5万人の反対署名の過去を持つバットマン役マイケル・キートン「ティム・バートンがいなければ、マーベルもDCユニバースも存在しなかった」
『バットマン』(1989)と続編映画『バットマン リターンズ』(1992)はバートンが構築したダークな世界観により、それ以前に製作されたスーパーヒーロー映画と一線を画すスタイルが高く評価されているシリーズだ。米のインタビューに応じ、『ビートルジュース ビートルジュース』でバートンと再タッグを組んだキートンは、『バットマン』シリーズで監督が遺した功績に言及している。
「ティムは大きな称賛に値します。彼は全てを変えました。断言は出来ませんが、ティム・バートンがいなかったら、マーベルとDCユニバースは存在していなかった可能性が高いのではないでしょうか。(それなのに)彼は疑問視され、問い詰められました」と発言。スーパーヒーロー映画界に革新をもたらしたバートンが過小評価されていることについて、納得がいかない様子だ。
さらにキートンは、コメディ俳優として知られていた自分を、バットマン役に抜擢したバートンの勇気ある決断も称えている。キートンがバットマン役に決定した当時、ソーシャルメディアが普及する前の時代に、5万人のコミックファンがワーナー・ブラザースにキャスティングに抗議する手紙を送っていたというのだ。
キートンは、『バットマン』の出演前に『ビートルジュース』(1988)でバートンとタッグ済みだったが、『偽りのヘブン』(1988)で薬物依存を克服する役を演じた自身の演技を見て、監督はバットマン役に自分を起用したのではないかと語っている。「僕は功績を認められたけど、その行動を起こしたことで、彼が十分に評価されたかどうかは分かりません。僕の起用は大胆な行動でした」とも付け加えた。
当時、ファンからバッシングを受けながらも、今や監督の『ダークナイト』シリーズに主演したクリスチャン・ベールと並び、「過去最高のバットマンの一人」と称されるようになったキートン。満を持して『ザ・フラッシュ』(2023)にバットマン役でカムバックしたが、ワーナー・ブラザースにおける事業統合や新ユニバースのローンチなど諸々の事情が重なり、バットマン役を再演して撮影が終了していた『バットガール(原題)』がお蔵入りとなった。
そのショッキングな結果に失望したかどうか質問されたキートンは、「いいえ、どちらでも構いませんでした」「大作で、楽しく、ギャラも良かったですから」とアッサリとしていたが、それが本心なのかどうかは本人しか知る由はないだろう。
バートン&キートンのコンビが復活した映画『ビートルジュース ビートルジュース』は、2024年9月27日に日本公開。
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