新国立劇場の海外招聘公演、ブルノ国立劇場『母』が開幕
2025年5月28日(水)、ブルノ国立劇場ドラマ・カンパニーによる『母』が新国立劇場 小劇場にて開幕した。
プラハに次ぐチェコ第二の都市、ブルノにあるブルノ国立劇場は、新国立劇場と同じ、オペラ、バレエ、演劇の3部門を擁した、チェコ共和国最大の劇場のひとつだ。今回は、劇場付きのスタッフ・キャストが所属する「ブルノ国立劇場ドラマ・カンパニー」が初来日し、2022年4月の初演以来、レパートリー作品として定期的に上演されているカレル・チャペックの名作『母』を、新国立劇場で上演する。
『母』は、1936~1939年に起こったスペイン内戦を受けて執筆された、戦争により夫と息子たちを次々と失くしていく母親の物語。シュチェパーン・パーツル氏による、現在の世界情勢をすくいとったかのような見事な演出により、約90年の時を経ても色あせず、「現代社会に生きる私たちの物語」として目の前に現れる。俳優たちのリアリティ溢れる演技で立ち上がった、胸に迫るメッセージに客席からは熱い拍手が贈られた。
ブルノ国立劇場ドラマ・カンパニーによる『母』は、新国立劇場 小劇場にて6月1日(日)まで上演。