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家康、信長、秀吉……名将たちと共にあった名刀たちの物語が<徳川美術館>にて明かされる。刀剣乱舞ONLINEとのコラボレーションにも注目!

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家康、信長、秀吉……名将たちと共にあった名刀たちの物語が<徳川美術館>にて明かされる。刀剣乱舞ONLINEとのコラボレーションにも注目!

 徳川美術館が所蔵する尾張徳川家伝来の日本刀はおよそ700振を数え、美術館で所蔵する刀剣数として最大を誇る。その中には、国宝10振、重要文化財19振、重要美術品23振、優れた作品ゆえに固有名称をつけられた名物刀剣23振が含まれており、質・量ともに卓越している。
 このコレクションの背景には、”御三家筆頭”という尾張徳川家の家格の高さが大きく影響している。刀剣は武家社会において重要な贈答品であり、将軍家に次ぐ格式を誇った尾張徳川家には自然と当時の最高級品が集まったのである。また、尾張徳川家は徳川家康の遺品を多く相続したため、織田信長、豊臣秀吉など、歴代の為政者や戦国武将ゆかりの名刀もその来歴とともに継承した。このように、尾張徳川家の刀剣コレクションは、単なる武具としての価値を超えて、歴史を物語る重要な文化財なのである。

▲<重要文化財 脇指 無銘 貞宗 名物 物吉貞宗>神君家康の愛刀として、また家の権威・権力を象徴する品として、尾張徳川家歴代当主は家督相続後にこの刀を継承する儀式を行った。「物吉」の銘は、家康がこの脇指を帯びて出陣すると必ず勝利を得たことから、すべてにおいて縁起がよいということで付けられたと伝わる。

 

 前期日程(6月14日~7月27日)では、「伯仲燦然」と銘打ち、「本作長義」と「山姥切国広」の2振が同時公開される。「本作長義」は北条氏直より長尾顕長へと下賜された名刀である。顕長は、小田原合戦にて籠城が長期化する中、北条方として最後まで戦い抜く覚悟を示すため、刀工・国広にその旨を銘文として刻ませた。その国広によって、顕長のために作られたのが「山姥切国広」だ。顕長の所持からおよそ100年後、「本作長義」は尾張徳川家の所蔵となり今日まで名古屋に、「山姥切国広」は2024年に作刀の地とされる足利市で継承されることになった。

▲<重要文化財 刀 銘 本作長義天正十八年庚寅五月三日二九州日向住国広銘打 長尾新五郎平朝臣顕長所持 天正十四年七月廿一日 小田原参府之時従 屋形様被下置也 徳川美術館蔵>

 
 
 後期日程(7月29~9月7日)では、天下五剣の中でも最も美しいと評される「三日月宗近」、名工正宗の最高傑作と名高い「日向正宗」、「鯰尾藤四郎」と同じ逸話を共有する「岡田切」など、刀剣史に輝く名品が登場する。

 
 会期中、「刀剣乱舞ON LINE」とのコラボレーション企画として、徳川美術館所蔵の刀剣をモチーフにした刀剣男士6振の描き落としイラスト6種も展示される。
 刀剣愛好家はもちろん、刀剣を見るのが初めての方にも名刀の魅力に触れることのできる貴重な機会となることだろう。

徳川美術館・蓬左文庫開館90周年記念 夏季特別展 時をかける名刀
会期:2025年6月14日(土)~9月7日(日)
   前期日程:6月14日(土)~7月27日(日)
   後期日程:7月29日(火)~9月7日(日)
休館日:月曜日 ※ただし、7月21日・8月11日(月祝)は開館、7月22日(火)は休館
        ※お盆期間(8月5日(火)~17日(日))は開館

会場:徳川美術館 本館展示室 / 名古屋市蓬左文庫展示室
公式ホームページ:https://www.tokugawa-art-museum.jp/

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