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自閉症娘と医療機関の関係、幼稚園から18歳までを振り返る!転院と担当変更、合わない先生も

LITALICO発達ナビ

自閉症娘と医療機関の関係、幼稚園から18歳までを振り返る!転院と担当変更、合わない先生も

監修:鈴木直光

筑波こどものこころクリニック院長

お兄ちゃんについて療育センターへ

現在18歳になる娘には、幼い頃から発達障害の傾向が見られました。お兄ちゃんのタケル(6歳上)がASD(自閉スペクトラム症)と診断され、療育センターでお世話になっていたこともあり、自然と娘の発達にも目が向くようになりました。

娘が2歳の時、私自身が「もしかしてこの子も……」と感じ、タケルと同じ療育センターで相談を受けることにしました。3歳になる頃からは同じセンターで療育(作業療法)をスタート。

通い始めた当初は診察室でも落ち着かず、私の膝の上でぐりゃりぐにゃりと体をくねらせていたり、何を聞かれても返事をしなかったりすることもありました。でも、医師の先生は「それも特性の一つですね」とニコニコと受け止めてくださったので、とても救われた思いでした。

小学校の就学相談で「通常学級相当」となった時も、「良かったら一筆書きましょうか?」と提案してくれ、娘の障害についての説明と、配慮するポイントをまとめた書類をつくってくださいました。「(よく分からないけれど)お願いします」といただいたこの書類は、その後の就学や支援をお願いする際にとても役立ちました。

12歳までの約10年間、担当医の先生もスタッフさんもほとんど人事異動がなく、娘のことを深く理解してくださっていました。

お兄ちゃんの進学に伴い一家で引っ越し

中学卒業と同時に引っ越すことになり、医療機関も変更する必要が出てきました。療育センターに引き継ぎをお願いすることもできましたが、兄のタケルが転院していた病院が家から近かったのでダメ元で相談してみたところ、運よく空きがあるということで娘も診てもらえることになりました。

転院後は、まず精神障害者保健福祉⼿帳を取得するために発達検査を受け、その後は継続して睡眠や情緒の状態を中心に診てもらっています。先生は3年ごとに代わる仕組みですが、どの先生も話しやすく、今のところスムーズにお付き合いできていると思います。

中学生の頃は2ヶ月ごとの定期通院。高校生になってからは薬がなくなる頃に電話予約する形に。そのほかにも「何かあればいつでも連絡してください」と言われています。今のところ一回もイレギュラーな予約を入れたことはないのですが、「いつでも」と言っていただいたことが心の支えになっています。

絵を見に来てくれた先生も

そういえば、ある男性の先生から「この前絵を描くのが好きって言ってたけど、どんなの描いてるの?」と聞かれたので、娘が作品を発信しているSNSアカウントが書かれた名刺を渡したということがありました。

ちゃんと見に来てくれたらしく、次回行った時には、割と突っ込んだ感想を言ってくれて「上手くてびっくりしたよ」と褒めてくれました。診察室での会話は患者の観察の一環、娘は「本当に見に来てくれるとは思わなかった」と驚きながらもうれしそうでした。

男性の先生は娘にはちょっと怖く感じられるようで、この先生にもあまり積極的に喋ろうとする意志が見えなかった娘ですが、その出来事以来、自分から話すことができるようになりました。

医師の方にも、また保護者の方にもいろいろなスタンスがあると思いますので一概には言えませんが、このように一人の人間として関わってもらえることは私たちにはありがたかったです。

正直合わないなー!と感じる人もいる、にんげんだもの

長い医療機関との付き合いの中で、医療機関は「診断される場所」ではなく、「一緒に考えてくれるパートナー」だと感じるようになりました。関わり方は成長とともに変化しますが、その時々で丁寧に向き合ってくれる先生、スタッフの皆さんに巡りあうことができ、本当に感謝しています。

その中でも、ほんのわずか、ちょっと代替で来られたりした先生の中には「ちょっと合わないな」と感じた方もいらっしゃいました。「期限を切って目標を立てて登校できるように頑張ろう」と強く促されたり、娘の話を頻繁に切り上げ「つまりこういうことが言いたいんだね?」とまとめて話を進めたりと、そういうところがあると、私たちはちょっとストレスを感じてしまうタイプです。

でも、子どもの進学や就職などの人生のステージを意識して励ましてくれる先生が悪い先生とも思いません。大人との会話のやり方を教えてくれる先生も、あとで考えたらありがたい指導だったと思う日も来るでしょう。むしろ、そういう先生のほうが良いという保護者の方もいらっしゃると思います。

娘、息子共に何度かの転院と担当変更を経験しましたが、医師の先生も病院も想像していたより個性がありました。もし今通っている医療機関が合わないかもと感じたら、ほかの医療機関に目を向けてみてもいいんじゃないかなと思います。

執筆/寺島ヒロ

(監修:鈴木先生より)
カウンセリングの基本は「聴くこと」です。親御さんがいて患児が話しづらい場合は親子別々に診察することも珍しくありません。それでもドクターとの相性が悪い場合は転院するケースもあります。
私の診察室は「チャットルーム」と名づけています。診察はもちろんですが、患者さんや親御さんからの相談がほとんどだからです。まずは雑談から入り、アイスブレークすることを心がけています。ここに出てくる先生も無理に話しかけず、その場をスルーしてくれたり、好きな絵のことに話題を換えたり、雑談のようなもので気分を落ち着かせて娘さんと向き合っていく気持ちが良かったのだと思います。ペアレントトレーニングと同じように「傾聴と承認」が重要なのです。ほかの病院から数年後に戻ってくるケースも珍しくありません。去る者追わず来る者拒まずの精神で日々診療を行っております。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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