても気にするようになったのも大きい変化かもしれません。 観光で訪れているときには実感しづらいかもしれませんが、外から来た人にとっては観光地でも、地元で生活している人たちがいます。車を停める場所は邪魔にならない場所なのか、泳いでいる場所は航路になっていないか、地元の人が大事にしている神聖な場所ではないのか…。 よく考えれば当たり前のことですが、別の地域に観光に行ったときにも意識しておくべきことだなと思いました。

恩納村側から注意喚起もしてくれている

沖縄(恩納村)の環境について

自然が近くなればなるほど、環境問題を実感することも増えてきました。 昔から環境問題に興味はありましたが、目の前のビーチがごみだらけだったり、水中でコンビニのビニール袋や釣り糸がサンゴに絡み付いていたり、ホテルのペットボトルが流れていたり…陸の生活が海に直結していることを目の当たりにします。

サンゴに絡みついていた網

2024年は台風が沖縄本島にほぼ来なかったため、海水温が下がらず、サンゴがどんどん白化して、最後には藻がついて死んでいく過程を日々眺めていました。 20年以上前から、地元の海人が行なってきた養殖のサンゴも弱っていきます。

白化しているサンゴ

サンゴ礁は生態系の基盤です。小さな生き物たちの住処であり、その生き物を餌にする大型生物も寄ってきます。 私たちの食生活、観光を支えてくれる日本国内のサンゴの経済効果は、2500億円にものぼると言われています。 その基盤が失われる危機感や目の前の美しく生きていたものが死んでいくこと、地元の方の想いで紡がれてきたものが失われていくこと…恩納村に住んでいなかったら、ここまでさまざまな角度で環境の変化や問題を感じられなかったかもしれません。 地元の方の話や、自然のサイクルから考えると、これからサンゴは回復していくとは思います。ただ、海水温がなかなか下がらないなど、環境も変化しているので、今までと同じように回復するかどうかはわかりません。 少しでも回復を妨げないように、環境への負荷の少ない生活をできたらと思います。 私が恩納村に来た理由の「Green Fins」もまさに負荷を減らすことが目的です。

Green Finsのポスターの一つ。サンゴや環境へ負荷を与えないために何をしたらいいのかがアイコンになっている

「沖縄なんて住むもんか」と思っていた私が結局5年も住んでしまった、その変化

冒頭で「沖縄へ特段良い印象を持っているわけでもない」と書かせていただきましたが、本当は「沖縄なんて住むもんか」くらいに、はじめは思ってました(笑)。 でも住んでみたら景色も天気も気候も良くて、那覇まで行けば程よく都会の感じもあって…。あんまり帰る理由がなくなっちゃったんですよね。

一番幸せを感じる夕暮れ時。大好きな屋嘉田潟原(やかたかたばる)にて

あまり良い印象がなかった一番大きな理由としては、「ダイビング旅行で良い思いをしなかった」ということ。 初めての沖縄ダイビングは某離島。予約したダイビングショップに行ったら「今日子どもの運動会だったから他のショップにお願いしといたよ!」と「いやそれ事前にわかるやん…」と思いながらもよくわからないまま他のショップでダイビングをさせられ、次に選んだダイビングショップではぎゅうぎゅうづめの船で長時間揺られ気持ち悪くなった上にガイドさんはなぜか終始機嫌が悪い。 何度目かでようやく自分に合うショップを見つけ楽しめるようになったものの、その頃にはもう「遠出するなら海外で潜った方がサービスも海も良いわ」と思っていたので、そこまで沖縄に対して気持ちは向いていませんでした。一番好きなダイビングポイントは伊豆ですし…。 なので、「渋々1年くらいなら行くか」だったんです。 ですが実際住んで色々と潜ってみると、綺麗で生物多様な海。地形や砂地、シーズンでも見られるものが違い、バリエーション豊富でとにかく陸から近い。 「あれ? なんか海外行かなくても海楽しいぞ?」と思い始める。 沖縄は裾礁という地形でサンゴ礁が陸から近いというのもあるかもしれない(これだけインフラが整っていて人が住んでいる地域では珍しい地形だそう)。 振り返ってみると、ダイビング旅行で嫌な思いしたのって海じゃなくて、人とのコミュニケーションがほとんどなんですよね。 沖縄に住んでみて分かったのが、死ぬほどダイビングショップが多い。何千もあるんですよ? そりゃ何も知らなかったビギナーの頃はハズレも引きますわと。 住んでみて現地のダイビングショップの人と関わると、小さい生き物に詳しいショップや写真に強いショップなど、ショップによって個性はさまざま。サービスもきちんとしているお店も多い。 何より、私のようにハズレを引いてしまうことも多い現状を問題視して、どうにかしようと思いを持って行動しているダイビングショップの人たちがたくさんいることに心を動かされました。 個人的には、沖縄だけでなく日本全国の海とダイビングガイドは素晴らしいと思っているので、もっと海外の方に伝えていきたいし、国内のダイバーにも、沖縄だけでなくて日本全国潜れることを知って、潜りに行っていただきたいと思っています。 ですが、日本で一番ダイビングショップが多いのは間違いなく沖縄です。 せっかく沖縄に来て、ダイビングのメディアで、ダイビングを軸にした観光発展、環境問題、地域課題の解決に関わる仕事をしているので、ここでできることをまずはやってみよう。 そう思えたことが4年もこの場所にいる理由の一つです。 とはいえコロナ禍も明けたので、海外にも日本全国にも潜りに行ってその魅力をもっともっと発信していきたいのも事実です。 そんな中、2024年に久しぶりの海外、メキシコのカンクンに行ってみたのですが、那覇空港から2回乗り換えで行けちゃいました。東京から行くのと変わりません。 なので、沖縄を拠点にすれば、普段から地元の海を楽しみつつ、国内外の海にもじゃんじゃんいけるはず。 ということで、しばらくはまだ沖縄から離れられそうにありません。

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