製造業、男性の《リアル貯金額》早期退職を目指していますが、今のままでは足りません【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな総資産額を大公開。質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【29歳 男性】
【貯蓄額】29歳、製造業の場合
プロフィール
29歳、男性
製造業エンジニア
個人事業主、年収200万円
独身
【相談内容】米国株が暴落していますが、投資信託はどうしたらよいでしょうか?
「FIREするために2,000万円の貯蓄を目指していますが、今のままでは足りません。米国株が暴落しているため投資信託も下落しています。どうすると良いでしょうか?」
現在の貯蓄額は平均と比べると高い?低い?
相談者さんと同じ20代の単身世帯の平均貯金額は121万円、中央値は9万円です*。
相談者さんの貯蓄額は900万円なので、平均よりも大幅に高い水準にあります。
*……参考:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和5年」
下落時には現状維持もしくは追加購入を検討
投資はさまざまな要因で相場が変動するため、現在のように大きく資産が減ってしまう場合もあります。
つい安全資産への預け替えや利益確定のため売却を考えてしまいがちですが、ここで売却の必要性について検討してみましょう。
投資信託の資産額は以下の算式で求められます。
資産額=一口当たりの基準価額×保有口数
上記のとおり投資信託は、基準価額の変動に合わせて資産額も変動する仕組みです。
一方で投資信託を購入する場合は、基準価額が下がっているほうが多くの口数を購入できます。
つまり、今回のように基準価額が下がっている場合は、現状維持する、あるいは追加購入するのも選択肢のひとつと言えるでしょう。
過去の暴落も時間経過とともに回復
世界の株式市場では、これまでに幾度となく暴落を経験しています。
直近で言えば、コロナショックでしょうし、2000年以降の下落率で言えば2008年に起きた国際金融危機(通称リーマンショック)が最大でしょう。
国際金融危機では、世界中の株式指標がほぼ半分にまで下落しています。
しかし、いずれの暴落も時間の経過とともに回復し、暴落以前の水準を超えていることもまた事実です。
もちろん売却が最善の選択である場合もあります。
ただし、FIREまで時間の猶予がある相談者さんのような人は、慌てずにこれまで通りの投資活動をするほうが、将来手にする金額は大きくなる傾向にあると言えるでしょう。
相場は変動するものです。
「長期運用」「分散投資」「時間分散」を意識しておくと、投資によるリスクを軽減することにつながりますよ。
まとめ
・相場下落時には、追加購入もしくは現状維持を検討。
・相場は変動するものであるため、「長期運用」「分散投資」「時間分散」を意識するのがおすすめ。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。
◆松田亮太
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級
大学卒業後、地方銀行、外資系生命保険会社を経て、現在FP事務所に勤務中。