多摩消防団員 初の総合優勝に輝く 救急法の競技会で
多摩消防団(井口保団長)に所属する団員4人が1月25日、海老名市で行われた第27回「赤十字救急法競技会」に出場し、初の総合優勝を果たした。リーダーを務めた高橋真理さんは「自信を持って、今後も身につけた技術を多くの人に伝えたい」と思いを話した。
競技会は、事故や災害時に自分の身を守る「自助」と、助け合いながら活動する「共助」の知識や技術を深める機会として、日本赤十字社神奈川県支部が毎年主催している。今回は、学校や企業、消防団など、県内から43チームが参加した。
年齢や性別を問わない4人1組でチームを編成。三角巾を八つ折りにし、腰に結んで解く動作を4人で順番に行う「本結びリレー競技」、傷病者に対し、三角巾を使った手当を行う「三角巾リレー競技」、複数の傷病者を想定し、チームで救護活動を担う「総合実技競技」の3種目の合計ポイントで競い合う。
同団からは今回、2度目の出場となる高橋さんと森川道代さん、三好智恵さんと、初参加の増野菜々子さんの女性4人が競技会に臨んだ。昨年11月頃から多摩消防署などで練習を重ね、総合実技に向けては、心肺蘇生やAED(自動体外式除細動器)の使用方法などの正しい手当の流れを習得してきた。「緊張はしたものの、4人で声をかけあい、練習の成果を発揮できた」と高橋さん。チームは3種目の合計でトップに立ち、初優勝を果たした。高橋さんはこの結果に、「すごく驚いたが、練習の成果が形になり、うれしい。多くの人たちの協力があったからこそ。支えに感謝したい」と笑顔を見せた。
「正しい手当」普及へ
女性団員は、災害現場に直接行くことはないというが、地域に向け、防災意識向上を目的とした講座や、訓練の場などでさまざまな啓発活動を行っている。高橋さんは「大会で優勝することがゴールではない。目の前に手当が必要な人がいる場合、正しい手当を自信を持ってできることが大切。今後も技術を身につけることはもちろん、市民の方々にも広げていきたい」と話した。同団の井口団長は「技術をさまざまな場で、伝えていってほしい」と述べた。