無事故願う 人形劇で35年 交安協女性部会の啓発活動
八王子交通安全協会女性部会(河田裕子部会長、会員数約250人)が幼稚園や保育園、地域の老人会などからの依頼を受けて実施している出前型交通安全教室で披露される指人形劇。可愛らしい天狗や子ども、高齢者などの人形が横断歩道の渡り方や夜間の反射材の有用性などをわかりやすく、コミカルに伝えている。無事故を願い1991年からスタートし、会員に受け継がれてきた指人形劇が今年で35年目を迎える。
悲惨な事故防ぎたい
女性部会は、前身の婦人部が1963年に発足。「お母さんあなたが子供の手本です」をスローガンに全国交通安全運動や市内で行われるイベントでの交通安全啓発活動、高齢者宅への家庭訪問などを通じて、八王子から悲惨な交通事故が1件でもなくなるよう、60年にわたり活動を続けてきた。
指人形劇も交通安全啓発活動の一環として生まれたもの。老人会や保育所などに招かれ、コロナ前には年間30回近く公演していた年もあった。
使用している人形は会員が手作りしたものを代々受け継ぎ、修理や新しい衣装に着せ替えたりしながら大切に使い続けている。背景の絵も過去に美大生に描いてもらったものに手を加え、イルミネーションを使って夜景を表現するなどの工夫を凝らしている。本物同様に点灯する信号機などの舞台装置は会員の夫らによる力作だ。
台本は交通安全に関するその時々の注意点を盛り込み会員が作成。公演前にメンバーで集まり集中的に練習して、本番に備えるという。
仲間増やし継続を
2月10日に中野団地第4集会所で開かれた出前型交通安全教室には地域から約30人が参加。女性部会による指人形劇や交通安全の歌の合唱、八王子警察署による交通安全講話などが行われた。参加した80代の女性は「交通ルールの変更点を知るきっかけになり、人形もよくできていて楽しかった」と感想を話した。
河田代表は「地域に根付いた活動として今後も続けていきたい。一方で会員が高齢化しているので、一緒に活動してくれる人を増やせれば」と参加を呼びかける。