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<義母、距離つめすぎてムリ>同居の鉄則は……「妻はオレが守る!」【まんが:テツヤの気持ち】

ママスタセレクト

写真:ママスタセレクト

俺は妻のヒトミと結婚して1年目の新婚だ。俺の実家で同居をしている。ヒトミとは、結婚が決まった当初から同居の話はしていた。俺の住んでいる地域では、子どもが親と同居をすること自体が珍しくない。さらに父親がやっている会社を俺が後々継ぐ予定だ。そのためにも、同居をしていろいろ密に関係性を保つ必要もあるだろう。ヒトミも了承してくれたし、両親も大喜びで同居がスタートしたのだが……?

会社にいるとき、妻のヒトミから連絡が入った。その内容に驚いた俺はすぐ電話をかけたが出ない。帰社時間になり、ひとまず家に帰ろうと思って家路を急いだ。

もともと長男が親と同居をするのが珍しくない地域で、実家の父は会社を経営している。俺は現在、別の会社で働いているが父の会社を継ぐ予定でいるため、のちのちのことを考えて一緒に住んだ方が何かとコミュニケーションも取りやすいだろうと同居をすることに決めた。

ヒトミはとても穏やかな性格だ。同居のこと話したときも「今まで人間関係でトラブるとかほとんどなかったから、きっと大丈夫。ご両親も良い人たちだし」と快く受け入れてくれた。

両親は、俺たちの同居をとても喜んでくれた。実家もリフォームしてくれたし、もちろん費用も全額負担してくれた。

実は、同居を始めてからというもの、母さんとヒトミが揉めることは結構あった。その度に、二人の間に俺がはいって、事態をおさめてきたんだ。この家で、立場が弱くなってしまうのはどうしても、嫁であるヒトミなのだからと、俺は彼女の味方をすることにしていた。そんな俺の気持ちを知っているからか「テツヤがいつも私を庇ってくれるからうれしいよ」と、ヒトミも満足してくれていると思っていたのに。慌てて帰宅すると、母さんが……。

いまどき同居なんて……と思う人もいるだろう。このあたりでは、結婚しても同居が当たり前の土地。そんな地域にずっと暮らしていると、そこに疑問は持たないものなんだ。ヒトミも快諾してくれているし、両親も喜んでいる。もちろん俺は所帯を持ったんだから、実家よりもヒトミの気持ちに寄り添っていくつもりだったし、そうしてきた。ヒトミと母さんのあいだに不穏な空気を感じても、全面的にヒトミを庇っていたから、夫婦間では何の問題もない。 それなのに、ヒトミは母さんに暴力を振るって出て行ってしまった。そんなことをするタイプじゃないはずなのに……。 俺はヒトミのところに行って、今後についてしっかり話し合わないといけないと思ったんだ。

【私の気持ち】「勝手に触らないでッ!」近すぎる義母の距離にモヤモヤ

私(ヒトミ)は、この度テツヤと結婚しました。テツヤは優しい人。大好きな彼と一緒になれて、とても幸せでした。もともと私はあまり物事に腹を立てることはなく、これまで大した揉め事はありませんでした。テツヤから同居の話を持ち掛けられたときも、特段気にすることはなかったのです。義両親はとても良い人たちだし、何かあってもテツヤがあいだに入ってくれる。揉め事があっても「そういう人もいるんだな」と割り切ればいいんだ。そう思っていたのです。しかしそれが大きな間違いであったことに、私はあとから気が付くのでした……。

テツヤとの結婚が決まって同居の話を持ち掛けられたとき、私にはそこまでの嫌悪感はありませんでした。

テツヤの実家が長男夫婦が同居をするのが珍しくない地域であったことや、将来テツヤが義父の会社を継ぐことを聞いていたからです。家族経営の仕事になるため、義実家とは密にコミュニケーションを取っていた方がいいことも理解していました。 同居するにあたって気になっていた「家事分担」「在宅勤務の継続」についてもテツヤが理解してくれたこともあったので私も義両親と暮らすことに了承したのです。それに「俺はどんなときもヒトミの味方」と、彼が約束してくれたことも嬉しかったのです。

自分が当番のときの義母は張り切って食事を作ってくれましたし、テツヤもしっかり家事を手伝ってくれます。義母は「イマドキの人は、男性も家事をするのが当たり前で羨ましいわ~。ウチのお父さんなんか、洗濯機の使い方すら知っているか謎だもの。ヒトミさんの教育の賜物ね!」なんて言っていたこともありました。共働きでお互いに協力し合っている私とテツヤのことを義母は、温かく受け入れてくれていました。こうやってお互いにうまくやっていければ……そんな風に思っていたのです。

もしタイムマシンがあるのであれば、過去の私に言いたいです。「同居を甘くみるな」と。

ある日……。

ハッキリ言って、私は同居を舐めていたと思います。いままで他人と揉めたことがないだとか、義両親が良い人だからとか、テツヤが義父の会社を継ぐからとか……。いろいろな条件と、自分の気持ちを照らし合わせたとき「反対する理由がない」そう思ったのです。現に義両親はとても良い人たちだったし、同居の滑り出しはうまくいっていました。このまま適度な距離感で暮らしていけるのかな……そう思っていたのに……。 義母が私のカバンの中身を勝手にチェックしたところから、私と義母の距離感が変な方向に行ってしまったのです。だからこそグイグイ距離をつめてくる義母に対して、私は毅然と接することにしたのでした。

笑顔でピシャ「私は私のやり方で!」加速する嫁姑バトル

私が夕食の支度をしていると義母がやってきました。先日、私が美味しいと絶賛した料理の作り方を教えてくれるというのです。

義母がたいへん丁寧に作り方を教えてくれた煮物はとても美味しかったです。

でも結果、私はその日の夜、仕事に戻ることはできませんでした。手間暇かけて作った料理はもちろん美味しいかもしれません。しかし、私は在宅勤務ではありますが、フルタイムで仕事をしています。そのため、料理にそこまで時間をかけていられないのが現状です。こんなことが続いてしまっては、仕事にならないため、私はある策を思いつきました。

朝から根を詰めて仕事していたので、気分転換に少し外に散歩にいくことにしました。昼休憩もとらずに働いていたので、ついでにコンビニにでも行って、甘いモノでも買ってこよう。そう思って、出かけようとすると玄関まで義母がやってきました。ヒマだとでも思われたのでしょうか? 私に畑仕事を手伝うように言うのです。まだ仕事も終わっていないので、誘いを断ると、義母は明らかに不満そうな顔をしているのがわかりました。

その日の夕方、夕飯の準備をしようとすると……。

義母が私との距離をつめてきているのは、なんとなく分かっていました。だからこそ、一度しっかりと線引きをしておいた方が良いと考えたのです。 義母には義母のやり方があるように、私には私の生活があり、それに基づいたやり方があります。教えてくれようとする気持ちはありがたかったけれど、そこで無理をして義母にいい顔をし続ける方が、これから先のことを考えてもあまり良くないと思ったのです。 しかし義母は良くは思っていないようでした。この義母と私の考え方の違いが、後々大きな亀裂を生むことになってしまうとは、このときはまだ想像もしていませんでした。

「都合のいい仕事ね」コワッ!義母のボソッと嫌味が炸裂

今日の食事当番は私。先日購入した電気調理器でつくったカレーです。義母はあまりいい気がしないらしく、不服そうにしていました。

また別の日、仕事中に私が甘いものが食べたくなり、1階の台所にある冷蔵庫からおやつを出そうとしていると義母に声をかけられました。私がヒマしていると思ったのでしょう、畑の用事を頼んできたのですが、仕事中だからと断りました。すると、2階に上がろうとする私に向かってあからさまな嫌味をぽつりと返されました。一瞬聞き間違いかとも思って、私は慌てて振り返りましたが、義母はすでにどこかに行ってしまっていました。

「最初に約束したよね? 畑仕事は手伝わせるつもりないって。もう二度と変なことをヒトミに言わないでくれよ?」義母に嫌味を言われたことを報告すると、テツヤはすぐに義母に言い返しに行ってくれました。しかし私の働き方がどうしても理解できないらしい義母は、やれ私が動画を観ていただの、音楽を聴いていたなど言っていましたが「それくらいのことは休憩中に、会社で勤務している人だってやっている範囲のことだ」と言われていました。

義母は、自分から見たらヒマに見える私が、自分の相手をしてくれないことを、罵りたいのでしょう。「もういいわ」と怒ってしまいました。

また後日、私が再び食事当番だったので、電気調理器のレシピとにらめっこしていると、義母がやってきました。とげのある言葉を浴びせてくるので、私もイラっとしました。

義母は私に頼られたかったのかもしれません。しかし義母に頼るということは、義母のペースに合わせて物事を進めるということ。義母には悪いけれど、私にはそんな余裕はありませんでした。それに同居をするうえで、ある程度の距離感は大切だと思ったので、我慢しすぎずに自分の気持ちを伝え、自分なりのやり方で進めていたのです。 しかしそのせいで「義母の怒りを買う→義母が私に嫌味を言う→私が夫に相談をする→夫は全面的に私の味方をしてくれるので、義母としてはますます面白くない→私への嫌味を加速させていく」という悪循環に。そんな生活に、私は徐々に疲れていったのでした。

義母からの嫌味→夫へ告げ口抜け出せない悪循環ループ

義母と私の関係は日に日にギスギスしていきました。

少しの休憩時間にコーヒーを淹れにいっただけで、おつかいを頼まれたり、それを断ると小言を言われたりするので、さすがの私もカチーンとくることがたびたびなのです。

「母さん! この前も言ったけれど、日中にヒトミに用事を頼まないでよ! 休憩時間にいちいち用事を頼まれちゃ、ヒトミだって休んだ気がしないだろ?」テツヤは私が義母のことを相談するとすぐに、解決のために、私たちのあいだにはいって仲を取りもとうと努力してくれます。

これまでの人生で、私は他人と喧嘩をしたこともなかったし、それなりに穏やかに生きてきたつもりでした。それなのに……徐々に「義母」という存在すら、疎ましくなってきてしまったのです。たしかに、なにがあっても私を最優先にして、守ってくれるテツヤには感謝の気持ちでいっぱいです。だけど、やっぱりそれだと義母はよく思わないだろうし、息子が嫁の肩ばかりもつのは面白いものではないでしょう。 しかし、同じ家に「他人」と暮らして、逃げ場のない状況下。これ以上どう頑張ればいいか、私には分かりませんでした。ある晩、私は寝る前にテツヤに思い切って言ってみることにしました。「同居……やめられないよね?」

いまさら後悔しても遅かったのです。同居をはじめる前に、もっと慎重に考えるべきでした。穏やかな性格だとか、他人と揉めたことがないとか、自分を過信しすぎていました。穏やかに生きられるように、自分で自分の環境を整えていただけだったのです。 義母との関係がぎこちなくなっても、同じ家では距離を取ることも関係を断つことも難しい。そんな日々を過ごしているうちに、「義母」という存在すら無理になってきてしまっている私がいました。 しかし夫の気持ちも分かるのです。リフォーム代を全額出してもらっている以上、そう簡単に「別居したい」とは言えません。それでもこのまま義母のことを「イヤだな」と思い続けて暮らしていく未来に、私は希望を見出すことはできませんでした。

ついに事件が!「ふざけんなッ」怪我?謝れ?知らんわ!

私は大きな案件の納期が迫っていたため、早朝から根を詰めて仕事をしていました。

作業途中だったので、パソコンの音楽をかけっぱなしのまま、コーヒーを淹れに1階へ向かったのです。ところが、部屋に戻るとなぜか音楽が消えています。パソコンのまえには義母の姿が……。すぐにイヤな予感がしました。オロオロしながらパソコンのまえに立ちはだかる義母を突き飛ばして画面を見ると、案の定電源が落とされていたのです。ドキンドキンと私の心臓が鳴ります。私に突き飛ばされた義母は、倒れ込んだときに壁に腕を打ちました。

再度電源を入れると、私が今朝早くから作業して作っていたデータがありませんでした。

私は義母を部屋から追い出しました。義母は「ちょっとーー! 話はまだ終わっていないわよーー! 腕の怪我のこと、謝りなさいよーーー」私の部屋の外でドアを叩きながら訴えています。しかし私はそれどころではありませんでした。

昨日クラウド上に保存していたデータが残っていたので、今日の分の作業は一からになりますが、弱音を吐いている暇はありません。私は各方面に電話を掛けながら、必死で仕事を進めます。いろいろな人に助けてもらいながら、何とか納期に間に合いました。

義母との関係がギクシャクした状態のまま同居生活は続いていました。同じ屋根の下に、自分と合わない人が暮らしている居心地の悪さに、自分の家であるはずなのに気が休まることはありませんでした。そうして、とうとう恐れていたことが起こってしまうのです。 私の仕事のデータを消してしまった義母。「わざとじゃない」とは言っていますが、勝手に部屋に入ってパソコンを触る時点でアウトです。こまめにデータを保存しておかなかった私もいけないのですが……。必死で納品を終えてホッとすると、自然に涙が溢れてきました。 もうこの家では暮らせない。私は「もう無理です」とテツヤに連絡して義実家を出たのでした。

【義母の気持ち】「優しい姑になる!」決意がすべて裏目に

私は現在、夫と息子夫婦との4人暮らしです。息子のテツヤが連れてきたお嫁さんのヒトミさんは、とても穏やかで優しい女性です。この子となら一緒に暮らして上手くやっていける、そう思っていました。たくさん話をしたいし、いろんなことを教えてあげたい。そう思って私なりに積極的にコミュニケーションを図ったつもりでした。しかしやればやるほどヒトミさんとの距離は遠くなり、挙句の果てには息子に怒られる始末です。ヒトミさんはそんなに私のことが嫌いなのでしょうか……? 私はただ同じ家に暮らす住人同士、仲良くしたかっただけなのに……。

私は、自分の姑とは不仲でした。しかし夫は次男だったため同居もなく、ほどなくして姑は他界したため、そこまで長期間の交流はありませんでしたが、息子のテツヤが結婚したときは私は絶対に優しいお姑さんになろう! と心に決めていました。

私はヒトミさんと仲良くなりたかったのです。だから一緒に作業できそうなときや、タイミングが合いそうなときを見計らってなにかにつけて声をかけてきたのに、ヒトミさんは「仕事」を理由にいつも断ってくるのです。挙句の果てに、自分の気に入らないことをすべてテツヤに告げ口をするのです。おかげで私はいつもテツヤに怒られる羽目になる。悪循環もいいとこです。夫も息子夫婦の味方のようで頼りになりません。

テツヤは私の言い分も聞かずに全面的にヒトミさんの味方をするだけなので、徐々に私とヒトミさんのあいだに距離ができてしまいました。でも、私はヒトミさんとコミュニケーションをとることを諦めませんでした。この日も、ヒトミさんに頼み事をしようと思って部屋にいくと、仕事をしているはずのヒトミさんがいません。パソコンがつけっぱなしでした。よかれと思ってしたことが、まさかこんな大ごとになってしまうなんて……。

私はずっとヒトミさんと仲良くなりたいと思っていました。一緒にお料理をして、いろいろな話をして「いつか本当の母娘のようになれればいいな……」そう思っていたのです。 それなのにヒトミさんは私が何か言うと、そのことが気に入らないのかすぐに息子のテツヤに告げ口をします。そしてテツヤも事の真相を確認しないまま、ヒトミさんの言葉を全面的に信用して一方的に私を責めてくるのです。そんな日々が続いていたこともあって、私だって面白くありません。それでも私はヒトミさんに歩み寄り続けたつもりだったのです。 間違えてパソコンを消してしまったことについても謝ったのに、ヒトミさんは私を突き飛ばし、暴言を吐きました。こんな子だとは思ってもいなかった……! 私は怒りが収まりませんでした。

【私の気持ち】ひとり反省会。自分を過信しすぎた結果……「離婚かな」

私はもう同居は無理だと思って、義実家をあとにしたのでした。

何度かテツヤから電話がありましたが、勢いで出てきてしまった自分の気持ちをしっかりと説明できる自信がなかったので、電話で話すことはまだできませんでした。

義母の腕には青いアザができていました。ホテルで一人になってみると、時間が経てば経つほど冷静になっていきました。あのときカッとなって義母をつい強く突き飛ばしてしまった自分を反省しました。後悔は、義母に怪我をさせてしまったことだけではありません。さかのぼればキリがないくらいでてくるのは「あれをしなければ」「ああしておけば」私は、どこでボタンをかけ違えてしまったのだろうということばかり。

結婚当初「同居」を安易に考えすぎていた自分を悔やみました。もっと慎重に考えれば良かった。自分のことも温厚な性格だと思っていたのに、それも過信だったことに気づきました。

それに、いままで私のことを最優先にして守ってきてくれたテツヤにも申し訳ない気持ちでいっぱいでした。たくさん庇ってもらってきたけれど、さすがに今回のことはテツヤを怒らせてしまったに違いありません。見限られても仕方ありません。

ビジネスホテルに一人でいると、だんだん頭が冷静になってきました。義母のしたことは許されるものではなかったけれど、突き飛ばしたりして申し訳なかったな……と反省もしました。ただ反省をしたからといって、義実家に戻りたいとは思いません。日々のちょっとしたことの積み重ねが、これほどまでに「義母」という存在を無理にしてしまったのだな……と、改めて同居の難しさを感じました。 私の元へ息を切らして駆けつけてくれたテツヤ。やけになってお酒を飲んでいた私は若干ほろ酔い気味ではありますが、酔いの勢いを借りて言いたいことを言ってしまおうと思います。

【テツヤの気持ち】同居に終止符を「すべてオレの責任!」

あるとき、ヒトミが母さんを突き飛ばし、母さんが怪我するという事件が起きた。ヒトミは「もう無理」と家を出ていってしまい、母さんも母さんで興奮がおさまらないようだ。

ヒトミと母さんがここまでこじれてしまってはもう一緒に暮らしていくのは無理だと思った。

俺たちが家を出ることについて、父さんは理解を示してくれた。しかし母さんはどうしても納得がいかないようだった。そもそも今回、自分が怪我するにいたったこと自体、全部ヒトミが悪いと思っているような言い方をしている。

「この家を出ていく!? もとはと言えばあの女が……」と言いかけた母さんを俺は遮った。俺が選んだ人を「あの女」呼ばわりする母さんにものすごく腹が立った。すると母さんはさすがに気まずそうに黙った。

お互い思い違いや、ちょっとした意識の違いがあったのだろう。たくさんの要因があって、そこから生じた結果がいまの現状なんだと思う。

しかし、今回のことは、ヒトミがこんな行動に出てしまうほどに追い込まれていたってことを……しっかり分かろうとしてあげなかった俺に一番責任がある。ここまでこじれて、いままで通りに生活なんてできるはずはない。俺はこれ以上ヒトミに負担をかけたくない。だから俺たちはこの家を出ていく。これが俺の出した結論だ。

母さんとの話を終えた俺は、ヒトミがいるビジネスホテルにやって来た。すると会った途端、ヒトミはポロポロと泣き出した。

母さんはヒトミに対して不信感でいっぱいだった。ここまで二人をこじらせてしまったのは、すべて俺の責任だ。俺の事情にヒトミを巻き込んだ。ヒトミが受け入れてくれるから、俺さえヒトミの味方でいれば何があっても大丈夫。そんな甘い考えのせいで、母さんとヒトミの関係のひずみが深くなる前に気づいてあげることができなかったんだ。 あんなに穏やかで優しかったヒトミをここまで苦しめてしまった同居生活に、俺たちはハッキリと結論を出さないといけないと思っている。

【私の気持ち】前に進むため、最後のケジメ!「もし……」は考えない

私はもう同居は無理だと思って、義実家を後にしたのでした。テツヤはすぐに私に会いに来てくれました。

テツヤは宿を予約してくれて、私を温泉に連れて行ってくれました。そして同居を解消しようと言ってくれたのです。

「別に父さんの会社は、同居しなくても継ぐことはできるし、リフォームにかかった費用についても俺がしっかり話し合って解決すればいいことだから」義母に怪我までさせてしまった私にも関わらず、テツヤはいつもと変わらず私に寄り添い、優しいままの夫でした。

そうして私たちは、義実家を出ることになりました。しばらく私はマンスリーマンションに身を置き、義実家での荷物のまとめはすべてテツヤがしてくれました。

義母と会うのは、あの日以来でした。引っ越しのトラックに荷物が積み終わり、出発を見送ってから、義両親と玄関で対面しました。 もちろんいまでも、あの日、義母のしたことを許すことはできないけれど、自分がしてしまった過ちを認めて、ちゃんと謝っておきたいと思ったのです。そして、頭を下げて謝ることで、私自身も前に進むために。義母も謝罪の言葉をくれたので、私たちが家を出ることがかなり効いているのかなとも思いました。

最後に義母に謝ることができて、良かったと思います。もし同居をしていなかったら……。もし私が在宅勤務ではなかったら……。いまとは違う結果になっていたのかもしれません。できることならば、細く長く仲良くしたかった。けれど何回「もし」を考えたとしても、現実は変わりません。私と義母はもともと他人であり、一度こじれてしまうと簡単に水に流して仲直りなんて難しいのです。テツヤは引き続き義実家に顔を出しますが、私はもう会うことはないでしょう。

あれから半年。今では穏やかな日々が続いています。実は先日妊娠していることが分かったばかり。これからはテツヤと一から家庭を築いていきたいと思います。これから生まれてくる新しい命の誕生を心待ちにしながら、新しい家で家族仲良く暮らしていきたいと思います。


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