【横浜市青葉区】「犯罪・事故の一掃を」就任1年半 青葉警察署・鎌田純署長に聞く
青葉区内で恒常的に発生する犯罪や事故はどうすれば防げるのか――。日夜、取り締まりや防犯活動、犯罪検挙に勤しみ、区の安全・安心を守る青葉警察署の鎌田純署長に話を聞いた。
(聞き手:青葉区編集室松下一茶)
――就任されて1年半が過ぎました。区の印象は。
「実は10年前にも同署で警務課長として勤務していました。当時と変わらず、閑静な住宅街と緑が多く、美しい街並みです」
――署管内で深刻化している犯罪の傾向は。
「特に多いのは、特殊詐欺です。オレオレ詐欺、還付金詐欺はもちろん、最近だとビデオ通話を使った『警察がたり』の詐欺も増えています」
――ビデオ通話を使った詐欺は初めて聞きました。具体的には。
「メッセージアプリなどを使って、ニセ警察官がニセの警察手帳を見せるなどして、信用させようとしてきます。顔を出している分、信じてしまう人もいらっしゃいます。またニセの逮捕状で脅して、金品をだまし取ろうとします。
他にもSNSを使用した投資詐欺についても被害が増えています。メッセージアプリのグループ招待から始まり、いわゆる”サクラ”の人たちから『〇〇先生の話を聞くと儲かる』と言われ、促されるようにお金を振り込んでしまう。そんな事例もあります」
――区内の事故状況についても教えてください。
「昨年比ですが、10月末時点で約50件ほど人身事故が増えています。今年1月には青葉台でわき見運転による死亡事故もありました。青葉区は横断歩道が2571カ所と横浜市で一番多く、それに伴い横断歩道上での事故が多い傾向にあります。横断歩道上での事故は10月末時点で県下2番目に多いです。
また、小学校も市内最多の30校あるため、子どもが被害に遭う事故も45件起こっており、この数は県内で3番目に多い数字です」
啓発にプロレスラーを起用
――では、犯罪・事故の防止に向けてどのような活動を行っていますか。
「プロレスラーの方などを招いて啓発イベントを実施している他、市と県警で制作するポスターに登場していただき、そのポスターを区内各所で掲出するなどの取組を行っております。
さらに署員を派遣して、企業や学校、自治体などに向けて防犯講話を行ったり、区内小学校で交通安全教室の開講、迷惑電話防止機能付きの機器の貸し出しなど多岐にわたる活動に取り組んでいます」
――区民の皆様に一言。
「安全で安心な青葉区の実現のため、署員全員が一丸となり、治安責任を果たしていきます。引き続き区民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします」