今週のヘラブナ推薦釣り場2023【千葉・黒部川】
例年12月の声を聞くと良型美ベラが口を使い始める釣り場がある。千葉県東庄町付近を流れる黒部川がそれだ。等間隔で打たれた波よけの杭、さらに強制的に水をかき回す水車によって、この付近に魚が溜まりはじめるのがこのころ。過去には尺半オーバーも出ていたが、近年は40cm超止まりが多い。しかし、夢よもう一度と寒さに身をこらえながらも、この時期になると足しげく通う常連たちに交じって、竿を出してみよう。
黒部川の概況
黒部川と聞くと富山県を流れる川を想像しがちだが、千葉県にも同名の川があるのは面白い。
源流域は千葉県旭市周辺で、小堀川や桁沼川などの支流を合わせ、最終的に黒部川水門を経て利根川に注ぐ。今回紹介するのは潮止め水門の上流域になるが、それでも潮の干満で水位が変動する。それでも上げ潮時に水が逆流するほどではない。
近況はマブナが主流でそこに本命が交じる程度だが、さらに水温が低下しマブナやジャミの活性が落ちるとヘラ率が上がる。その率が上がり始めるのが例年12月に入ってからで、とくに12月中旬~下旬は数・型ともに期待大の好シーズンとなる。
ポイント
桁沼川の吐き出しから約800m下流へ進むと、護岸から2mほどの沖側に木製の波よけ杭が現れ、これが菰敷橋まで続く。ポイントはこの周辺で、とくに4つある赤い屋根の水車周辺は水が動くので人気がある。水深は深い所(水車周辺がとくに深い)で3~4本で、水車から離れると2本半前後。
杭の手前は水深が極端に浅く、杭の先からドンと深くなる。そのため杭の近くを狙うのもありなので、あえて短竿を使う人も少なくない。しかしそれは好調時の話で、普通は竿13~18尺で沖を狙うのが定番だ。
竿を出せるのは杭と杭の間から。しかもうまい具合に1人専用くらいの幅しかない。そのため並んだとしても両隣とは距離が開くので、ビン沼のような釣り堀感覚で人が並ぶことはない。
ただし杭と水車があるのは南岸なので、北西の季節風が吹くと風をまともに受けやすい。風と波が立ち荒れ気味になることも珍しくないが、荒れれば荒れるほど大型が出やすいこともあり、常連のなかには好天よりむしろ荒天を選んで釣行する人もいるくらいだ。
釣り方とエサ
流れ川なので主流はドボン釣り。できればギリギリ流れを止められる軽いオモリで始めたい。スタートの目安は0.3~0.5号。そこから流れの強さに応じて重くしたり軽くしたいので、そうなると必然的にオモリ交換が楽な外通しが主流となるだろう。常連の多くも外通しを使っている。
竿は杭のすぐ先を打つなら10尺前後で、それ以外は13~18尺を使う人が多い。以前は杭の先を打っていい釣りができたものだが、近年はあまり効果がなく普通に沖打ちしたほうがアタリをもらいやすい。
エサは両グルテンが定番。理由はジャミ(マブナなどを含む)が多いからだが、べつに両グルでもこれらの魚はハリ掛かりしてくる。ならば寄せ効果が高まるバラケを併用したほうがいいのではと思われても当然だろう。なので、そこは個人の判断に委ねたい。
なお臭いエサを打ったからといってコイがハリ掛かりしやすいといった現象はあまり聞かない。むしろエサに関係なく、朝の打ち始めはレンギョが多いので注意したい。とくに落ち込みで反応しやすいのが特徴。落ち込みのチクッアタリが連発しだしたら、注意してほしい。
アベレージサイズが尺1寸~尺2寸なので、ハリは角マルチを例にするなら6号前後で十分。しかし、まれに大型がヒットすることを考えると、さらに丈夫なギガリフトを使うほうが安心。多少大きいかなと思えるハリでも、ここの魚ならたとえアベレージ以下でも食ってくるだろう。
<週刊へらニュース棚網久/TSURINEWS編>
この記事は『週刊へらニュース』2023年12月1日号に掲載された記事を再編集したものになります。