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福井県勝山市『ハニー新鮮館 かつやま』~恐竜の聖地のスーパーでご当地食も大量発掘!~

さんたつ

【旅の手帖】ハニー新鮮館 かつやま

日本の恐竜の聖地、『福井県立恐竜博物館』があることで知られる勝山市。そんな博物館帰りの客も立ち寄るという『ハニー新鮮館 かつやま』には、県民食以外に勝山のレアな商品もそろいます。越前がにの漁も解禁。山深い町が誇る、まだ掘り出されていない名品を見つけに行こう!

ハニー新鮮館 かつやま

今回のゴー!ゴー!

『ハニー新鮮館 かつやま』(福井県勝山市)

日本の恐竜化石の約8割が発見されている恐竜大国・福井県。福井市内中心部から高速道路を走ること30分、長いトンネルを抜けた先にある山々に囲まれた盆地が、日本最大の恐竜化石発掘現場のある勝山市です。

町の『福井県立恐竜博物館』はファンにとっては憧れの場所で、世界三大恐竜博物館の一つとか。実際の発掘現場に隣接する施設で、発掘体験ができるのも魅力です。

そんな博物館帰りの客も立ち寄るという、ご当地スーパーが『ハニー新鮮館 かつやま』。

勝山市を含む奥越をはじめ、福井・坂井地区を中心に『ハニー新鮮館』を10店舗運営するのは芦見屋グループ。福井県全域に40店舗以上展開するハニーグループの一員でもあるため、ここは県民食以外に、勝山のレアな名品もそろいます。

冬の味覚・越前がにの茹でたてを売り場に出す、井上祥悟(しょうご)店長。

特筆すべきは、自社製造のオリジナルの総菜や寿司。地元の食材を使うこと、地元の食文化として残る郷土の味を、できたての総菜や寿司に見ることができます。

また“恐竜の町” であることをアピールすることも忘れていません。顔よりも大きなチキンカツは、子どもが喜ぶ「恐竜の手形」をかたどったもの。福井特有のソースかつ用のソースがたっぷり染み込んでおり、恐竜博物館帰りに、ご飯にのせて食べてほしい楽しい商品です。

秋冬の味の主役は、なんといっても越前がに。11月初旬から3月下旬までがカニ漁の解禁時期のため、旬はいま。オスのカニには黄色いタグが付けられ、高値がつきますが、「せいこがに」と呼ばれるメスのカニは体が小さいため、お手頃価格。それに加えて地元では、むしろ身よりも卵を楽しむ食文化があるため、「せいこがに」のほうが人気なのです。

農家の多い地域のため、朝採れの新鮮野菜も並ぶ店内。奥越産の上庄里芋など隠れた名産品と出会えます。山深い町のご当地スーパーで、恐竜の化石のようにまだ掘り出されていない名品を見つけるのは、あなたです。

カニたっぷりの彩り豊かな自家製「かにちらし寿司」。
今週の一品 「かに身にぎり&かにサラダ巻きセット」。

福井と奥越、地元の定番品

福井の定番品だけでなく、勝山市周辺の奥越の味も福井を代表する味となっています。禅僧たちを支えたブランド力のある食がいまに伝わる永平寺関連品も多く、ポップな商品も。

福井のふっくらした油揚げを有名にした「谷口屋」の「おあげ」。お隣・大野の「吉田食品」は「あつあげ」と「中あげ」、厚さにこだわる地元感性に対応。
ご当地炭酸飲料・メロンソーダ「さわやかメロン」(「北陸ローヤルボトリング協業組合」)と、「セイカ食品」の揚げあられ「磯路」とおかき「浮雷餅(ふらいもち)」でおやつタイムを。
勝山の酒といえば「一本義(いっぽんぎ)久保本店」の「一本義」。辛口クラシック「一本義」(左)と秋冬の数量限定品「シボリタテ」新米新酒。
永平寺御用達、「ふじや食品」の「越前庵 懐石金胡麻どうふ」のシリーズは、デザート系の味のバリエーションもおもしろい。

オリジナルの味を見つけてみて

店の周辺は山間の地域。のどかな山の暮らしと恐竜の聖地という観光地の側面が、ほかのどこにもないオリジナルな商品を生み出している理由かもしれません。

丁稚(でっち)さんが奉公先から里帰りする際のお土産の羊羹(ようかん)に、水を加えて煮て増やし固めたという説のある、福井の冬の味覚「水羊かん」。各社そろうなか、新鮮館謹製の名水大野名物「丁稚羊かん」と、その商品を使った週末限定の「丁稚羊かんパフェ」(右下)がおすすめ。
全長30㎝! その名も「恐竜の手形・チキンカツ」。福井名物ソースカツの自社オリジナルソースがしみしみ。
『ハニー新鮮館』自家製の「焼き鯖寿司」。
隠れた名品、上庄里芋は地元では箱買いが当たり前。その芋を使った「里芋の煮っころがし」は総菜コーナーで買って味わえる。

「ホルモン」に注目!

独自の味噌味がおいしい、地元「星山ホルモン」の白ホルモン。食肉処理場があった大野発祥で、地域では当時、ダム建設の労働者たちが多く、安く・おいしく・手軽に食べられると定着。いまや福井のソウルフードに。

『ハニー新鮮館 かつやま』の詳細

ハニー新鮮館 かつやま
住所:福井県勝山市猪野毛屋13-13/営業時間:9:00~21:00/定休日:無/アクセス:えちぜん鉄道勝山永平寺線勝山駅から車7分

取材・文・撮影=菅原佳己
『旅の手帖』2024年2月号より

菅原佳己
スーパーマーケット研究家
執筆やテレビ出演、講演活動をこなしながら、全国のご当地スーパーを行脚。埋もれた日常食の発掘とその魅力を伝えている。著書に『47都道府県 日本全国地元食図鑑』(平凡社)など。

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