沖磯フカセ釣りで40cm頭にメジナ連発を堪能【静岡・下田】イシダイやメイチダイも顔見せ
年々異常気象が問題となっている。今年は春夏秋冬の四季感が薄れ、春夏冬になっていると気象予報士が話していた。10月になっても夏日を記録する回数が多くなり、11月になるとようやく秋らしい陽気にと思ったのもつかの間、下旬には10年に一度の大雪の恐れが等とニュースで報道されていた。各地で雪の被害がないことを願うばかりだ。
さて、ホームグラウンドにしている静岡県伊豆半島の海であるが、高かった海水温はここに来て、吹き出した季節風の西風が影響し、この原稿を書いている時点で19℃台に落ちてきた。水温の変動幅としては、季節風が吹く度に下がったり上がったりを繰り返すのが例年のパターン。当然、魚にとっては下がったまなしは食いが渋くなる。逆にその水温で数日安定していれば活性は高い状態となる。この状況で釣行できればベストではあるが、そんなに上手く事は運ばないのが常である。今回はまさにそんな状況での釣行となった。
下田市須崎の沖磯でフカセ釣り
11月30日主宰している「磯釣り奨励会」の12月月例会を下田市須崎の沖磯で開催。その前日から須崎に入り、釣りをして夜は宿泊忘年会で2024年の想い出話で盛り上がろうという毎年恒例の企画。
数日前から気圧配置図を見ていると、冬型が強まる予報。あとは、どれだけ強い西風が吹くかだ。ただ、釣り場を須崎に選んでいる理由は、西風にはめっぽう強い地域だからだ。港に着いて見ると、やはり猛烈な西風が吹いていた。
出船は6時。いつもお世話になる渡船すさき丸の船長さんと挨拶をかわしながら釣り場の近況を聞いて、渡礁場所は船長さんにお任せした。会の仲間と二手に分かれ、私は4人で尾山という磯に渡礁。須崎地区の渡船は、北東風が強ければ、港を出て下田湾方面までの安全に釣りができる場所に上げてくれる。また、西が強い場合は、爪木島から外浦方面の磯となる。
いずれにしても、台風のようなウネリがなければ何処かしらで釣りができるエリアである。釣況としては、良型もポツポツながら出ているようだ。あとは西風で下がった水温の影響がどの程度かだ。
仕掛けとエサ
渡礁後すぐに4人で釣り座を決めてから、それぞれ支度を開始した。用意したコマセは、一日分としてオキアミ6kgに、配合エサ「アミパワーグレSP」「ニューグレパワーV11」「グレパワーV9SP」「M.S.P」。2回に分けてやや硬めに混ぜ合わせて作った。最初から軟らかめに作ってしまうと、遠投する場合にバラけてしまうので、あとで手直しができる。
サシエサは、生のオキアミ、くわせオキアミスーパーハードM、くわせオキアミV9L、特鮮むきエビ。魚の食いに応じてサシエサをローテーションしながら使用することで、食いがあまり良くないときに効果的だからだ。
タックルは竿が「がま磯インテッサGV1.25号5.0m」。リールは2500番レバーブレーキ付きフロントドラグタイプ。ミチイトは銀鱗SSトーナメンターMK1の1.75号。ハリスにはトヨフロンGAIA2号を10m取り、ミチイトと直結。ハリスの中に仕掛けを組んだ。ウキは塩田ウキMのB号。ハリは掛りすぎ口太6号を使用。
開始早々尾長メジナとイサキがヒット
最初に取った釣り座は、前下がりの足場があまり良くない場所。正面に朝日が見え眩しい。磯際に多目にコマセを撒き、エサ取りの動きを観察したが、魚の姿は見えない。
磯際から10mほど沈み根が張り出しているので、ポイントを沖20mに考える。磯際にコマセを多目に入れ、ポイントへ固めたコマセを数投撒いた後、仕掛けを投入。ウキから目を離すと全く見えないくらい朝日で眩しい。
ミチイトをやや張り気味に竿先を下げてアタリを待つと、一投目から穂先を曲げる良いアタリが出た。鋭角に走る感じからどうやら尾長メジナらしい。ほどなく浮かせてタモ入れすると35cmの尾長メジナであった。幸先が良いスタート。その後は、25cm前後のイサキが連発し出す。
根際で良型メジナ登場
そこで、釣り座を山越の日陰となるワンドに移動。ここは、足元の沈み根の溝と沖に大きく沈んでいる根の先がポイントとなる。まずは溝を狙う。ハリスの長さを矢引きにし、ウキは固定で、沈む設定にする。
釣り方は脈釣りのような感じで釣る。時折大きく出るサラシに仕掛けが揉まれて根掛りしないように、竿先で仕掛けを誘導しながら、溝際へサシエサを入れ込んでいく。最初はタカノハダイ、続いて45cmのブダイ、次に強烈なアタリで取り込めたのが、今回の最大魚となった口太メジナの40cm。根ズレでハリスが切られそうになるも、根ズレに強いハリスで良かった。
このポイントの良い所は、魚が溝に入っているときは結果が出るのが速い。磯上がり前に再度沖側に移動して潮の中を釣り、36cmカンパチや尾長メジナを釣ることができた。
仲間もメジナ35cm前後やイサキと45cmのナンヨウカイワリを釣り上げて一日楽しんだ。惜しむらくは、水温低下の影響からか、潮の中に良型が少なかったこと。水温の影響を受けにくい根際で40cmアップを出せたのが攻略法として正解だった。
翌日も一投目からヒット
夜は釣り談義で大いに盛り上がり、翌日の12月1日は少し早い会としての竿納め月例会だ。幸いにもこの日は前日吹き続けた西爆風は収まり、ポカポカ陽気で最高の釣り日和。船長さんの指示で参加者は4か所に分かれて釣りを行った。
私は仲間3人と矢大臣に渡礁。左から右に早い潮が流れている。当て潮側に一人、先端左角に一人、私はその右側に入った。
磯際右に切れ込みがあり、大きすぎない程度にサラシができている。まずは切れ込み奥に仕掛けを入れて、サラシの中で食わせる作戦を取った。コマセを波が引いたときにパラパラと撒き、波の下へコマセを潜り込ませるようにする。そのあと仕掛けをサシエサから順に海面に着けるように投入。
仕掛けが馴染みながら沖に払い出した途端、ウキが徐々に加速しながら消し込んだ。アタリを取ると良い感じに重量感がある。根際で食わせているので根ズレだけには気を付けながら、竿で魚の動きをいなしながらやり取り。37.5cmの丸々太った口太メジナだ。今日も幸先が良い。
イシダイやメイチダイなども登場
月例会の規定は35cm以上のメジナ1匹長寸だから、出来れば40cm以上を釣りたい。仲間も、ポンポン尾長メジナや口太メジナの30cm前後を釣り上げている。そんな中、当て潮側の仲間が強烈なアタリを捉えて大きく竿を曲げている。取り込んでビックリ、40cmはあるイシダイであった。どうりで引く訳だ。
その仲間はそれだけでは終わらなかった。その後もお土産に最高の魚を連発。40cm以上のメイチダイや36cmのアカハタを釣り上げて笑顔がはじけていた。結局、メジナの40cmアップは出せなかったが、30後半までのメジナは入れ食いを楽しめたし、イサキも釣れ良い一日であった。
会の結果は43cmを釣り上げた若手部の会員が見事優勝に輝いた。今年の行事を無事すべて終えることができ、来年も素晴らしい年となることを期待して須崎を後にした。今後の須崎地区の状況であるが、水温が15~6℃くらいになるまで良型、特に50cm超えが期待できるので、本格的な寒グレ釣りシーズンが楽しみである。
<塩田哲雄/TSURINEWSライター>