生成AIまだこれから? 8割強ほとんど使わず、三重県で三十三総研調査
あっという間に文章を書いてしまうなど、その能力に驚かされる生成AIの使用状況はどうなのか。三十三フィナンシャルグループのシンクタンク、株式会社三十三総研(東海悟代表取締役社長)が、三重県在住の男女計500人にインターネット調査をした。8割強の人が「一度も使ったことがない」「めったに使用しない」などと回答しており、否定的なイメージを持つ人も多いようで、正しい利用方法の普及などが使用を増やすためには重要だとしている。
〇20代と30代以上で使用に大きな差
調査は2月7日~同9日、三重県在住の20代~60代の各年代の男女各50人ずつの計500人から回答を得た。「生成AIを使用しているか」の質問で、「一度も使用したことがない」が70.4%で、「めったに使用しない」の15.4%と合わせ、8割強が使っていない実情が分かった。「よく使用している」2.6%、「まあまあ使用している」5.4%などと比べ、圧倒的な差があった。
ただ、年齢別だと、30代以上はすべての年代で7割以上が「一度も使用したことがない」と回答しているのに対し、20代だと5割ほどにとどまっており、30代以上の世代に比べて大きな差が表れていた。
〇便利さを認めるも同時に警戒感
生成AIに持つイメージについての質問(複数回答)では、「新しいアイデアの創出に役立つ」が32.4%、「家事や仕事の効率を高める」が27.4%と、肯定的な回答が上位に来た。しかし、3番目以降は「フェイクニュースなどの誤った情報を拡散させる」の26.2%、「サイバー犯罪やハッキングを増やす」の23.4%、「人の仕事を奪う」の22.6%、といった否定的な回答が続き、警戒感がある状況が見える。
男女別だと、男性は「新しいアイデアの創出に役立つ」が37.2%で最も多かったが、女性は「フェイクニュースなどの誤った情報を拡散させる」が29.6%と高くなった。年代によっても違いがあり、20代では「新しいアイデアの創出に役立つ」「家事や仕事の効率を高める」といった肯定的な回答の割合が高かった一方で、60代では「フェイクニュースなどの誤った情報を拡散させる」「サイバー犯罪やハッキングを増やす」の否定的な回答が高かった。
調査した三十三総研は、生成AIが三重県でもっと使用されるようになるためには、使用方法の普及や否定的なイメージの払拭がカギになるとまとめている。
〇経営者アンケートの結果もまとめる
三十三総研は、第58回経営者アンケートの調査結果(2月下旬~3月中旬に調査)も発表した。景況感を表す景気DI値は12半期連続のマイナスになったものの、マイナス幅が縮小(▲16.7→▲14.8)となったことで3半期ぶりに改善したとした。来期(2025年4月~2025年9月)についてもDI値はマイナス幅を縮小し、経営者の景況感は改善する見通しだという。ただ、その後、米国のトランプ大統領の関税措置などの動きによって、これらの数値にも影響が及ぶのではないかとの不透明感もある。
三十三総研の調査結果はホームページで詳しく見ることができる。