駆け抜けたポピパの10年は、さらにその先へ!Poppin'Party LIVE 2024「Poppin'Canvas ~芸術の秋、音楽の秋!~」レポート
■2024.10.14 Poppin'Party LIVE 2024「Poppin'Canvas~芸術の秋、音楽の秋!~」@河口湖ステラシアター
『BanG Dream!』恒例となっている山梨県での野外ライブ。今年は10月12日~14日に河口湖ステラシアターで開催され、その3DAYSの大トリを飾ったのが、来年結成10周年を迎えるPoppin'Party。『BanG Dream!』の顔として駆け抜けてきた10年の歩みと、次の10年を目指していくメンバーの思いが詰まったライブの様子をレポートしよう。
■ファンの間近で奏でられた熱さと楽しさ満載なポピパの音色!
つい先日まで続いていた猛暑から一転して、秋らしい空気と夕闇に包まれた河口湖ステラシアターは、ポピパファンが輝かせるコンサートライトのまばゆい光に満たされていた。そんな中、アコースティックなインストゥルメンタルに乗せてメンバーが一人ずつステージに登場。歓声を受けながらステージ上段にかけられたベールを取り去っていくと、そこにはキャンバスに描かれたライブタイトル「Poppin'Canvas」のグラフィックが。
そしてライブへの期待を盛り上げるようにメンバーがリズムに乗せたクラップを叩き始めると、ファンもそれにクラップを重ね、場内にはリズミカルな手拍子のハーモニーが響き渡っていく。それに乗っかるようにスタートした5人の演奏が奏でるオープニングナンバーは、TVアニメ第1期のEDテーマ「キラキラだとか夢だとか ~Sing Girls~」。聴いてくれるキミ(ファン)がいるから自分達は走り出せるという思いを歌った懐かしい一曲を、花道ステージまで進み出てのギター&ベース演奏も交えて熱唱。
さらに「もっと声出していくよー!」という掛け声と共に、ノンストップでTVアニメ第1期OPテーマ「ときめきエクスペリエンス!」へとなだれこみ、Poppin'Partyの原点を見せるようなパフォーマンスで、この日のライブの幕は上がった。
「芸術の秋! 音楽の秋! ポピパの秋!」
そんな挨拶と共に始まったMCでは、一年ぶりのワンマンライブをみんなの顔が見える距離で歌えるステラシアターでやれることへの嬉しさや、芸術の秋を思わせるモチーフが散りばめられたステージについて語られた。そして「とっても楽しい青春の色でステージを染め上げよう!」という掛け声でMCを締めくくり、再びライブがスタート。
止まらない青春の日々を歌った「青春 To Be Continued」に、激しく噴き出すスモーク演出と共に夢を目指す人達へのエールを唄い上げる「What's the POPIPA!?」と青春ソング二連発で、秋の夜の涼しさに包まれた場内を熱く盛り上げていった。
二度目のMCタイムでは、ステージを練り歩き、今回の衣装をお披露目しながらステージ上段へと移動。ライブタイトルが描かれたキャンバスと共にベールをかぶせたまま残されていたものたち……ポピパの面々がそれを取り去ると、そこに隠れていたのはアコースティックギターやカホンなどの楽器の数々。せっかくなのでみんなも座ってじっくりと聴いてくださいと、久々のアコースティックライブがスタート。
最初の曲はりみが地元商店街への恩返しのために作ったナンバー「Home Street」で、5人揃っての披露は意外にも今回が初めて。愛すべき日常と地元への思いをアコースティックの柔らかな旋律と共に歌い上げた。そして「せっかく座ってるし、10年目だし」ということで、企画トークコーナーがスタート。
スケッチブックに5人で描いたトークのお題は「ありがとう川柳」で、メンバーそれぞれが川柳で仲間への感謝を伝えるというもの。
愛美からはいつも笑顔でみんなを安心させてくれる大橋彩香への感謝を謳った「あやかちゃん まろやか笑顔 あったかい」。
大橋彩香からは同じリズム隊として支えになってくれているベース・西本りみへの感謝を込めた「りみりんが いないとわたし 叩けない」。
西本りみからは一緒にヘッドバンキングを決めながら熱い演奏をしてくれる大塚紗英に「おさえちゃん 今後も一緒に 頭振ろ?」と今後も暴れていこうとのエール送られ、大塚も「おとなしくしてるつもりだったけど、もっと暴れていこう」とそれに応えた。
大塚紗英は一番近い距離で周りを良く見ていてくれている先輩・伊藤彩沙への感謝と、10年掛けてタメ口をきけるぐらいに仲良くなれたことの嬉しさを語ったが、川柳の形式になってない語りにみんなから突っこまれる一幕も。
そしてラストは伊藤彩沙から愛美に、名前のごとく愛でメンバーのことをすごく考えて動いている愛美がいるから今のポピパがあるという感謝を込めた「愛のため 闘い続けて 10年戦士」で川柳コーナーを締めくくった。
続いての「10年で変わったこと変わらないこと」というお題では、みんなマイペースで個人行動が多くても、ポピパはそれを暖かく受け止めてくれているとみんなで語り、企画トークコーナーを締めくくった。
■再びポピパが武道館に! そして次の10年に向けて走り出す!
トークコーナーで何を感じたという前振りに、愛美が何度かボケを挟みつつ「ポピパの絆!」と応えたのを合図に始まったのは、TVアニメ第2期OPテーマ「キズナミュージック♪」のアコースティックバージョン。想いのこもった5人のハーモニーが響き渡り、ファンもそれをじっくりと聴き入り万雷の拍手でスペシャルなステージを締めくくった。
歌い終えて再びメインステージに戻ったメンバーから、芸術の秋にちなんで「ステラシアターを5色に染めたい」というお願いが。大きな絵筆を手にしたメンバーの指示に合わせて、ファンがブロック毎に5人のイメージカラーにペンライトを輝かせ、さらに筆の動きに合わせてステージから星空へと輝きが伸びていくウエーブも見事に成功。ステージをアトリエに見立てたパフォーマンスが終わり、愛美の「開けキャンバス!」という言葉を合図に、ポピパのステージは野外へと広がっていく。
星空に誓った未来への約束を歌った劇場版『BanG Dream! ぽっぴん’どりーむ!』のEDテーマ「星の約束」が始まると、ステージの背後の壁がだんだんと開いていき、森と星空へとポピパの世界が広がっていく。さらに「いつもとは違ったポピパの色をお届けします」という前振りから、ライブ初披露となるカバー曲「怪獣の花唄」、そしてポピパの代表曲の一つである「走り始めたばかりのキミに」と、夢を目指す気持ちを歌った三曲を情感のこもった演奏とボーカルで歌い上げた。
歌い終えてライトアップされた背後の森と屋根が開いて星空と月が広がる風景に、メンバーもファンも盛り上がる中、いよいよライブは最終ブロックへ。その口火を切ったのは、ライブ初披露となる最新Single曲「TARINAI」。吹き上がる炎の演出をバックに、PVビジュアルと同様に真っ赤なメガホンを愛美が手にしてノイジーなボーカルで歌い出し、共に声を出して一緒にこれからも走ろうというメッセージを熱唱。
続いてポピパのライブには欠かせない「Time Lapse」を、5人のアカペラハーモニーからの激しい演奏で紡ぎ出していく。
「この月灯りの下、一緒に歌いましょう!」
そんなメッセージと共に始まったラストナンバーは「Moonlight Walk」。前曲の「陽が落ちて歌声は星となり」というフレーズからこの曲への流れ、そして暗い夜の森の中でも迷わず一緒に未来へと進もうという、夜の帳に覆われたステラシアターとリンクするようなセットリストと演出に、メンバーもファンも最高潮に盛り上がって、ライブは幕を閉じた。
秋の夜の冷え込みが場内を覆う中でも、ファンのテンションは冷えることなく、すぐさま夜空と森にアンコールの声が響き渡る。そんな思いに応える様に、ライブTシャツへと着替えたメンバーがステージに登場。けっこうな寒さにメンバー同士で手を温めあったりしながら、アンコール1曲目を飾ったのは、こちらも最新シングル収録&ライブ初披露の「トレモロアイズ」。それぞれの未来や夢へと進んでいくことへの期待と不安を歌った切ないナンバーを、エモーショナルに歌い上げていった。
そして歌い終えた後のトークでは来年2月26日に4年半ぶりとなる3rd Albumの発売が決定したこと。そしてライブタイトルが描かれたキャンバスをメンバーが一斉に裏返すと、そこには「日本武道館」の文字が! 2019年以来となる日本武道館での10thAnniversary LIVEが5月26日に決定の報に場内は大歓声に包まれ、メンバーが涙ぐむ一幕も。
そしていよいよライブもフィナーレへ。野外の寒さにメンバーが全員が身を寄せ合いながら、10年間見守り応援し続けてくれたファンに感謝の言葉が送られる。そして、10年じゃ物足りないので、これから先の10年も一緒に新しい景色を見続けていくために力を貸してほしいと、みんなと目指す未来へのメッセージが送られた。
寒さに負けないよう準備運動で体を暖めるメンバーたち。そして愛美から「ついに10周年を迎えるということで、ここにいるすべてのポピパー、全世界のポピパー、バンドリーマー、誰一人の手も離さずにこのまま突き進んでいきたいと思います!」という力強いメッセージに大歓声が巻き起こる中、激しい演奏と共にラストナンバー「ティアドロップス」がスタート。「いつまでもこの手を離さない」「新しい君に会いたい」など、これまで歩んできた10年とこれから進んでいく次の10年への思いを歌い上げて、河口湖ステラシアターでの3DAYSを大団円で締めくくった。
曲のクライマックスから夜空に打ち上げられた花火は、ポピパとファンを祝福するようにさらに激しく夜空を彩り、メンバーからは「たまやー!」ならぬ「ぽぴぱー!」のかけ声も上がり、最後は全員でのジャンプとメンバーからの生声での「ありがとうございましたー!」のお礼で、Poppin'Partyの秋の祭りは締めくくられた。
Poppin'Partyの10年の歩みを凝縮したようなエモーショナルさにあふれた今回のライブ、次なる10年では5人がどんな景色を見せてくれるのか期待に満ちあふれた一夜となった。
取材・文:斉藤直樹 撮影:福岡諒祠(GEKKO)