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【まさか】絶滅した「東京チカラめし」を新宿で発見! だが全ては幻だったようだ…

ロケットニュース24

想い出はいつもキレイだけど それだけじゃお腹がすくわ」と歌ったのは、当時JUDY AND MARYのボーカルを務めていたYUKIちゃんだ。そう、思い出はいつだって綺麗なものなのである。

例えば一時は絶滅してしまった『東京チカラめし』も、私にとってはキレイな思い出。ただ、思い出は思い出のままの方が良いことだってあるのかもしれない──。

・メモリー

一時は飛ぶ鳥を落とす勢いで急速に勢力を拡大していた『東京チカラめし』も、2022年に「新宿西口1号店」が閉店し一時は東京から完全にその姿を消してしまった。

2024年に九段第二合同庁舎内に「東京チカラめし食堂」がオープンしたとはいえ、多くの人にとって『東京チカラめし』が思い出になってしまっていることだろう。

・思い出の焼き牛丼

さて、その『東京チカラめし』の名物といえば、ご存じ「焼き牛丼」である。それまでの牛丼と一線を画した「焼き牛丼」は、香ばしさと甘辛のタレが絶妙な最高にパワフルな牛丼であった。

当時勤めていた会社の近くに『東京チカラめし』が出来た私は、ウソではなく週4ペースで焼き牛丼三昧! シンプルなヤツも美味しいが「キムチ」とか「ねぎ」もウマかったなぁ~。

・二度見

そんな私ですら『東京チカラめし』の記憶はほぼ無くなってしまっていたのだが、つい先日のこと。新宿をフラついていると、見覚えのあるオレンジ色の看板が目に飛び込んで来た。お前……

東京チカラめしじゃねえか!

あまりに唐突で時空が歪んだかと思ったが、看板には確かに『東京チカラめし』の文字が。どうやら新宿の「バスあいのり3丁目TERRACE」のランチメニューとして、あの焼き牛丼が提供されているらしい。

脳内によみがえる東京チカラめしのキレイな思い出。これはスルー不可避! というわけで、気付けば私は「バスあいのり3丁目TERRACE」で「焼き牛丼」をオーダーしていた。

・ぐぬぬ

価格は1280円だったので当時よりかなり高い印象だが、そんなことはどうでもいい。今はただ、東京チカラめしとの再会を心の底から楽しみたい。だがしかし、焼き牛丼は私の記憶とは全く違う味わいだったのである。

すっぱい……だと?

前述の通り「焼き牛丼」は香ばしさと甘辛のタレが特徴で、特にタレはわかりやすいにも程があるほどベタベタな甘辛。単調と言ってしまえばそれまでだが、その甘辛が抜群にウマかったのである。

一方、私が食べた焼き牛丼は甘辛と程遠く、もっとも強いのが酸味。久しく焼き牛丼を食べていない私ですら「全く違う」と即断できるほど、目の前の焼き牛丼はかつての焼き牛丼ではなかった。

・そばかす

ただし、まずいというワケではなく、あくまで「バスあいのり3丁目TERRACE風 焼き牛丼」なのだろう。よく見ると看板には「新宿テラスBBQ風にアレンジ」とあったため、焼き牛丼を元に、大胆なアレンジを施したのだと考えられる。

アレンジが効きすぎて原曲がわからなくなっている気がしなくもないが、ポジティブに捉えれば「進化」とも言えるかもしれない。かつて私が愛した姿では無かったが、確かに東京チカラめしの焼き牛丼が新宿に存在した。

思い出はいつだってキレイで、それだけじゃお腹がすくのはよくわかる。ただ、思い出は思い出のままの方が良いことだってあるのかもしれない。ある春の昼下がり、私は新宿でオレンジ色の幻を見たようだ。

参考リンク:バスあいのり3丁目TERRACE
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

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