串カツ田中の新業態のとんかつ専門店『厚とん』のメニューを見た私の反応「ちょっと高すぎない?」
串揚げチェーン「串カツ田中」は2025年3月28日、新業態のお店を東京・五反田にオープンした。そのお店はとんかつ専門店「厚切りとんかつ 厚とん」である。実際にお店に行ってみたところ、メニューを見た正直な感想は、「ちょっと高すぎない?」である。
・高くないかな
串カツ田中は、串揚げメインの居酒屋チェーンである。2008年に東京・世田谷に1号店をオープンしているが、大阪の伝統の味を引き継いでいるのだとか。安く飲める田中が新業態のお店をオープンすると聞いて、同じような安くて美味しいとんかつ専門店を想像してしまった。
ところがメニューを見て、一瞬ビクっとなってしまったのだ。
提供メニューがすべてブランド豚であることにまず驚いたが、それよりも単価である。もっとも安いメニューが税込2530円。
最近は原材料費も燃料費もなんでもかんでも、価格高騰の要因はいくらでもある。1000円でランチを食べるのが難しくなってる時代だ。それはわかるが、「2530円~」という値段設定は、田中のイメージからは少し遠い気がする。
「~2530円」ならわかるけど、それより下の選択肢がないのは、高くないかい? 高級路線で行きたいということだろうか。とりあえず食べて、その実力をうかがってみるとするか。
・ブランド豚とはいえ
頼んだのは、下から2番目に安い「上ロースカツ定食」(税込2750円)である。注文したら、まずは大根おろしが出てきた。これはおかわり自由。とんかつは揚げ立てを提供するために10分程度かかるので、その間の先付けというわけだ。
続いて、羽釜炊きのご飯と豚汁、それから漬物登場。ご飯と漬物、それからとんかつの付け合わせのキャベツはおかわり自由だが、豚汁はおかわりできない。価格を考えると、豚汁のおかわりもOKにして頂きたいところ。
続いてメインのとんかつが運ばれてきて、膳は揃った。
とんかつそのものは「厚切り」と掲げているだけあって、肉厚であることはわかる。だが、それ以上の驚きとか感動はない。至って普通だ。
断面を見ると、衣はかなり薄い。肉の食感を強調したい意図がうかがえる。で、実際に食べてみると、庄内豚の持つ脂の上品な甘さが際立つ。これはソースだと肉の味の邪魔になりそうなので、塩で食べるのが1番良さそうだ。
卓上に「秘伝にんにくダレ」というのがあったので、興味で使ってみたが、やっぱり塩の方が味が引き立っている。使うとしたら、少量をアクセントとして軽くつけるのが良さそう。
食べ終えてみても、正直「高いな……」という印象が残った。ここだけでなく、従来のお店も価格を上げてはいるけど、とんかつ定食で3000円ともなると、銀座ならわからんでもないが、五反田でこの値段は強気なのでは……。
ライバルにあたる「とんかつ和幸」や「さぼてん」でも、2000円も出せばかなり豪勢な食事ができる。しかしここでは2000円では足りないのだ。そう考えてもやっぱり高いかなあ。繰り返し食べられるような値段でないことも気になった。はたして、このまま高級価格を維持していくのか? 今後が気になるところだ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 厚切りとんかつ 厚とん
住所 東京都品川区東五反田3-16-44
時間 11:00~22:00
定休日 不定休
参考リンク:串カツ田中、とんかつ和幸、さぼてん
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24