手放しで歓迎してもいいのか?中国の要人の来日をアメリカはどう見る?
1月8 日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、日中関係の安定を政府が2025年の外交課題に据えているというニュースについて意見を交わした。
政府は日中関係の安定を2025年の外交課題に据える。2月に中国の王毅共産党政治局員兼外相を日本に招待する予定で、春以降の日中韓首脳会談の開催も見込んでいる。ハイレベル往来で協議実績を積み重ね、関係改善の象徴として延期したままの習近平国家主席の来日時機を探っているという。
24年には岩屋毅外相、秋葉剛男国家安全保障局長が相次ぎ北京を訪れた。次は中国側の要人が日本に来る段階に移行している。
寺島尚正アナ「王毅外相の来日が実現すると、2020年11月以来となるんですが、『これ手放しで喜んでいいのかどうか?』っていうところなんですねえ?」
森永康平「そうですね。結局、『アメリカそして中国との付き合い方をどうするの?』っていう話があって、アメリカ側でいいますと、トランプさんに会えないみたいな話が今もなお続いていて、中国とはこうやって会いましょうっていう話を着々と進めている。一方でアメリカとは同盟国といっているわりには、そこの間での企業買収は『安全保障上問題がある』といわれてしまって、『どういう関係づくりをしていくんですか?』っていうところが問われているんじゃないかなと。トランプさんに会ってませんとか、日本がUSスチールの買収を阻止する命令が下ったとか、今回の中国との動きとか、その表面的な出来事だけを並べてみると、完全に中国との関係を強化していくようにしか見えない。それは別に事実として、イベントだけを並べたら誰が見てもそう思うわけであって、それはアメリカ側からもそう見えるじゃないですか。そのあたり、どういうつもりでやってるのかなあっていうところは気になりますけど」
寺島「中国側からしてみると、日本とアメリカの間に楔(くさび)を打ち込みたいという思いもあるでしょうしねえ?」
森永「そうですねえ。まあ、変に仲が悪くなる必要も無いんですね、日米間で。そこは何となくうまくいってない、嚙み合ってないな~ぐらいになってくれている中で、何となく日本は中国からすると使いやすい『駒』みたいな形の関係性を築けるのが多分ベストな距離感だと考えると、どうも今は理想に近付きつつあるのかな~という感じですよね」
寺島「となると、日本は自分の立ち位置をしっかり考えておかなきゃダメですねえ」
森永「別に中国と仲悪くなりなさいとかそういう話をしているんじゃなくて、外交としてどういう軸でやっているのか、あんまり見えないなって思います」