金目の民権家 生涯を一冊に 「功績残そう」子孫ら制作
明治期の金目村に生まれた自由民権家で、米国日本人娼家排斥運動を主導した猪俣弥八(1868〜1902年)の功績を残そうと活動する猪俣弥八研究会がこのほど、これまでに発見された資料や論文をまとめた冊子「金目からオレゴンへ〜世界へと羽ばたいた民権派青年猪俣弥八とその生涯」を発行した。冊子は無料で配布している。
同研究会は弥八の親族にあたる猪俣立子さんと夫の俊雄さん、地元の民権家たちの研究をしている岩崎稔さん、金目の歴史を保存する金目エコミュージアムの窪田一夫さんの4人で活動している。今回の冊子では立子さんが所有する弥八の遺品や、友人から送られた追悼文などから、その生涯を浮かび上がらせた。
立子さんは「弥八の生涯が一冊にまとまり、アメリカの研究者の目にも止まるなど思いがけない喜びがあった。ぜひ手に取って欲しい」と話す。
弥八は現地外交官の伴新三郎らと共に在米邦人の生活支援に力を注いだほか、日本人娼家排斥運動を展開。現地誌に取り上げられるほどの存在だったが、35歳で強盗に銃殺された。
冊子は市内図書館、公民館にも配架。配布希望者は同会の岩崎さん【電話】0463・33・8769。