バスケットボール女子の富士通が皇后杯制覇 江良萌香(大分市出身)の活躍が光る 【大分県】
バスケットボール女子日本一をかけた皇后杯全日本バスケットボール選手権大会は、富士通レッドウェーブが65-55でアイシンウィングスを下し、17大会ぶり4度目の優勝を果たした。勝負を決めたのは、第4クオーター残り3分18秒、江良萌香の鮮やかな3点シュートだった。この一投で逆転に成功し、富士通はそのリードを守り抜いた。
優勝の立役者の一人となった江良は、大分市出身の26歳。滝尾中学校卒業後、愛媛県の聖カタリナ学園高校に進学した。高校時代からその得点力には定評があり、卒業後にWリーグのアイシンに加入した。2022年に富士通へ移籍し、翌年には早くもリーグ優勝を経験。今回の皇后杯での活躍は、移籍後の着実な成長を証明するものとなった。
今季の富士通は、リーグ戦連覇と皇后杯の2冠を目指している。選手層は厚く、江良は日本代表ポイントガードの町田瑠唯のバックアップとしてスタート。しかし、「プレーが安定している。得点が欲しいときに確実にシュートを決めてくれる」とBTテーブス監督から信頼を得て、試合ごとに出場機会を増やしてきた。
試合をコントロールする江良萌香
12月7、8の両日、中津市のダイハツアリーナであったWリーグ公式戦で、江良は地元ファンの前でプレーした。「大分でのプレーはWリーグに入って初めて。すごくドキドキしたけど、地元の方々の温かい声援が本当にうれしかった」と語った。コート上では、攻撃的なスタイルが光り、ポイントガードだけでなくシューティングガードやスモールフォワードでも起用されるなど、多彩なプレーで成長を見せた。
江良はベンチスタートの場面が多いながらも、試合の状況を的確に読み取り、「チームがいい流れのときはそのリズムを崩さず、悪いときは変化をもたらすプレーを心がけている」と冷静に試合を見つめる。その言葉通り、守備でも攻撃でも存在感を発揮。富士通の戦術である「高い守備強度からの速攻」を体現する選手へと成長している。テーブス監督も「自信を持ってプレーしてほしい。彼女の実力は本物だ」と太鼓判を押す。
富士通は現在リーグ戦で首位を独走。「相手ディフェンスを崩すドライブを増やし、チームの勝利に貢献したい」と江良。今季の目標の一つである皇后杯優勝を成し遂げ、次のタイトル獲得に向けて、さらなる飛躍を誓った。
地元開催の試合は笑顔で声援に応えた
(柚野真也)