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犬がみせる『運動不足』サイン5選 活動量が少ない犬が抱えるリスクまで

わんちゃんホンポ

犬がみせる「運動不足」サイン5選

1.問題行動の増加

運動不足の犬は、有り余るエネルギーを発散できず、その欲求不満が問題行動として現れることがあります。具体的には、家具を噛んだり、壁を引っ掻いたりする破壊行動が増えたり、要求が通らないことへの不満やストレスから無駄吠えが頻繁になったりします。

また、室内で落ち着きなく走り回ったり、人に飛びついたりするなど、過剰な興奮状態が続くことも。これは、体力を十分に消費できていないため、家の中でエネルギーを発散しようとしているサインです。

トイレの失敗やマーキングの増加なども、運動不足によるストレスや不安からくる行動変化である可能性があるでしょう。

2.肥満

運動不足が最も顕著に表れるサインのひとつが肥満です。消費カロリーが摂取カロリーを下回る状態が続くと、当然ながら体重が増加します。犬の肋骨が触りにくくなったり、お腹周りがたるんだりしている場合は、肥満のサインかもしれません。

肥満になると、散歩中にすぐに息切れしたり、少しの運動で疲れやすくなったりするなど、動作が鈍くなります。見た目の変化だけでなく、体が重くなることで関節に負担がかかり、将来的な健康問題に繋がるリスクも高まるので注意が必要です。

肥満は、糖尿病や心臓病、関節炎などの重篤な病気の引き金となるため、早期の対策をとるようにしましょう。

3.筋力、体力の低下

十分な運動をしていない犬は、全身の筋力や体力が低下します。散歩に出かけるのを嫌がったり、すぐに立ち止まって座り込んだりするようになるのはそのサインです。

階段の上り下りを避けるようになったり、ジャンプ力が衰えたりするなど、以前は軽々とできていた動作ができなくなることも。全体的に活力がなく、寝ている時間が極端に増える、遊びに誘っても無反応であるといった様子も見られるようになります。

これは、筋肉が衰え、体を動かすことが億劫になっている状態であり、日常生活の質が低下している証拠とも言えるでしょう。

4.ストレス、精神的な不安定さ

運動不足は、犬の精神面にも悪影響を及ぼします。エネルギーを発散できないことで、ストレスや欲求不満が蓄積し、精神的に不安定になることがあります。

無気力になり、まるで鬱状態のように見えるほど活動性が低下したり、逆に些細なことで攻撃的になったり、神経質になって唸ったりする行動が見られることもあるようです。また、ストレスから体を舐め続けるなどの自傷行為に及ぶこともあります。

これは、心と体のバランスが崩れているサインであり、精神的な健康を保つためにも適切な運動が必要となります。

5.体のこり、関節の不調

運動不足により体を動かす機会が減ると、犬の筋肉は硬くこり固まり、柔軟性が失われます。その結果、関節への負担が増加し、関節の不調を引き起こすリスクが高まるでしょう。

散歩の後で足を引きずる、体を痛がる仕草をする、体を触られるのを嫌がるなどの様子が見られたら注意が必要です。

特に、ジャンプや急な方向転換が苦手になったり、以前と比べて明らかに動きがぎこちなくなったりする場合も、運動不足による体のこりや関節の機能低下が考えられます。定期的な運動で筋肉を維持し、関節の柔軟性を保つことが重要です。

「運動不足」の犬が抱えるリスク

身体的なリスク

運動不足の犬は、様々な身体的なリスクを抱えてしまうことを覚えておきましょう。最も顕著なのは肥満であり、そこから糖尿病、関節炎、心臓病、呼吸器疾患など、多くの深刻な病気を誘発する可能性が高まります。

筋肉の衰えは関節に過度な負担をかけ、椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼といった整形外科的な問題を引き起こすリスクを高めます。

また、心肺機能が低下することで、疲れやすくなり、病気への抵抗力も弱まるため、全体的な免疫力の低下にも繋がります。適切な運動は、これらの病気を予防し、愛犬の健康寿命を延ばすために大切なことです。

精神的なリスク

身体的な問題だけでなく、運動不足は犬の精神的な健康にも深刻なリスクをもたらします。エネルギーが発散されないことで、ストレスや欲求不満が蓄積し、問題行動の悪化に繋がることもあるでしょう。

例えば、分離不安の症状が悪化したり、常同行動(尻尾を追いかける、同じ場所をぐるぐる回るなど)が見られるようになったりすることがあります。

また、脳への刺激が少ないと学習能力や意欲が低下し、新しいことを覚えにくくなったり、遊びへの興味を失ったりすることも。他の犬や人との交流機会が減ることで、社交性が低下し、攻撃的になったり、過度に臆病になったりすることもあります。

愛犬に必要な活動量を知ろう

愛犬に必要な運動量は、犬種、年齢、健康状態によって大きく異なります。

例えば、レトリーバー種やボーダーコリーのような活動的な犬種は、毎日長時間(1時間以上)の散歩や運動を必要としますが、パグやフレンチブルドッグのような短頭種は、暑い時期には短時間の散歩で十分なこともあります。

子犬は骨の成長に配慮し、短時間の遊びを複数回、シニア犬は関節に負担をかけない穏やかな運動を心がけるべきです。

現在の健康状態や持病なども考慮し、かかりつけの獣医師に相談して、愛犬に最適な運動量と運動内容のアドバイスをもらうことが、健康維持の第一歩となるでしょう。

まとめ

犬の運動不足は、問題行動や肥満、精神的な不安定さなど、心身に様々な悪影響を及ぼします。

愛犬のサインを見逃さず、犬種や年齢に合わせた適切な活動量を確保することが、健康で幸せな生活を送るための鍵となることを忘れないようにしましょうね。


(獣医師監修:寺脇寛子)

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